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【せかくま#3】 「場づくり」から着想したぬいぐるみ

前回のせかくま
#2 なぜIT企業がぬいぐるみを作ったのか

そんなとき、我楽田工房のトークイベント(2016年11月28日開催)で出会った、折りたたみ自転車で8年を掛けて世界一周をしたという島田義弘さん(通称ヨシさん)に声をかけた。

「一緒に走りませんか?」

横山からヨシさんに声をかけたという。

「会議室で考えていても何も浮かばない。なんでもいいから行動しないとダメだと思っていました。とにかくどこかに筆を置く、動き出すきっかけを与えてくれたのがヨシさんだった。まずは走り出して、これまでに集まった材料で、自分にしか作れないもの。そして形あるものを作っていこうと」

何をするかも決めていない中で、7月23日にヨシさんと一緒に長野に行くことだけを決めた。悩みに悩んで、新しい事業を立ち上げようとしている最中である。

「行くと決めた以上は何かしなきゃと、ヨシさんみたいな面白い人を応援するツールを作りたいなと思った。どうやったらヨシさんは、一生、自転車で走りまわれるだろうか。そのアイデアを考えていた頃、ぬいぐるみを旅させる旅行会社が話題になっていて、『じゃあヨシさんにぬいぐるみを持って走ってもらおうか』と」

これも半ば「思いつき」である。後押ししたものがあるとすれば、20代の時に企画したプロジェクトのキャンペーンで犬のぬいぐるみを作った経験だけ。なぜ、それだけの理由で突き進むことができたのだろうか。

「ちょっとでも経験があったのは自分の中で大きかったんです。それにぬいぐるみって、子どもにも大人にも愛されるもの。それなら、人を集めるための場づくりツールになるんじゃないかと、ひらめきが自分の中に生まれたんです」

当時から横山の頭にあったのは、プラットフォームという言葉だった。アップルのiPhoneやアマゾンのようにたくさんの人が集まるプラットフォームは、なにもデジタルな世界でなくても、手で触れられるツールでも作れるのではないかと考えたのだ。

世界に愛されているクマで、人と地域をつないでいく話
#1 企業、作り手が集う「くみぐま」誕生の背景
#2 なぜIT企業がぬいぐるみを作ったのか
#3 「場づくり」から着想したぬいぐるみ
【次】#4 プラットフォームとして「誰もが参加できる仕組み」を
#5 事業化のきっかけとなった長野遠征
#6 「くみぐま」誕生
#7 「くみぐま」流行でなく定番に

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