我流思案

刀剣趣味に関してつぶやく場。 見たり、買ったり、作ってもらったり。

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思いを込めて、短刀を組む

自分にとっての、理想の短刀を考えた結果、 これはもう作刀依頼するしかない、と思い至り、 刀匠にお願いをして短刀を打っていただきました。 そして、そこに色々な思いを込めながら、 鐔、目貫、縁頭と進んで行く様子をまとめました。 以降も、短刀に関する記事が増えたら、ここに追記していきます。  ※ 画像クリックで、各記事へ飛びます。 【短刀】『作刀依頼にて短刀を願う』 欲しい短刀について考えた結果、刀匠に頼むしかないと思い至る話。 『刀匠とのキャッチボール』 希望の姿を考えて、

    • 『鐔の世界』に行ってきた

      テーマ展『鐔の世界』へ 令和6年2月10日(土)~4月21日(日)の10週間に渡り、 備前長船刀剣博物館にてテーマ展『鐔の世界』が開催されています。 14世紀の室町時代から、安土・桃山時代、江戸時代、現代まで、 様々な時代の鐔が合計 110点 展示され、そのうちの1点として、 うちの『茜図鐔』が展示される事となりました。 前回行った時も『茜図鐔』を展示していただいていたのですが、 その時はあくまで短刀が主役。鐔は添えられた形でした。 でも今回は鐔が主役です。 なんせ鐔

      • 白鞘袋 白無垢倣赤袘

        鞘書を守りたい 「この短刀には、できそうな事を全部してやりたい」 ――そんな思いで、フル装備フルカスタムを進めています。 今回考えたのは、白鞘袋でした。 普通の白鞘であれば凹んでも水気を含ませて復元できたり、 汚れても表面を削って新品同様にできたりしますし、 なんなら丸ごと新調したりもできる訳ですが、 鞘書が入った白鞘だと、なかなかそうは行きません。 鞘書入りの白鞘を、できるだけ大切に保護したい。 その為に重要なのが、白鞘袋です。 短刀が完成し、最初に送っていただいた

        • コレクション情報『御刀写真館』

          刀の写真は難しい 年頭に書いた記事「昨年のこと、今年のこと」の中で、 コレクション情報様の刀剣撮影サービスに乗り気、と書きました。 理由は色々あるのですが、一番の理由は自分に撮影機材と技術が無いこと。 スマホのカメラはダメになってる。デジカメもコンパクトなやつしかない。 撮影用の空間や照明も、適切なものが用意できておりません。 とはいえ、自分の愛する刀の、しっかりした写真は欲しい。 特に自分の場合、写真をあれこれ加工するのが大好きなので、 充分な大きさ、解像度の画像が

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        思いを込めて、短刀を組む

          『鐔の世界』備前長船刀剣博物館

          テーマ展『鐔の世界』 令和6年2月10日(土)~4月21日(日)の10週間に渡り、 備前長船刀剣博物館にてテーマ展『鐔の世界』が開催されます。 14世紀の室町時代から、安土・桃山時代、江戸時代、現代まで、 様々な時代の鐔が合計 110点 展示されるという鐔特化の展示会となります。 110点の中で、現代の作は4点。 そのうちの1点として、うちの『茜図鐔』が展示される事となりました。 公式ページのリストには、それぞれの鐔の 名称(呼称)、銘文、横幅、時代、所蔵が記載され

          『鐔の世界』備前長船刀剣博物館

          鞘書 長船助光 鏡花水月 九寸九分九厘

          鞘書とは 鞘書(さやがき)とは、刀を保管するための白鞘に、 筆と墨で文字を書くこと、また、そうして書かれた文字の事です。 なぜ白鞘に字を書くのか、というのは色々な理由があるのですが、 事の起こりは、名刀を数多く所蔵していた大名家が、 刀を鞘から抜かなくてもどれがどれか分かるよう分類記号を書いた、 というのが始まりのようです。図書館の背表紙の分類番号みたいな感じ。 刀剣類はある程度のサイクルでお手入れをする必要があります。 何十振りとある刀剣を手入れする中で、うっかり見落

          鞘書 長船助光 鏡花水月 九寸九分九厘

          目釘抜きって、いいよね

          目釘抜きとはなんぞや「目釘抜き」というのは、目釘を抜くための道具です。 「目釘」というのは、刀の刀身と柄(つか)を固定する小さいパーツです。 目釘はほとんどの場合、竹を削って作られます。 ぎっちり詰まった繊維質が、折れたり割れたりしにくく、丁度良いとか。 柄には刀の茎(なかご)を差し込む為の穴が空いています。 当然、ただ差しただけだと振った瞬間外れてしまいますので、 柄と刀身を貫通させる形で目釘穴(めくぎあな)という穴を開けます。 そして、目釘穴に目釘を通すことで、振って

          目釘抜きって、いいよね

          昨年のこと、今年のこと

          年始なので、昨年の大きな出来事を振り返りつつ、 今年の展望をざっくりまとめてみようと思います。 昨年のこと鐔が特賞に輝いた 6月22日。 装剣金工の片山様にお願いしていた茜図鐔が、 日本美術刀剣保存協会主催の「現代刀職展」にて特賞を受賞しました。 亡くなった妻を偲んで茜図の鐔を依頼しましたが、こちらが賞を頂き、 東京・両国にある刀剣博物館にて展示されました。 また、作者である片山様の「名刺代わりの作品」に入れていただきました。 自身が依頼した作品が多くの方に見てもらえ

          昨年のこと、今年のこと

          拵の修繕について考える

          拵を直してやりたい 以前の記事で、槍の短刀拵に関して、こんな事を書きました。 拵自体を丸ごと新しく作る、という方向性も考えたのですが、 総桜皮巻きの拵という風情に惹かれて購入を決めた、というのもあるので、 このまま直せるなら直してやりたいなぁ、と思います。 いずれにせよ、「何をどうしたいか」を整理して、 それが可能かどうかの判断をしていただく必要があります。 という事で、現状の気になる点と、目指す方向性についてまとめます。 各項の記載順は、「どうにかしてやりたい順」です

          拵の修繕について考える

          「刃文」か、「刃紋」か

          専門用語の難しさ 業界、界隈の専門用語というのは色々と難しいです。 歴史と伝統がある分野だと、特に。 刀剣業界も非常に専門性の高い用語が無数にあるのですが、 ちょくちょく判断が難しい言葉があります。 要は、調べても調べても、正解が分からない用語です。 個人的には「冠落とし」と「鵜の首」がその筆頭格で、 ちょくちょく、思い出したかのようにツイートしています。 このツイートに、あれやこれや、色々とぶら下げています。 人によって、どれが何を指すかが微妙に違う問題をザックリ

          「刃文」か、「刃紋」か

          黄銅地 彼岸花図 揃金具

          そんな予感はしてた カマイタチの目貫を依頼した後のツイートです。 鐔の制作を依頼したタイミングから、合いそうな刀装具を探していました。 刀剣専門店のWebサイトやヤフオクを見て回る日々。 しかし、やはり黄銅地の刀装具は数が少ない。 どなたかにお願いしようか ―― そういえば以前、鐔をお願いした片山さんも制作依頼を受けて、 縁頭を作ってらっしゃった事があったな、とも思い浮かんだのですが、 さすがにあれもこれもと調子に乗って依頼しては図々しいかな、 と思いとどまりました。鐔を

          黄銅地 彼岸花図 揃金具

          黄銅地 鎌鼬図 目貫

            刀身、鐔、その次 自分の思う、理想の「短刀(刀身)」を依頼し、 それに合わせた最高の「鐔」を作っていただきました。 ですがもちろん、白鞘のままでは鐔を合わせられません。 したがって、拵(こしらえ:外装一式)を作ることは確定です。 短刀の拵は、そのほとんどが「合口拵」か「小さ刀拵」です。 どちらかと言えば、「合口拵」の方が多く一般的ですが、 「合口拵」には鐔が存在しないので、 鐔を合わせたいと思っている私の場合は「小さ刀拵」になります。 短刀の拵を作って頂くために

          黄銅地 鎌鼬図 目貫

          いざ、登録審査会

          前後編の予定でした。前編は こちら 。後編は こちら 。 教育委員会へお電話 平日の午後、休みを取って警察署に行きまして、都合 1時間ほどの見分。 ちょうどいいのでその後、そのまま登録審査会の担当部署である、 大阪府教育庁 文化財保護課にお電話をしてみました。 改めてここまでの流れを伝えた所、 登録書不要の刃長で登録審査を受けたいというのは珍しいと言われましたが 実物を持って行って警察の判断を受けた、という説明が効いたらしく、 そういう場合は「発見届」がなくても「申立

          いざ、登録審査会

          所轄の警察署に行ってきました

          前後編予定の、後編です。前編は こちら 。 さて、どうしたもんか 「美術刀剣として登録したい=この槍を登録審査会に出したい」 というのが目標となりました。 刀剣類を登録審査会に出すにはいくつかの必要書類があるのですが、 その中に「発見届」というのがあります。 家の蔵から出てきたとか、祖父の遺品の中にあったとか、そんな流れで 「新たに存在が発覚した刀剣類」については警察に連絡を入れ、 「発見届」という書類を書いて、発見の経緯を報告しなければなりません。 ただ、うちの槍に

          所轄の警察署に行ってきました

          ヤフオクで落札した槍を手に考えた事

          前後編予定の、前編です。 ヤフオクで槍を落札する 10月中旬。たまたまヤフオクで、とある「槍」を見つけました。 私のこれまでの購入履歴は、脇差、刀、短刀、短刀、となります。 この先、槍や薙刀となると到底置く場所もないですから、 購入を考える事はないだろうと思ってたんですが、 そうか、短刀拵の槍か…… こういう可能性は考えてなかったぞ。 実は、槍の穂先の形というのは結構な種類があります。 当然、人によって「好みの姿」と「そうでない姿」が出てくる訳ですが、 このヤフオクの

          ヤフオクで落札した槍を手に考えた事

          備前長船刀剣博物館に行ってきた

          事の経緯 過去記事でも少し触れておりましたが、 作刀依頼をし、自分にとって最高の短刀を打っていただいた助光刀匠から 「長船博物館に展示する自作品として、あの短刀をお借りしたいのです」 というお声掛けを頂きました。 自分の所持品が博物館に展示される、大勢の方に見てもらえる、というのは すごく喜ばしいことですし、光栄なことですので即、快諾。是非に、と。 そして、ほぼ同じタイミングで鐔の作成をお願いした重恒様から、 「両国から鐔が帰ってきたので、お送りしますよ」 とご連絡をいた

          備前長船刀剣博物館に行ってきた