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コレクション情報『御刀写真館』



刀の写真は難しい

年頭に書いた記事「昨年のこと、今年のこと」の中で、
コレクション情報様の刀剣撮影サービスに乗り気、と書きました。

理由は色々あるのですが、一番の理由は自分に撮影機材と技術が無いこと。
スマホのカメラはダメになってる。デジカメもコンパクトなやつしかない。
撮影用の空間や照明も、適切なものが用意できておりません。
とはいえ、自分の愛する刀の、しっかりした写真は欲しい。
特に自分の場合、写真をあれこれ加工するのが大好きなので、
充分な大きさ、解像度の画像があるといいな、と思った次第です。

ここで個人的に重要なのは、美しい刃紋とか詰んだ肌を写す近影や、
人の目に映る質感の再現のような芸術的な写真が欲しいのではなく、
客観的な、資料的な、刀身の全体像が欲しいのです。
それも大きな画像で、精緻な解像度と情報量で――。

その観点で行くと、この刀剣撮影サービスは実に魅力的でした。
なにせ、ネット販売している刀剣専門店が、自社商品の魅力を見せる為に
長年刀剣を撮影し続けてきた技術の応用なんですから。
真っ直ぐ全体を写すスタイルも、私のニーズにマッチしています。

という事で今回、プロに撮影をお願いしてみました。
 

依頼の流れ

サービス概要のサイトの下段が申し込みフォームになっています。
正式名称が『御刀写真館』なのか『御刀写真サービス』なのかは謎。
https://www.samurai-nippon.net/ENQ/enquete.cgi?PAGE=5

住所、氏名、電話番号、メールアドレスなど基本的な情報を入れ、
希望するサーピスは「撮影データのみ」なのか、
「撮影データ+実寸ポスター印刷」なのかを選択。
合わせて、拵の撮影の有無、データ納品の方法などを選択していきます。
最後に「ご要望・ご質問」の欄もあるので、何かあればここに。
私はここに「どのくらいの解像度の写真になりますか?」というような
質問を入れました。
そしてもう一つ。
白鞘の撮影をお願いしたいのですが可能ですか? と。

待つ事、数日。
担当者様から返信があり、白鞘の撮影は「もちろん可能」との事。
これで鞘書も、素敵クオリティで撮影していただけます。嬉しい。
そして、写真の解像度についての回答は、
「データは実寸サイズの400dpiとなります。」
との事でした。

dpi というのは、ドット・パー・インチの頭文字で、
1インチあたり何ドットで構成されているか、という単位。
PCのディスプレイとかだと72dpi が一般的なのですが、
その画像をそのまま印刷すると大抵ガタガタになるか、ピンボケします。
紙に印刷する場合は通常、350dpi 以上が推奨されますので、
コレクション情報さんの400dpi は充分印刷に耐えうる画像です。
そして、返信メールにはサンプル画像も付いていました。
これなら安心。

という事で、正式に撮影の依頼をいたしました。

・短刀の刀身撮影 (裏表・データのみ)
・白鞘の全体像撮影(裏表・データのみ)

短刀の刃長が30cmを少し超えているので、
算定が登録証基準の「短刀」になるか、
30cm超えで「脇差」になるかが分からなかったのですが、
どっちにしても撮影をお願いする事は決めていたので、
実際に短刀を送って、見てもらったタイミングで聞こう、
と思いました。
ちなみに短刀か脇差かで、金額が 5,000円ほど変わります。
 

スケジュール感

1月末。
東京に住む親友が、仕事の関係で大阪に来る事が決まりました。
予定としては、3月上旬の予定、との事。
昔勤めていた人材系の企業の同僚として出会った友人で、
妻と息子と、家族ぐるみの付き合いでした(娘は生まれる前)。

妻を偲んで短刀を作ってもらってる、とか、
作っていただいた茜図鐔が賞を穫った、とか、
そういった話は伝えていたので、今回ぜひ短刀の実物を見せたい、
と思いました。

で、コレクション情報さんのサイトを見ると、下記の記載が。

● 納期
受け取りから最長で1ヶ月以内に返送いたします。

御刀写真サービス注文フォーム

2月頭に短刀を送り、1ヶ月かかったらギリギリか?
もし予定が遅れて、短刀が手元に返って来ず、
親友に見せられなかったら嫌だな、とか考えました。
まぁ、この辺は考えても仕方がないので、質問してみました。

Q:最短で、2月5日着くらいで送れるのですが、
  撮影、返送はどのくらいになりそうですか?

A:2月13日までにお送り頂けましたら
  2月23日までにはご返却が可能です。

よっしゃー! 行ける!
 

御写真の仕上がり

という訳で、2月中に短刀を送り、
写真撮影をしていただきました。
頂いた写真を縮小したものがこちらです。
(クリックで拡大。更にクリックで更に拡大)

短刀 備前国住長船助光作 鏡花水月
鞘書 長船助光 鏡花水月 九寸九分九厘

コレクション情報様から頂いた原寸大だとUPできませんので、
Web用に最適化して掲載しています。これでも充分大きいですが。

で、何が素晴らしいかって、400dpi の解像度です。
表現が難しいんですが、画像の情報量に奥行きがあって、
かなり色々な調整が効きます。これが素敵。

(上)コントラスト加工後 (下)コントラスト加工前

頂いた写真を、ちょっとだけコントラスト調整したものです。
頂いた写真のままだと下段ですし、実際、見た目もこのくらい綺麗ですが、
フォトショップでコントラストを変えると、鉄の質感が出てきます。
トーンカーブとか使うと、もっと色々雰囲気が変わると思いますが、
とにかく大きな画像で、精緻な解像度で、触っていて飽きません。
 

満足

写真データはまずメールで届きましたが、
返送いただいた短刀の梱包の中にCD-Rも入っていました。
お心遣い、万全です。
そして、請求書・振込用紙も入っていました。
刃長 0.2cmオーバーは許容いただけたようで、
金額は短刀としての請求になっていましたし、
白鞘撮影は、拵撮影の「~40cm」枠としていただきました。
結果、18,700円(税・送料込み)となりました。

受け止め方は個人差あるとは思いますが、
個人的には大満足だし、この価値は充分にあると思っています。

せっかくなので、twitter 用のヘッダー画像とか作ってみました。

刀身の差表と、鞘書を並べて

撮影環境、撮影機材がない私にとっては、
こういうサービスがあって、本当にありがたかったです。
 

※ 原寸大写真を追記

すごく大きくて高画素数の写真です! とお伝えしたかったのに
全体像を載せたいがために縮小しちゃってたので、
原寸大写真を追加してみます。
全体像は無理なので、原寸大の一部切り抜きです。
400dpi なので、Web用画像にするなら更に4倍くらい大きくしても
違和感なく拡大できるのですが、一応原寸大で、400dpi のままです。
左が元画像。右が、少しだけコントラストで陰影強調したものです。
さぁ、ご覧あれ!
(クリックで拡大。更にクリックで更に拡大)

『御刀写真館』の本気


#刀 #日本刀 #短刀 #白鞘

ヘッダー画像:コレクション情報 御刀写真館(公式サイト)


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