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275_2020

2020
ずっと続くと思っていた。

嫌なことも、嬉しいことも、私自身もずっと続くと思っていた。
いつもの飲み会で、はしゃいだ夜。ロータリーには馬鹿が屯して、あたかも自分たちだけは馬鹿じゃないような顔をしている。私たちを迎えた朝は清々しいほどの青空だった。
心を全て吐き出して、親しくなったはずだった。こんなに遠くなるなんて考えもしなかった。
首を絞めていた。あなたも私も。傷の舐め合い、心の持ち上げ合い。断ち切ったら何か変わると思っていた。半径5メートルは変わった。
見えない何かに怯えるあなたは、痛々しくて、でも悲しくてほっとけなくて。
遠くにいながら浅く無意味な視線を配る。

春の桜も、夏の暑さも、秋の紅葉も、ずっと続くと思っていた。ずっと続けばいいと思っていた。

ぐちゃぐちゃで纏まらない毛先。静電気ではねる、浮ついた心。見えない何かに操作されて、ふらふら目的もなく歩いた。

私は未だにモラトリアムの中にいた。
暗闇を当てもなく歩いている。目的なく彷徨ったり、たまにいつもと違う道を歩いたり、小手先で解決できるのならとっくに悩んでなんかない。
いつしか、完璧に脱出しようと考えていた。それが最も大切だと疑わなかった。

頭の中、心の中、身体の中、私の中にあるすべてのものとうまく付き合っていこう。そう思えたことが救いだった。
産んでくれた親や、自らが生み出し発信した表現とか、必ず変わらないものがある。それと同じで、自分の中にも変わらないものがある。自分の中で消せたと思っていても、ただ嘘をついているだけ。本質的な解決にはなっていない。だから、うまく付き合っていく。恋人と触れ合うように、友人と熱く語り合うように、上司に権利を示すように、真剣に向き合っていく。

苦しい道だった。全く険しくはなかった。ただただ苦しかった。
ずっと続くわけではなかった。真剣に向き合っていればいつか終わる。そしてまた始まる。


ずっと続くと思っていた。ずっと続けばいいと思っていた。
四季があってよかった、学部がたくさんあってよかった、道が分かれててよかった。
違うものがあって、選択肢があって、変化し続ける重要性を知ったし、変化しない重要性も知れた。

2020
考えよう。
騒然とした世界も、外の静けさも、ずっと続かないから。


noteは、普段考えていることを文字で吐き出す
Instagramは、普段考えていることを形にして表現する

写真撮っているので見てください
https://www.instagram.com/ganometherapics/?hl=ja

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