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おかえり #26 ココロとコトバ

大切にするのは、
○匿名性
○だれも傷つかないこと
○考えを押し付けないこと
○自分たちのなかにある、『患者さん』や『患者さんを支える人』のイメージに囚われないこと

……………


今回お話をしてくださったのは、慢性骨髄性白血病を経験された「わたし」さん。

当時、29歳だった「わたし」の『ココロとコトバ』をご紹介します。



〜カンタンな紹介〜


29歳のとき、慢性骨髄性白血病が見つかります。

腰の骨に針を刺し、骨の中の骨髄組織をとる検査(骨髄穿刺)を受け、1週間入院しました。

その後は、月1回通院しながら分子標的薬の服用をしています。現在は治療進捗の関係で3剤目の薬を服用中です。


Q.あなたが言われて救われた(嬉しかった)、または自分にかけてあげたい言葉はありますか?(その1)


誰が言った?
会社のメンバー

実際の言葉
「おかえり」


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エピソード  


病気が見つかり治療を開始するとき、初めの2ヶ月は入院などもあり休職していました。


仕事から離れて向き合った初期治療を乗り越え、復職できた日にかけていただいたコトバです。


どう思った?


病気についての報告は、ごく少数の上司や部下のみに留めていました。

大勢の人は、なぜ休職していたのか気になっていたと思います。


ですが、職場の皆さんは状況を詮索せず、温かく迎え入れてくれたんです。


「帰る場所がある」ありがたさを感じる出来事でした。



Q.あなたが言われて救われた(嬉しかった)、または自分にかけてあげたい言葉はありますか?(その2)


誰が言った?
友人や同僚

実際の言葉
「骨髄バンクに登録したよ」

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エピソード


わたしが白血病になったことを知った、数人の友人や同僚たちが、行動を起こし、その報告をしてくれました。


どう思った?


白血病になったことを、誰にでも発信していたワケではないですが、比較的フラットに隠さず周りに伝えました。

そのため、わたしの現状を知り、心配して連絡をくれた友人や同僚が複数います。


その人たちは、「骨髄バンクに登録したし、できることがあるなら言ってほしい!」と声かけをしてくれました。


忙しい日々のなか、わたしを思い、さまざまな手続きをして、骨髄バンクに登録してくれた。

その思いやりが、ココロの底から嬉しかったです。



Q.あなたが言われて救われた(嬉しかった)、または自分にかけてあげたい言葉はありますか?(その3)


誰が言った?
学生時代お世話になった水泳のコーチ

実際の言葉
「俺たちより先に死ぬんじゃないぞ、また来年も飲もう」

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エピソード


わたしは学生時代 水泳をしており、その当時 お世話になっていたコーチたちとお酒を飲む機会がありました。


それが、治療開始から2年ほど経過して、病状も落ち着いてきた頃です。


話の流れで病気の報告や治療について話したとき、このコトバをかけてもらいました。


どう思った?


コーチたちとは学生の頃からの付き合いです。


親ほど年齢の離れた方々ですが、過去から現在の話や、来年という未来でも「また一緒に過ごそう」と伝えてくれたことに、ココロが温かくなりました。


今までの関係性で築けているつながりの温かさはもちろん、未来も変わらず、この関係性を続けていくことを、あたりまえに話してくれる人がいる。とてもしあわせなことだと思います。



Q.あなたが言われて傷ついた、
言われたらショックだったと思う言葉はありますか?(その1)

誰が言った?
誰から言われたか伏せておきたい

実際の言葉
「薬を飲んでいれば死なないんでしょ」

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エピソード


治療の副作用で、ひどい関節痛に苦しんでいる時期がありました。

立ち上がることもままならないようなツラさです。

そんなとき、このコトバを言われた気がします。


どう思った?


白血病の治療って、下手したら一生続きます。


負けないぞ!元気になるぞ!頑張るぞ!とココロを奮い立たせるのと同時に、家族のように身近で支えてくれる人の理解や協力は欠かせませんよね。


でも、このコトバを言われて、突き放されているというか、「あぁ…理解していない、もしかすると理解する気もないのかもな」って感じました。


たしかに薬を飲むことで病状は改善に向かいます。しかし、「薬だけで飲んでおけば病気は治る」というわけでもありません。


前向きな思いを抱きつつも、ココロは痛みました。



Q.あなたが言われて傷ついた、
言われたらショックだったと思う言葉はありますか?(その2)


誰が言った?

実際の言葉
(体が辛いのはわかるから)「何もしなくていいんだよ」

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エピソード


投薬開始して2週間ほど経った頃の話です。


その時期は、インフルエンザの10倍でも効かないような関節痛と発熱、倦怠感が常にありました。

寝たきりで毎日が終わっていくような日々です。


そんなとき、このコトバを言われました。


どう思った?


家事も育児も仕事もできない。


治療費は莫大。



この状態がずっと続くとしたら、わたしはただ生きているだけで、周りに負担を強いる人になってしまうのではないか、と感じていました。



母は、そんなわたしを案じて「それでも生きているだけでいい」という意味でこのコトバをかけてくれたのだと思います。


わかってはいたんですけど、ほんの些細なことでも周りに貢献したい。

人の役に立つことで、生きる意味を与えてほしい、生きる意味を見出したい、そんなふうに考えていました。




※こちらのエピソードは、言われて傷ついたというより、《わたし自身もこの経験がなければ、思いやりのつもりで他人に言ってしまいそうなコトバ》です。

なんだか、ずっと心に引っかかっていたコトバでもあります。




Q.あなたが言ってしまって後悔した言葉はありますか?


後悔したコトバに関しては、現状思いつきませんでした。

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………


今回のわたしさんは、病気と向き合うとき『ココロを支えた芸術』についても、お話ししてくださいました。

ぜひご覧ください。


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