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「ガンマウォールの過去、現在、未来」その9)コロナウィルスと向き合う

◆コロナで売上激減  コロナウィルスの影響はもろに受けた。飲食店やライブハウスと同じくメディアが「スポーツジムはクラスターだ」と言ってしまった。医療関係など特定の業種のお客様は、会社から「行くな」という指示が出た。その結果、3月、4月と来客数が右肩下がりで落ち、休業していた4月中旬~5月の売上はゼロだった。最初、政府は消費者に「自粛」を要請するのみで、「自粛は要請するが補償は無い」という状況だった。なぜか、メディアは「夜の街」「ライブハウス」「パチンコ」「スポーツジム」を執拗

    • 「ガンマウォールの過去、現在、未来」その8)分散型ネットワーク

      ◆東京型のビジネスモデル  ガンマウォールを最初に熊本で始めたとき、東京や大阪にあるようなオールラウンドなジムを運営すれば、それなりに成功するだろう想定していた。広い店舗に、緩傾斜壁から強傾斜壁をバランス良く配置し、初心者向け課題から上級者向け課題までラインセットで100本程度用意する。ホールド替えは2-3か月に1回行って、何回かに一回は有名なゲストセッターを呼び、ホールドも最新の流行シェイプを買う。クライミングコンテンツを一つのジムに「集中」させるモデルだ。総論としては間違

      • 「ガンマウォールの過去、現在、未来」その7)上通店

        ◆2店舗展開  ガンマウォールは小山店と上通店と2店舗を運営している。小山店は郊外の熊本ICや熊本空港に近いところにあって100坪以上の大型店舗だ。一方で、上通店は街の中心地の商店街のアーケード内にある40坪の小規模店舗だ。  小山店を2017年2月に開業したあと、約半年で2号店である上通店を2017年9月に開業した。人通りの多い商店街で、ボルダリングを知ってもらい、そのあと続けるお客様に3-4級までステップアップしてもらうことをコンセプトとした。小山店は車でしかいけないため

        • 「ガンマウォールの過去、現在、未来」その6)コンペ

          ◆試合があるからこその緊張感  私は中学生のころテニスをしていた。小学校高学年では野球をしていたが、「ベンチ」か「ライトで8番か9番」のポジションをさまよっていて、試合ごとに出るのか出ないのか心理的に追い詰められるのが嫌だった。だから中学校ではチームスポーツをやめて個人スポーツであるテニスを選んだ。スポーツは地道な練習も楽しいし、大会にチャレンジして入賞するのも楽しい。そう思って育った。ただ、ボルダリングは30代から始めて、家族サービスや仕事から自分を解放する趣味として始めた

        「ガンマウォールの過去、現在、未来」その9)コロナウィルスと向き合う

        • 「ガンマウォールの過去、現在、未来」その8)分散型ネットワーク

        • 「ガンマウォールの過去、現在、未来」その7)上通店

        • 「ガンマウォールの過去、現在、未来」その6)コンペ

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」その5)ルートセット

          ◆課題を作成するということ  ボルダリングジムを運営していく上で、「課題の作成」はもっとも重要な業務だ。ボルダリングはホールドと言われる人工岩を手と足で登っていくスポーツであるが、使って良いホールドを限定してルートを作成する。使って良いホールドを限定することで、難易度や登り方を調整することが可能となり、ボルダリングは単なる筋トレよりもゲーム性のあるスポーツとなる。そのルートをボルダリングでは広く「課題を作成する」と言い、公式の大会では「ルートセットをする」という。ルートセット

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」その5)ルートセット

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」その4)「マーケティング」

          ◆顧客開拓の重要性  新しく開業したてのボルダリングジムにとって一番大事な指標は、新規の会員登録数だ。ビギナーでも、コアなクライマーでもとにかく新しいお客さんに来てもらわないとジムも盛り上がらないし、売上も上がらない。新しいお客様に来てもらうには「マーケティング」が必要となる。私は銀行や証券会社で法人相手の仕事の経験はあったが(いわゆるBtoB・「法人から法人へ」というビジネスモデル)、消費者を直接顧客とするBtoC「法人から消費者へ」は初めての経験だった。 ◆マーケティン

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」その4)「マーケティング」

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」その3(開業後)

          ◆スタートダッシュは好調 2017年2月24日の開業後、ガンマウォールのスタートダッシュは好調だった。100坪の敷地に、スラブ、垂壁、110度壁、130度壁、ルーフ壁と5種類の壁があり、8級から初段までテープ課題は100個以上用意した。オープンのルートセットは、元Boldの野田さん、川中さん、Ziprockの渡辺数馬さん、沙亜里さん、グランドワズーの宮田さん、ミノリテの猪井さんの6人にお願いした。ホールドもTeknikやEgripを中心に人気のメーカーやシェイプを厳選し、課題

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」その3(開業後)

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」(その2)ガンマウォールを始めました

           ◆熊本に移住をする 私は東京で生まれ育って仕事をしていたけれども、両親は熊本出身でリタイア後に故郷に帰って祖父の代からの自営業を継いでいた。そして、私が次に継ぐことが決まっていた。それに伴って2014年ころから移住の準備はしていたところ、2016年4月の熊本大震災で自分の移住が決定的になった。 熊本から上越、東北、北海道等のメジャーなスキー場へのアクセスは極めて悪く、バックカントリースキーを継続する選択肢はなくなった。ゴルフや釣りも試してみたけれども、スキーやボルダリ

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」(その2)ガンマウォールを始めました

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」(その1)ボルダリングを始めたきっかけ

          ◆はじめに 2020年はオリンピックの年。ボルダリングを含むスポーツクライミングは、日本人男女が共にメダルを獲得する華々しい年になる、そんなことを年初は予想していた。しかし、淡い期待とは裏腹に、コロナウィルスの流行でボルダリングジムは営業自粛を強いられ、ガンマウォール熊本も4月から5月にかけて営業を自粛した。6月から営業を再開したものの、当然ながら元の通りに戻るわけでもなく、なぜガンマウォールを始めたのか、やめるべきなのか、続けるべきなのか、続けるとしたらどのような方向性で

          「ガンマウォールの過去、現在、未来」(その1)ボルダリングを始めたきっかけ