偉大な人に会って価値観が変わった話

今日、とある人に会ってきた。その人はフォーリーアーティストという仕事をしている人で、数多の有名なアニメの効果音を作っている人だ。
僕はとても緊張した。その人と会うきっかけも、僕が自ら持ちかけたものではなく、人の紹介であったからだ。

「何を話したらいいんだろう?」「いったいどんな人なんだ?」色んな不安が付きまとう中でその人に会った。
するとその人は、僕を温かく迎えてくれて、「え、こんなにいい人なの?」と少しびっくりした。

僕はMAアシスタントとして仕事をしているので、フォーリーアーティストの存在は知っていたし、効果音というものに対しても共通認識はあったので、どんどん話は盛り上がっていった。

彼は僕の言葉を真剣に受け止めて、そして思いやりをもって僕と話してくれた。こんなに人の気持ちに対して1つ1つ丁寧に且つ、ただ優しいだけではなく納得のいく言い方で、それも刺々しくならないように話す人に僕は、これまで出会ったことがなかった。それだけ彼の存在は印象的だったし、この人間性があるからこそ、色んな人が彼に仕事をしてほしいと思うんだろうなと思った。

そんな中、僕は人生や仕事の悩みについて思い切って打ち明けてみた。
初対面でそんなことを聞くのはためらったが、またとないこの機会を無駄にしたくもなかった。
僕は「好きなことを仕事にすることと、折り合いをつけて仕事をすることどっちがいい選択なんだろうって今、迷ってるんです」と打ち明けた。

僕の中にある仕事というものに対する価値観は、学生の頃と社会人になった今とでは明らかに違う。好きなことを仕事にする上で付きまとう不安や負荷がどういうものなのか、それはなんとなく想像がついていたし、折り合いをつけて穏やかに生活を送ることも選択肢の中にあった。そのどちらがいいのか、僕は今悩んでいたのだ。

彼は「厳しいように言うなら、迷うならやめといた方がいい」と言った。
僕はショックな気持ちにはならなかった。それもそうだ。生半可な気持ちが通用する世界ではない。そんなことはなんとなく感じてはいた。
でも同時に、「それだけ若いなら後で何とでもやり直せるよ。」とも言ってくれた。僕は今は23歳、彼は僕よりも10歳以上は年が離れてる。僕が持っている行動力と彼が今持っている行動力では雲泥の差があるのだ。

勿論実力は明らかに違う。でも失敗出来る数、経験値を稼げる量でいうと、今の僕の方がより多くのもの持っているということを気付かせてくれた。

彼は、「仕事は楽しそうにやっている人にしか入ってこない」という風にも言っていた。嫌々やるのではなく、前向きに、創作意欲をもって仕事をするからこそ、結果は出てくるし、同時にそこに集まってくる人も増えてくる。

そして彼は「やりたい事をやったらいいんだよ」と言った。


昨今、色んな人の意見や考えを目の当たりにしてきて、僕は少し悩みすぎてしまっていたのかなと思った。いろんな選択しは確かにある。でも僕の人生に心から納得させられるのは僕しかいない。誰に憧れを持ったって、僕はその憧れにはなれないし、誰かと比べたところで、僕はその人と同等のものを持つことは出来ない。

だからこそ、自分の出来る事を出来る範囲で行い、そしてそれを発信し、仲間を見つけていく事が大事なんだと思った。そしてその縁を大切にし、好きなことを表現していくことが、これからAIやテクノロジーが発達していく中でも自分をもって生きていける方法なのかなと思った。


僕が諦めるのはまだ早い。まだ出来ることはある。
そう強く感じた1日だった。



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