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宗教っぽいけど、めっちゃ理にかなってるブッダの考え方

この本は草薙龍瞬というお坊さんが書かれた、ブッダの思考法を紐解いた本だ。

反応しない練習とあるように、自分の中でぐるぐる回る悩みや怒り、不安は自分自身の反応に過ぎないというのが、ブッダの考え方。

上司に怒られたり、満員電車の中通勤したりというのも、ストレスが溜まって当たり前、そういうもんだ、と捉えがちになるが、それも自分が「嫌だな」と反応したが故に、ストレスとして溜まっているという事。

結局、どんな物事もそこにあるというだけで、そこに対して自分が喜怒哀楽のいずれかを用いて、反応しているに過ぎない。ならば反応せずただ目の前で起こっている事を、そこにただ存在しているだけと捉え、悩みや不安を取り除こうというのが、反応しない練習なのだ。

こうして書いてみると、悟りでも開いているようで極論すぎると思われるかもしれないが、そうでもない。

例えば、道端に石ころが転がってるとする。その石ころを見たところで、感じるのは、石ころが転がっていると思うだけ。それと同じように、あらゆる物事もそこにあるだけで、自分が当たり前のように感情で表現していたのも、結局は脳の反応に過ぎないという事だ。

別に感情を持たないアンドロイドになりなさいと言っているわけではない。

物事に対して不必要に感情を摩耗させ、日常生活に満足感が足りないなら、不要な反応は捨てて、自分がやりたい事、やるべき事に注力しなさいという事だ。その為にも、自分が見ているものを判断する意識と、自分の心が動いたと気付く為の意識の両方を持つ必要がある。

面白いゲームを遊んで面白いと感じたなら、面白いと思えばいいし、つまらない映画を見てつまらなかったらつまんないと感じればいい。ただ、そこから、時間を無駄にしたとか、こんな作品間違ってると言った、不満や怒りを無限に湧き出させるのは違うんじゃない?とこの本は言いたいのだと思う。

とはいえ、今まで生きてきて、ずっと色んな反応を無意識の内にしてきたのに、急に反応しないようにするのも簡単な話ではない。出家したり、仏教に入らずとも、不要な心の反応を捨てていく事は、生活に満足感を得る為にも、じっくり継続して行く事が大事なのだ。


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