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奄美の海と、森と、ごはん。

滞在中に三度も楽しんだ、
奄美自然観察の森と鶏飯の味。

【奄美の海~奄美自然観察の森から~】

この絵は奄美大島北部、龍郷町にある奄美自然観察の森から北の方を見た景色で時期は秋。一昨年の11月に夫婦で初めて島を訪れた時の景色です。

空が青い。雲も出ているがどこまでも空と海。本州とは遠く離れた場所に来たことを実感した。そして手前の木も、なんだか違うのが分かった。今ごろは本州では紅葉のシーズンだけれど、赤い木が見当たらない。木々は青々としている。
海の手前も向こう側もすべて奄美大島。海岸線は複雑にいりくんで目の前の岬に行くには山を下りて町に出て、町を通り過ぎ、細い道を進んでいかないとたどりつけない。余談だがここは天気が変わりやすい。ころころと地形が代わるのでトンネルを出るたびに天気が変わることも珍しくないそうだ。

けれど景色として見ていると、ビーチがあったり山があったり様々な表情が見えて飽きない。
ガイドの方もここは自慢の景色だと言っていた。目の前にはきれいな珊瑚礁が広がり、舟がぽっかり浮かんでいるようにも見える。晴れた日の展望は最高だった。今回、奄美大島の絵を何枚か描いたけれど、山の上からの景色はここだけ。ほかの場所にも行ったのだが、その日は天気が悪くて雲の中。展望が望めなかった。

奄美自然観察の森は、鳥の観察のために訪れた場所だった。奄美大島にはここにしかいない固有の鳥が数種類いる。それだけでわくわくしてきた。本当は翌日にガイドも頼んでいたのだが、待ちきれずに下見に来た。
結局、滞在中三回訪れた。毎回目新しい鳥が現れる。そのくらいときめいた場所だった。森の中の道は整備されていて歩きやすく万が一ハブがいたとしても目立つのではないかと思った。

奄美自然観察の森は、車で登ると麓から15分ぐらい。
本番の日、つまりこの景色を見た翌朝、いよいよガイドが始まった。
島の固有の鳥たちや植物について詳しく説明があった。
秋、しかも11月に鳥が見れるのか心配していたが、お目当ての鳥は現れた。アカヒゲにオーストンアカゲラ、アマミシジュウカラ、アマミヤマガラ、リュウキュウサンショウクイなどを観察できたのだった。

とてもワクワクする場所だが、一度だけ夫が悲鳴を上げたことがあった。
アカヒゲというきれいな鳥を待っていた時、誤ってヤマナメクジの上に乗ってしまったのだ。親指よりはるかに大きかった。ぬるっとしていたんだろう、あんな声を聴いたのは初めてだった。
私の方は、池を泳ぐ大きな蛇に驚いた。地元の男性に聞いたら、アカマタという無毒だが気性の荒い蛇だった。

その半年後、再び奄美大島に行った時は工事中で閉まっていて、仕方なく宿の近所を歩いて生き物探しをした。開いているときにまた寄りたいと思う場所だった。

【鶏飯】

奄美大島に行ってまず食べたかったのが鶏飯。けいはんと読む。
鶏飯は、卵焼き、鶏肉をほぐしたもの、しいたけ、柑橘類の皮、ネギ、パパイヤの漬物、海苔などをのせて、鶏のだしをかけていただくご飯。
だし茶漬けのようなものといったらよいのだろうか。

トッピングはお店によって違う。出汁が生きた上品な味で、その昔鹿児島からやってきたお殿様に出した料理なんだそう。あっさりしているので何度も食べたくなる。結局、滞在中三度食べた。
右の小さなお皿に乗っているのはパパイヤの漬物。奄美大島ではよく登場する。あっさりしていて食べやすい。

大抵は旅先から帰宅すると現地の料理を再現するが、これは手間がかかりそうで自分で作ったことはない。じっくり煮込んだ出汁は、やはりおいしさが違う。
奄美料理を出してくれるお店があれば、食べに行きたいと思う。

二度目の奄美旅行では、店が閉まっていて食べられず残念な思いをしたので、次こそまた食べたい。

※ アカウント管理人からのお詫び ※
この記事は、もともと5月中に公開の予定でしたが、管理人個人をとりまく諸事情により、公開が大幅に遅れてしまいました。申し訳ありません…!

【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/

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