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思い出してもらう努力

顧客にとっての第一想起に上がっているか、思っている以上に人は忘れやすい、という話

先日、10年以上取引きのある建設会社の社長との世間話から、ある工事のカテゴリーにおいて、「え!それもやってたの?」といった衝撃の反応をされてしまった。

事実、私が会社を引き継ぐ前からのお付き合いとなるその会社とは、弊社の先代が主力にしていたカテゴリーが取引きの主軸になっている。

特にここ5年程はカテゴリーはおろか、対象顧客を私がガラリと変えたため、弊社にとっては当たり前となっていた路線が既存の古い取引先には充分に浸透していないようであった。

どの業界も流行や時代背景によって利益がとれるものとそうでないものがある一定のスパンで変動する。10年前に売れていたものが今はまったく売れなくなるという現象は当たり前にある。にもかかわらず、10年前と同じものを同じ売り方で売っていたのでは廃れるのも当然である。

時代の変化についていけない、変化を恐れてやり方を変えない会社は淘汰される側に追いやられてしまう。

新しい事業プランもリリースまでに時間がかかり、もたもたしていると先行利益どころかすでに業界の標準化に合わせにいっただけの陳腐化されたプランに劣化してしまう。

どんな商品、サービスにも適正な寿命があり、鮮度がある一定の価値を生むのはどの業界も同じではないだろうか。

とはいえ、今回の弊社のような落ち度は、先を急ぐことに注力しすぎて既存顧客のフォローを手薄にした結果、取りこぼしてしまった顧客層であることは間違いない。

切り開いたブルーオーシャンも新規顧客を獲得することだけに必死になっていると既存顧客というありがたい層を取りこぼしてしまうという弊社のような愚策をとってしまう。まるで穴の開いたバケツにせっせと水を汲んでいるにすぎず、獲得した顧客のフォローがあってはじめて継続した売り上げが立つというものだ。

今回の件を反省し、既存顧客のフォローと主力にしているカテゴリーの第一想起、すなわち「この工事はここだよね」という位置づけを目指して認知の強化を計る仕組みを構築せねば、と感じた。

日々、情報がこれでもかとあふれる今、顧客の認知を獲得するのはむずかしい。それが第一想起として、いの一番に思い出していただくのにはそれなりの時間と労力がかかると思う。おそらく定着するまでには数年単位の時間が必要だろう。

まずは思い出してほしい取引先をピックアップして継続できる仕組みを作る。内容はリリースしてから改善し、PDCAを回していくことになるだろう。

今年実行するタスクがまた一つ増えたことに安心感と喜びを感じる。手を打つ方法がなくなった時点であとは衰退の一途を辿るのを肌で感じるからだ。

変化に順応することこそが進化を促し、淘汰する側に立つ条件の1つだと考えている。

偉そうなことを述べているが、今後は足元を盤石に固めることにも意識を向けなければいけないと思わされた一件であった。

自己発進で、認知を奪うと同時に、第一想起をさせる施策が必要。思い出してもらう、頭に浮かべてもらうには手を打ち続けることも忘れずに。

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