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【ターゲティング】誰を相手に商売をするかで成果は決まる

同じような商品(製品・サービス)を扱うようでも、それを誰に提供するかで儲けの内容には雲泥の差がつく、という話

昨日の夕方。1日の最後に訪れた現場は、一瞬にして忙しい日常を忘れさせてくれる最高のロケーションであった。

三浦海岸の海沿いのマンションの高層階であるが、ヨットハーバーが隣接され、主に富裕層の別荘地として利用されている物件である。

時間帯的には丁度夕暮れ。シャンパンでも片手に陽が沈むのを眺めていたい気分であったが、今日は仕事であり、ここは知らないお金持ちの別宅である、気分を切り替えてやることに集中した。



ここの元請業者の顧客はこういった富裕層が多いらしく、経営者や不動産オーナーの自宅やオフィス、新店舗や別荘といった建物を改修、メンテナンスすることで高収益を得ているそうだ。

何とも羨ましいかぎりであるが、このような顧客層の場合、当然のことながら貨幣価値が一般消費者とはかなり違う。

端的にいえば100万円の価値が普通より軽いのだ。



私のいる建設業界に際して、リフォームやリノベーションというカテゴリーにおいて、100万円という単位はひとつのハードルといえる。

どんな工事をするかにもよるが、一般消費者が100万円を捻出するにはそれなり覚悟と準備が必要である。それゆえ、100万円の使い道を損しないように熟考して悩み、何度も打ち合わせを重ねて、ようやく決心する、というのが一般的である。



しかしながら、富裕層などの資金力のある顧客層においては、理想や利回り、スピードなどが優先されるため、ときおり100万円程度の損失は許容範囲として、サラッと処理されてしまうことも多い。

悩む時間がもったいないという理由もあるが、それ以前に100万円の貨幣価値が私たちの10万円にも満たないのではないだろうか、とさえ思うのだ。



こうなると値引きや価格競争などの不毛なやり取りは存在せず、依頼された業者が理想をかなえられるかどうか?ということが焦点となる。

財力があるがゆえ、わがままも多いかと思うが、それをも上回る利益が約束されているのだ、仕事としては申し分ないだろう。ハズレの一般消費者の値引き要請の上のわがままを聞くことに比べたら、富裕層のわがままは「こだわり」にさえ感じてくる。

言っていることは同じでも、儲けが違えば感じ方も違う。金はあまり払いたくないが、わがままは聞いてくれというのはムシが良すぎる。

しかしながら、市場を選ばないとこの様な顧客層で蔓延した商圏で苦戦を強いられるのだ。

あらためて、自社がどこの立ち位置で戦うかを決めることは重要だなと、打ち合わせ中、夕日を感じながらそんなターゲティングのことを考えていた。

同じ労力でも自社の価値を最も高く買ってくれる市場をみつけよう


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