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理科×魚釣り

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二枚貝とルアーのリップ その”裏”渦の検証

二枚貝とルアーのリップ その”裏”渦の検証


タナゴを守りたいならイシガイを守れ

いきなりだが、イシガイ類の話から始めたい。
日本のみならず世界的に絶滅の危機に晒されているのが、淡水の二枚貝「イシガイ」の仲間。タナゴの産卵基盤になってもいるので、イシガイ類の消失はタナゴ類の消失にもつながる。

そんなこんなで、なのだが。
タナゴ好きの生徒が「イシガイの保全こそ必要だ」と始めた探究が高校生国際シンポジウムで評価をして頂いた。
発表の中で触

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テナガエビ用!?ロッドメイキングに挑戦した。

テナガエビ用!?ロッドメイキングに挑戦した。

#1 いろいろ”理科”してきたから そろそろロッド(釣り竿)を作る。
 のだが、このタイミングで4月を迎えた。そう、新学年が始まる。
 にも関わらずロッド作りとは、「まだ春休み気分か!」と言われそうな後ろめたさはある…ものの、ここは”理科”実験の延長という私的見解をもちだす。
 それでも、一人でやっていると誤解を招きそうなので、サイエンス部水棲班の中学生エースを誘うのだった。

 目標は部員たちに

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中国四大家魚が電車内に…

中国四大家魚が電車内に…

 理科でおなじみの自然界の法則に生き物どうしの「食う・食われる」関係というものがある。いわゆる食物連鎖だ。
 どんな生態系でも植物が作った栄養分を草食動物が食べる。そして、それを肉食動物が食べ、それをもっと強い肉食動物が食べる。こうした関係を示した用語である。

 私は「でっかい魚を釣りたい」「珍しい魚を釣りたい」をテーマに水辺に立つ釣り人であるかが、本業は理科の教員だ。

 さて、〈ソウギョ・ア

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2023共通テスト【生物】 謎の魚Tとは?

2023共通テスト【生物】 謎の魚Tとは?

 2023年の大学入試共通テストが終了。注目の生物の問題は色々な意味で渦中だが、少々違った視点で触れてみる。

注目したのはアユではなく魚T 昨年仕掛けられたアユのルアーフィッシングの影響か。そんな訳ないのか。わりと直球のアユの縄張りに関する問題に久しぶりに出会った。教科書にもよく出てくるかなり知られたテーマだが、入試ではなかなかお目にかからない印象だった。

 しかし、注目したのはアユではない。

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リールのギアを”理科”してみた

リールのギアを”理科”してみた

新型リールが熱い! 先日、3年ぶりのリアル開催ということで釣りフェスティバルがみなとみらいで開催され、SNS でもYoutubeでも関連動画が盛り上がっている。
 注目は誰がなんと言おうと二大釣り具メーカーのダイワとシマノの新製品だろう。それぞれのメーカーから話題の新機種が発表され、私も釘付けである。
 特にシマノのカルカッタコンクエストMDやアンタレスDCMD、ダイワのIMZが激アツだが、値段も

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いつも心にオサカナを〜骨格標本編〜

いつも心にオサカナを〜骨格標本編〜

 お魚と一緒に暮らしたい。
 そんな時、普通はアクアリウムである。しかし、ちょっとだけ?違った方向に向かったライトマニアックなパターンをご紹介。

それは『骨格”頭骨”標本』。 骨格標本の作成法には伝統的な「ポリデント法」「パイプユニッシュ法」「ミルワーム法」というものがある。しかし、何とも思うようにはいかないのは私だけだったのだろうか。そんな中、標本作成の学術論文から画期的な「ハイター法」を発掘

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リールのギアを”理科”してみた〜The Another Story〜 

リールのギアを”理科”してみた〜The Another Story〜 

 ”リールチューン”に踏み切れない。

 白状すると、リールという装置が好きで性能には詳しいが、内部構造(ギアの組み方など)までは理解しきれていなかった。何となく恥ずかしい。

 ルアーフィッシングを趣味とするアングラー達に”リールチューン”は人気の分野だ。私も使用に伴う簡単なメンテナンスはやる。しかし、強者方はカスタマイズやベアリング交換に始まり、ギアの交換や移植まで。時には雑誌で特集が組まれる

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ロッドとキャスティングの関係をガチで”理科”してみた

ロッドとキャスティングの関係をガチで”理科”してみた

多様な竿がショップに並ぶ。
のべ竿、投げ竿、ルアーロッド、フライロッドetc.
さらに対象魚に合わせて。使う仕掛けに合わせて。千差万別と言ってもいい。
それらは実際に何がどのように違うのか?

これは理科の出番である。
しくみを整理しながらルアーキャスティングを題材に理科することにした。
#素材は同じでも長さ次第で …。

 まずはロッドの曲がりについて。条件をシンプルにする為に、「ロッド→竹ひご

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タックルバランスを”理科”してみた

タックルバランスを”理科”してみた

 春だ。
 気づけば都内の暖かい気候に桜も開花し、まとまった雨も降った。マルタウグイ釣りの本格的なシーズンも始まった…と思う。※行っていない。

 さて、タックルのバランスを考えてみることにした。というのも、スポーツでは、ストレスの少ないバランスを取ることがパフォーマンスの向上につながる。故にタックルバランスは釣りのパフォーマンスを考える上で欠かすことのできない要素だ。
 そこで、ロッドにリールを

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