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ロッドとキャスティングの関係をガチで”理科”してみた
多様な竿がショップに並ぶ。
のべ竿、投げ竿、ルアーロッド、フライロッドetc.
さらに対象魚に合わせて。使う仕掛けに合わせて。千差万別と言ってもいい。
それらは実際に何がどのように違うのか?
これは理科の出番である。
しくみを整理しながらルアーキャスティングを題材に理科することにした。
#素材は同じでも長さ次第で…。
まずはロッドの曲がりについて。条件をシンプルにする為に、「ロッド→竹ひごφ1.8mm」「ルアー→錘(鉛) 26g」に置き換えてみる。
【実験1】竹ひご 40cm 30cm 20cm 10cm
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✔︎長いと曲がりやすい。☞軽いルアー向き。
《理屈》
長いとその分だけ時計回りのモーメント※1がかかるから曲がり易い。さらに曲がった分だけ元に戻ろうとするから、反発力も上がる。
また、キャスティング動作の際も、遠心力※2を得やすい。これにより、軽いルアーでも投げ易くなる。
※1 モーメント
…回転しようとする力。ロッドの長さとルアーの重さに比例する。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102153967/picture_pc_11daf0212c0b8e263c1945f108687148.png?width=800)
※2 遠心力
…ルアーを飛ばす力の一つ。ルアーの重さ、円運動の速度の二乗、ロッドの長さに比例。さらに、曲がったロッドが元に戻る速度にて加速される。
✔︎短いと曲がりにくい。☞重いルアー向き。
《理屈》
短いとモーメントが小さいから曲がりにくい。故に反発力も低い。だから「曲がらないロッド=飛ばしにくい」。しかし、ある程度重いルアーの場合はモーメントが上がる。また、キャスティング時に重さゆえにルアーそのものが遠心力を得やすいので、そこそこ飛ぶ。
#ロッドに必要な条件を考える
より飛ばすための理屈をキャスティング時の力関係をまとめてみた。
①ロッドにルアーを垂らした状態(キャスティング前)
→リールを支点として”時計回り”のモーメントが発生している。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102154187/picture_pc_a3854e373b81e088fd245c79690f1450.png?width=800)
② キャスティング時
→グリップエンドを力点とし、力を加えて逆方向の”反時計回り”のモーメントを発生させる。ロッドの先端にあるルアーには、支点(リール)を中心とした遠心力がかかる。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102154200/picture_pc_91b22fa750af9f6835bf1bd063204992.png?width=800)
③キャスティング時
→ ②でロッドは大きく曲がると、反発して元に戻ろうとする。その力で円運動中のルアーはさらに”加速”する。(=遠心力が上がる)
④ キャスティング時
→リールから糸を放出するタイミングで、発生した遠心力の分だけ、ルアーはかっ飛んでいく。
ここまでの流れで、ロッドはきちんと曲がらなくてはならない事が分かった。
ただ、大切なことを一つうやむやにしてしまった。
実は竹ひごの実験では、③を再現出来ていない。ロッドの曲がりで遠心力を加速させる為には、根元から徐々に細くなっていくことが必要なのだ。
これを実験でも確認する。
【実験2】2g 8g 19g 26g
※竹ひご長40cm一定・太さφ1.8mm均一
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100883542/picture_pc_cc404f01cb5c2c99c3198732173b5e85.png?width=800)
【実験3】角度(0°→45°→90°)をつけていく
※竹ひご長40cm一定・太さφ1.8mm均一
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100865202/picture_pc_11fa9bfd7ca6cecff758d05238c622ab.png?width=800)
重さの乗る部分(最も曲がる場所)が先端まで移行しない。どうやっても同じ場所だ。
素材は変わるが根元から徐々に細くなっていくプラ棒があったから、試してみた。
【実験3’】角度(0°→30°→60°)をつけていく
※プラ棒長30cm一定
※太さφ0.31mm→φ0.24 mm→φ0.15mm→ φ0.06mm(先細りってこと!)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100865553/picture_pc_d99bcd04b5c729d31aea6f63344e407e.png?width=800)
折れるのが怖くて90°までもっていけなかった…。それでも、重さの乗る部分が少しずつ先端に移行しているのが分かる。この「先端への曲がりの移行」がロッドの反発力、つまり、遠心力を押し上げる力となるのだ。
つまり、投げる為には次の特徴が必要である。
☞「ちゃんと曲がる」と「根元が太くて先が細い」
#ロッドの設計とは?
ロッドの設計は「どこで曲げるか」「どのように細くなっていくか(細くなる角度)」で決まることが分かった。さらに、弾性の異なる素材を組み合わせることもできるようだ。
こうして総合的にデザインされた特徴をアクションと言い、
L(ライト)→M(ミディアム)→H(ヘビー)を基準にUL(ウルトラライト)、MH(ミディアムヘビー)、XH(エクストラヘビー)など多様化する。
また、細くなり方に注目したのがテーパーであり、大体がアクションに関係している。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101847540/picture_pc_2c58dddabf2735af6162d0251df8bc27.png?width=800)
例えば、竿先で細か動きを演出するルアーを使う場合は極力、ピシピシと弾性がある素材で、かつ先端近くだけが曲がるようにしないと使いにくい。昔、9’0”ftの長いメバルロッドを買ったら、真ん中あたりから曲がってしまい使いにくかった。で、1’0”ft=約30cmだから、約60cmくらい短くしたら使い易くなった記憶がある。
#理解したからにはフルキャスト!
恥ずかしながら、感覚でキャスティングをしてきた感は否めないのが私だ。今回、きちんと理科的に分析してみて「なるほど、そういうことだったのか。」と改めて理解したこともある。
総じて、キャスティングのポイントは以下の通り。
①モーメントの支点(円運動の中心)となるリールの位置がブレないこと。
②グリップエンドを引き、反時計回りのモーメントの力を増し、遠心力を上げること。
③ロッドにはルアーの重さをきちんとのせて、バット部分を確実に曲げること。
※バット部分…グリップに近い太めの部分
④バット部分の曲がりをロッドの先端に移行させること。
(オマケ的ではあるが、射出角度は45°が飛距離的にベストだったりする。)
色々理解したところで、できる気になった私である。「さて、我がキャスティングはどんなもんか。」そこでフルキャストの動画を撮ってみた。
ロッド MV-75 XHクラス/スローテーパー
リール スコーピオンMD300XG
ルアー メガドッグ180(m=70g)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102284046/picture_pc_88354b46b8238d95821e7b5d31dc120b.png?width=800)
とりあえず、気持ちよくぶっ飛んでくれた。ロッドの力は引き出せていると思われる。ただ、身体の使い方に修正点がある。腰のひねりや肩を使えてない…。ナンダカ色々気になるぞ。
とりあえず、ロッドとキャスティングの関係は分かった気がする。
次は実際にロッドを作ってみることにしよう。
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