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命を学ぶとは

こんにちは! 金沢市で活動をしているNPO法人ガイア自然学校です。

今回はガイア自然学校の代表、成田裕(なりたゆたか)によるコラムです。

生き物を殺すことって悪いこと…?


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春になってあたたかくなってくると、子どもたちにとって最良の「ともだち」が現れます。

それは「カナヘビ」。

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たくさん出てくることと、子どもたちでも捕まえられる程度のすばやさなので、乱獲されます。

はじめはおっかなびっくり触っている子も、だんだん自分のペットのようにかわいがりだします。

しかし、、、

虫カゴに2〜30匹が、ぎゅうぎゅう詰めに…

竹に入れられて水責めに…

にぎりしめすぎて死んでいるのを「寝てるんだよー」…

「もうちょっとやさしくしてあげてよ。」と言うと。

「わかったー!」といい返事。

その直後、
「暑いから泳がせてあげるー。」と噴水へ投入…。

「オイ!」ってつっこむと、

「えー?やさしくしてるんだよ?」

「飼うの!」と涙目に訴えかけるクセに、放置するので死体が山積みに…

さすがにそろそろ絶滅するんじゃないと思うほど。

「命」について学ぶ機会が必要なのかも、と思いいろんな話しをするものの、子どもたちにとってはどうもピンと来ていない。

伝える側も、考え出すとピンとこない。


探して捕まえるの楽しいし、死んだら何が困るの?
倫理感?死んだら悲しい?
生き物を殺すのは悪いこと?じゃあ食べてる肉は?
生態系が狂う?
将来、事件を起こす子になる?


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僕が子どものころ、カエルのおしりに爆竹を入れて投げるあそびがはやっていたし、ザリガニを釣るのにカエルを捕まえてつぶしてエサにしていた。

トンボを捕まえて、頭をちぎって飛ばして喜んでいた。

カマキリにバッタを食べさせて喜んでいた。

幸い、まだ事件は起こしていません(笑)。

でも、高学年になるにつれ直感的に「あっ、生き物を殺すのってイヤだ。」っていう感覚が生まれた瞬間を覚えている。

ザリガニ釣りを妹に教えようとした時、カエルをつぶすのが気持ち悪くなったのです。


児童養護施設の子どもたちとキャンプをした時、一番小さい子がひたすらに虫を殺していた。

やめさせるべきかどうか、随伴していた心理カウンセラーに相談したところ。

「彼は、施設で一番小さくてイジメにもあっている。その発散先が虫に向いているだけなので、今、虫殺しをやめさせることは、彼の成長にとって良いことではない。」

と言われたことがあった。

カナヘビたちには申し訳ないが、子どもたちの成長にとって、決して悪いことではないような気がするのです。

そして、このことは意外なミラクルへと発展するのであった…

つづく


文:成田裕

(「ガイア通信」バックナンバーより再掲載)


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今回は一つだけ、命にまつわる実際の出来事をご紹介します。

数年前、筆者が現役Gリーダーだった時の日帰りプログラム「ガイアキッズ」でのこと。

筆者ともう一人のリーダー、そして私たちの班の子どもたちで山に探検に行く途中、道端にモグラの死骸がありました。

最初はみんなモグラ(の死骸)に興味津々で観察していました。

少ししてもう一人のリーダーが、

「手を合わせよう」

と言いました。

強制させるような強い言い方ではなかったのですが、その一言でわいわいしていた雰囲気が一転、厳粛な空気になり、墓前にいるような気持ちになったことは今でも覚えています。

班の子どもたちも、死について全く理解していない学年ではなかったためか、彼女の一言で改まった表情を浮かべていました。


彼女の声かけが正しいとか、もっとよい言動があったはず、というジャッジは私にはできません。

どんなことにも言えることですが、特に教育において「何が相手のためになることか」は誰にもわかりません。

けれど彼女の一言で、とても大切なことを思い出したような気がしました。


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