お世話をしすぎると、子どもが楽できる魔法を覚えちゃう!?
こんにちは!今回は、ガイア自然学校の代表、成田裕(なりたゆたか)によるコラムです。
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スキーキャンプにて、スキーを終えて乾燥室でウエアをぬいで、ちょっと高い所にある物干し竿に掛けようとしているAくん。
「とどかん!とどかん!」と言いながらウエアを持って立ち尽くしていました。
周りには板を片付けたりウエアを脱いだりしている人たちでごったがえしています。
ただ、誰に言うでもなく「とどかん!」と怒ったような口調で言っています。
あなたが一緒に来ているリーダーでそばにいるとしたら、どうしますか?
①無言でウエアをとって掛けてあげる。
②「とどかないの?しょうがないなー。」と言いながら掛けてあげる。
③「自分のことは自分でやれ!」と一喝する。
④「とどかないの?どうしたいの?」と声をかける。
⑤無視する。
どうでしょう? 正解がある訳ではありません。
ただ、ガイア自然学校では、こういう時の関わりや声かけが大切だと思っています。
ケースバイケースですが、④が一番しっくりきます。
①②は一見親切だしやさしいリーダー像のようです。
ただ、その子にとっては「自分の欲求をつぶやけば勝手に誰かがやってくれる」という魔法を覚えてしまうようなものです。
そんな体験を繰り返してるのに、大人になってから自分の問題を自分で解決できるでしょうか?
③は実際にできる状況なら、それもありです。
ただ、その子の「気持ち」を聞いたりコミュニケーションを断絶してしまうことにならないようにする必要があります。
⑤はその子に関心を持っていないのなら、リーダーとしては失格です。
ただそれが必要な時間と感じて、その子がなにか自分からリアクションを起こすまで待つためならOKだと思います。最終的には声を掛けましょう。
なにげないことですが、大人が良かれと思ってやっていることが子どもの成長を妨げていることって、身近にたくさん発生してると思うのです。
お世話をやく前に、その子の気持ちを聞くことやコミュニケーションをとること、さらにその子の「こうしたい」が引き出せれば最高です。
文:成田裕
(「ガイア通信」バックナンバーより再掲載)
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夏休みのキャンプシーズンになると、ガイアでは「お世話係」という言葉がちらほら聞こえてきます。
今回のコラムの選択肢で言うと、①②の行動をとってしまうことをほのめかしています。
土日に開催している日帰りのプログラムとは異なり、キャンプは家族以外の大人や初めて会う子どもたちと寝食を共にします。
家となるテントを立てるのも、普段はおうちの人が作ってくれるご飯も、片付けをするのも、全部子どもたちとリーダーの手でやります。
note第一回目の記事にもあったように、ガイアは子どもの主体性を伸ばしたいのです。
でもガイアでは、「絶対に自分でやらなきゃダメ!」という明文化されたルールはありません。
いかに自分でやったり、解決策を考え実行したりするよう促すことができるか。
これがリーダーの腕の見せ所であり、子どもだけでなくリーダー自身が成長できるチャンスでもあります。テント立てやご飯づくりなどが、キャンプならではの大きなチャンスです。
しかし、子どもへの促しが上手くいかないと、リーダーはただの「お世話係」になってしまいます。コラムにあったように、子どもは魔法を覚えてしまいます。
たしかに、大人がやってしまった方が楽だし時間もかかりません。
でも「お世話係」になってしまったリーダーは、みんなで使った調理器具を洗ったり、子どもの荷物整理をしたりしているうちに、自分の気持ちに気付きます。
「何で自分が、子ども自身がやってほしいことをやっているんだ?」
どれだけ時間がかかっても、どんなにくじけても、とがめる人はいません。
リーダー自身の心から生まれたこの気持ち。この気持ちに気付き、子どもに伝えることで、リーダーも子どもも成長していきます。
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