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第一人者の話から学ぶ:「繋ぐ壁」トークイベント行ってみた
今日はパタゴニアクライミングアンバサダーの横山勝丘(よこやまかつたか)さんと倉上慶大(くらかみけいた)さんのトークイベントに行ってきたのでその話をしたい。
パタゴニアクラなんちゃらと言われてもよくわからんと思うので、ざっくり説明すると、このお二人はすごいロッククライマーである。
パタゴニアのアンバサダー、つまり回しモ、、 宣伝大使、といったところだ。
特に横山さんはクライミング界隈では”ジャンボ”の愛称で知られる超有名人で、海外の有名絶壁をいくつも登ってきた日本を代表するクライマーなのだ。
だがこの記事では登山やクライミングの話をするつもりはない。
今回伝えたいのは、業界の一線級のプレイヤーがどんなことを考え、どんな発言をしたかということについてだ。
それを通して、ぼくらの生き方に活かせる要素を抽出してみたい。
今回の彼らのチャレンジは「繋ぐ壁」というタイトルで動画が作成されてます。
3月31日公開です。屋久島とクライミングに興味ある人はリンクからどうぞ↓↓↓↓↓
きっかけはパタゴニア神田店
まあ僕がなぜこれに参加したのかなんてどうでもいい話だけど、10秒だけ時間をくれ。
パタゴニア神田店に買い物行ったの。
そしたらレジにこのトークショーのチラシがあったの。
興味しんしんまるしてたらスタッフのおねえさんが案内してくれて
もともと行く予定じゃなかったけど行ってみた。
以上。
こういうのってインスピレーションじゃん?
なんかアンテナがピンと来たら、直感に従って行動するとなんか人生が動く的なそういうやつあるじゃん?
最近山とかぜんぜん行ってないからぶっちゃけあんまり興味なかったけど、思いつきで面白そうな方向に行ったら人生が回り出す的なところあるじゃん?
そう。
これがきっかけでね、僕は山を登って旅する冒険家ライターとして、世界に名だたる冒険家たちに同行し、それを文章でありありと世界に発信するというキャリアをスタートすることに
なるわけないので、勝手に感想文を書くことにしたの。
上手じゃないとやっちゃいけない感
内容を書いてもようわからんと思う(つーかめんどくさい)ので、印象に残ったトークをピックアップしていく。
「上手じゃないとやっちゃダメな感じが日本にはあるよね」
横山さん曰く、フランスには近所のボルダー(ロープなしで登る岩。流行ってるボルダリングの自然バージョン)に、子供達みんなでわーっと登って遊びにいく文化があるらしい。
ハイレベルなクライマーが登ってる横で、家族づれや子供たちがたのしく登っているんだそうだ。
日本だと、どうも「上手じゃないとやっちゃいけない」感じがある。
横山さんがトークでしゃべったのはクライミングにおける話ではあるのだが、僕はこれって全てに言えるよね、と思った。
日本的なメンタリティもあるのかな。
でも、もっといろんな分野で、ビギナーが楽しく参入できる雰囲気があったほうがいいよね。
そうなればもっと生きるのが楽しくなる人が増えるんじゃないかな。
日本に岩が少ないわけないだろ
横山さんは昔、海外の有名な岩場で日本の学生たちに会ったそうだ。
そこで彼らは「いいなあ。日本にはこんなでかくてかっこいい岩が無いもんな」と言っていたそう。
だが横山さんはこう言う。
「世界地図から海をとっぱらってみてください。日本の東には大きな海溝があるでしょ。日本って、そこから1万メートル以上も登った山のてっぺん付近なんだよね。そんな場所に岩がないはずがない」
そこで今回の屋久島だったのだが、言う通り海外の大岩にそっくりなやつがゴロゴロしている写真を見せてくれた。「ほらね。」と
思ったのは、トップの人って、やっぱり人と違うこと考えてるんだよなあ、と言うこと。
発想がまず違う。みんなが気づかないことに、何歩も先に気づいている。
それが先駆者になるのだなあという感想。
理想は出勤前に登れるルート
屋久島では理想的なルートも見つけたらしい。
崖上の踊り場に集合して、そこで水1本と装備だけ持って、下から登る。
登ったら踊り場に戻ってこれて、さくっと終了できる。
これができる岩場があって、これなら
「朝、登ってから出勤できる」
らしい。
変態だ。
おかしいだろ。ロッククライミングしてから出勤とか。
しかし、クライマー界隈の変態たちにとっては普通だ。
他の分野でもそういった猛者はいるからしょうがないか。
マラソンだって20キロ走ってから出勤とか、5時から波に乗って出勤するサーファーもいるし。
だが、そこまで何かに夢中になってる大人って、めちゃくちゃカッコいい。
キーワードは持続可能性
だなと思った。
SDGs的な発想は、やはり世界的なトレンドだし、個人の思想もそういう潮流があるようだ。
パタゴニアではクリーンクライミングと言って、岩場に何も残さない、元のままをキープする、という取り組みを啓蒙してるらしい。
ゴミとかそういうのはもちろん、従来のクライミングで使うピトン(ロープをつなぐ釘。岩に打ち付けて使うため、岩がナチュラルではなくなる)やロープなども残さないのだ。
今回の屋久島でもルート開拓も、まさにそういったことを念頭に置いて実施された。
横山さん曰く、
「何も残さない、ボルトもないから、ルートの選び方も自由。これが気持ちいいし、充実感もある」
自然のままに残し、それを次の世代につなげていかなければいけない。
そういう意味でも、今回のタイトル「繋ぐ壁」になっているのだ。
どうやってクライミングを習ったらいいか、という質問に対して
横山「ガイドなどについて教わるのももちろんいい。けど、同じ質問を受けた時に、以前こう答えた。
僕は学生の時に海外の壁に登る計画を立てたんだけど、そこで使う技術を練習できるような岩が無かった。
そこで考えて、近所の廃れた岩場で、自分たちなりに工夫して練習した。
おかげで海外のその壁を制覇できた」
彼が言うには、”自分にはそれをやれる環境がない” と言う人は多い。
だけど、身の回りでなんとかできないか、想像力を使って考えるんだ。
自分の環境でできることは必ずある。
それは近所や近場での再発見になるし、今回の屋久島だってそういうことだ。日本を僕らのローカルと考えれば、屋久島はまさに近所での再発見だった。
情報を得すぎることでつまらなくなる
倉上さんの話。
クライミングでは「トポ」というものがある。
これはいうたら”ルート案内図”だ。
新ルートを開拓したら、通常はこのトポを作成し、他のクライマーも登れるようにするが、倉上さんはある提案をしたらしい。
「あえてただの写真集みたいなトポにしてはどうか。」
つまり、どこからスタートして、どのルートで、何を目印にして、とかの情報を書かない。
それは、初めて開拓した時の冒険を味わうのが、ほんとうの楽しさだと考えるから。その体験をしてほしい。
現代は、ちょっと検索すればかなりの情報は手に入る。
だけど、検索してわかった気になっていないか?僕らは改めて自らに問いかける必要があるだろう。
実際に、行って、やって、考えて、初めてわかる。
ここんとこ僕のテーマでもある、「自分のアタマで考える」に繋がってると感じた。
ここでも「繋ぐ壁」だな。うん。
けっきょく人との関係
これも倉上さんの話。
例えば自分も屋久島に登りに行く場合、ローカルに対してどう許可をとったらいいか?という質問に対して
「正面からストレートに登りたいんですけどと言えばいいと思います。
けっきょく人との関係性なので。
なんなら、一緒に登ってくれませんか、と言ってもいいと思います。
それが地元の人との繋がりにまなりますし。」
僕が感じたのは、人との対話を避けてないか?ぼくら。ということ。
今は多くのことを自分一人でもできます。
でも、ほんとうにやりたいこと、実現したいことって、人との繋がりからできたりする。
だし、単独でやるよりも大きなムーブメントになることは間違いないのだ。
ぼくらは何かを実現したいと思ってそれぞれ生きてるけど、助けが必要なら正面から誰かに「いっしょにやってくれ」「手伝ってくれ」と言っているか?
対話を怖がってる場合じゃないのかもしれない。
ヘタにSNSにあげない
横山さんの話。
屋久島とかだけでなく、デリケートな自然を相手にするアクティビティは、ヘタにSNSにアップしなければいい。
そうすることで、環境が守られやすい。
たしかになーと思う。
ただ、それ以上に思うのは、横山さんってSNSでやったぜアピールみたいなことに一切興味がないということだ。
僕なんかはどうしてもSNSやブログに書きたくなってしまう。
どうしてそんなに純粋に、自分が楽しむことだけに集中できるのだろう。
そこが羨ましいし、トップになるような人ってみんなそうだなって思う。
アートみたいな感覚はある
横山さんいわく、
「登った壁から下山して、それをまた下から見上げた時が至福」
なのだそう。
その壁に自分がたどったルートを描く。
それはアートを同じだ。
常に宝探し
彼らは、いつも新しいルートを探して駆け回り、まるで宝探ししている気分なのだそうだ。
なんてうらやましいんだろう。
幾つになっても、そんなワクワクを全力で感じれるなんて。
おわかりだと思うが、これはクライミングに限った話ではない。
小説を書くのも、漫画を描くのも、走るのも、動画を作るのも、歌うのも、踊るのも、絵を描くのも、スポーツするのも、ぜんぶ宝さがしなんですよね。
新しい境地やアイディアの発見なのです。
純粋に楽しんでこそ、そのワクワクが得られるんじゃないかな。
そんな子供みたいな大人が集まった、たのしいトークイベントでしたとさ。
動画はこちらから↓↓↓↓↓めちゃくちゃカッコいいのと、屋久島の風景がやばい
記事が1ミリくらい良かったら100円ください