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季節を味わう

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日本の自然や言葉の美しさについて、みのおエフエムの番組内で語ったことのまとめ。 主に、暦、季語、季節の花、季節の色について。
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2023年6月の記事一覧

6月の花の俳句(季節を味わう#0012)

6月の花の俳句(季節を味わう#0012)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【紫陽花】紫陽花に雫あつめて朝日かな
   加賀千代女

先月は「牡丹」の句で、
今日見ねば雨の牡丹をいつの日に
をご紹介しました。花が美しく見えるのは晴れた日ばかりではありませんが、最も雨が似合うのは紫陽花と言えるかもしれません。

一晩中降り続いていた雨。
加賀千代女は江戸時代

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日本の色 6月(季節を味わう#0011)

日本の色 6月(季節を味わう#0011)

「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
6月にもたくさんの色があります。その中から私の好みで選びました。

【浅葱色】

浅葱色は明るい青緑色のこと。平安時代にはその名が見られる古くからの伝統色です。薄い葱の葉にちなんで「浅葱色」。「浅黄色」ではありません。

私が「浅葱色」を知ったのは、中学2年生の時。新撰組副長 土方歳三を主人公とした司馬遼太郎さんの『燃え

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夏の季語「雨蛙」(季節を味わう#0010)

夏の季語「雨蛙」(季節を味わう#0010)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【雨蛙】

6月(夏)の季語です。
雨蛙は体長4㎝くらい。夕立や雨の前に鳴くことから「雨蛙」と呼ばれるようになったという説があります。
木の葉や草の上に住んでいて、普段は緑色ですが、木の幹や地上では灰褐色になるなど、環境に合わせて色を変えます。

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2023年6月の暦・行事(季節を味わう#0009)

2023年6月の暦・行事(季節を味わう#0009)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)

2023年 6月(水無月)

6日(火)  芒種

 二十四節気の一つ。「芒」は稲や麦など穂先にある硬い毛のことで、「芒種」は「芒を持つ植物の種を蒔く時期」ということ。実際にはこの頃にはすでに蒔き終えています。このずれは、二十四節気が中国の黄河流域の気候を基準にしていることから起こると言

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