見出し画像

忘年会? 辞めましょうよこんなもの

12月になると、忘年会シーズンになる。社会人になって30年以上経過したが、忘年会は嫌な思い出ばかりだ。昨年はああいう事態だったので、なかった。今年も私の所ではやらない。気分がいい。他の会社や官庁はどうなっているのかと思い調べたら、こういう記事があった。

中高年ほど反対だそうだ。部下にパワハラをしたくてうずうずしているから、反対していると思う。私も同年代だからなんとなくそう感じる。

しかし、はっきりと書こう。忘年会という悪習はすぐ辞めるべきだ。

理由は、同僚や上司の醜い側面ばかり忘年会で見てきたからだ。体験をひとつ。セクハラという言葉が知られるようになった当時の話だ。新人として大卒の女性が、私のセクションに4月配属された。朗らかな性格で仕事の飲み込みが早かった。将来有望、と皆からの注目を集めていた。その年の12月、彼女にとり、一生のトラウマになったであろう事件が発生した。忘年会での忌まわしい出来事だった。始まって1時間くらい過ぎた時、体育会系の営業課長が、酔っ払って彼女に絡んできた。自分が飲んでいるコップでビールを飲むことを無理強いした。遠慮がちに彼女は、私は酒はダメなのでと弱弱しくいった。すると、俺の酒が飲めないのかと紋切り型のセリフを吐いて、彼はキレ、彼女に襲いかかろうとした。彼女と私の直属の総務課長は、その時凍り付いたまま何もできなかった。頭脳明晰で定評があり、自分は女性の職場進出を歓迎する、といつも話していたリベラルな御仁だった。やむを得ず、やりすぎですよ○○課長、彼女のことを考えてください、と私は大声で制止した。何が気に入らなかったのか、ゆでだこみたいに顔を紅潮させ激高した○○は、お前あいつが好きなのか、とわめき私の胸ぐらをつかんだ。頭が真っ白になった。間髪を入れず、温厚で知られた総務部長が、お前は自分がやっていることがわかっているのか、と鬼のような形相で○○を一喝した。彼女は泣き崩れ、私はしばし呆然となった。あたり一面シーンと静まりかえった。○○はハッと我に返ったが、彼女への謝罪はなく、スゴスゴと自分の席に戻っていった。その後、彼女は結婚を理由にして、翌年3月仕事を辞めた。結婚が表向きの退職理由であったことは言うまでもない。彼女は将来管理職になる実力があったと思う。彼女にも、私の職場にも大きな禍根となった。醜態をさらしたゆでだこ課長は、それから昇進という形ではあったが、小さな営業所を転々とすることを強いられた。

事件のあと、つくづく感じた。どうして、俺はこんな奴らに囲まれ、薄給をもらうため、下らない書類作成ばかりして、夜10時まで仕事をしなきゃいけないのか、と。仕事が生きがいだとかチーム意識をもって楽しんで仕事をやりましょうとか言っている同僚や上司を、軽蔑するきっかけになった。また、仕事の意義について、世間的な価値観に疑いを持ち始めた。

こんな忘年会でのいざこざはよく聞く話だ。1年の仕事の労苦をねぎらうのが忘年会の本来の主旨だそうだが、噓っぱちもいいところだ。

もう一度書く。忘年会など、辞めるのが当然だ。

その後、私はあれこれ口実をつけて、忘年会に出ないようにして現在に至っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?