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ウニの棘が一本しかない話

以前書いた記事に、学び続けることに苦悩する教え子の記事がありまして。

この記事に登場する教え子から、久々に連絡が来たのですよ。しかもnoteのお問合せ通知機能から(笑)

ユーザーからのお問い合わせww

色んなSNSで繋がっていると、思いもよらない角度から球が飛んでくるなーと、非常にエモかったわけです。

あの時相談を受けたのがもう5年以上前(!)
時が経つのは早いものです・・・
今回は久々に再開した教え子君との会話から、「日本てやっぱりエリート教育が必要なんだけど、そもそもエリートの定義が微妙よねー」と思った話を綴ります。

【再会した彼の辿り着いた先】

久々の再会を果たした彼は、だいぶ好青年でした。
いや、5年前に会った時も好青年でしたが、あの時と比べると表情も明るい。そして精悍な顔つきになっている。

以前の記事にも書いたのですが、彼と初めて出会ったのが中学生の時で、中学生の頃の彼が話すセリフと言ったら・・・

「世の中ってよくわからなくないですか?」
「先生、俺はもっと自由になりたいんですよ!」
「なんか、哲学でロックな生き方が良いと思うんスよね」

まあ、要はめんどくさい奴だったんです(笑)
そこが可愛くもあったのですが。で、実際彼は大学院で哲学を学んでいたから、感心・驚きと共に僕は少しだけニヤニヤしてしまうのですww

彼はその後博士課程に行くことを諦め、就職の道を選んだみたい。ただ、その就職先として選んだところがすさまじい・・・。あまり細かくは書けませんが、国のために、相応の場所で働いている感じ。

なぜその道を選んだのか?

曰く、博士課程を諦めたが、彼がその道に進もうとした時に周りにいた人たちの溢れる才能を見たから、とのこと。

はて?なぜに?

そこには彼なりの長期的な戦略があり、感心してしまいました。
そもそも博士課程に進むくらいのメンバーは、驚くほどの才能と考えを持っている。でも、彼らはその研究成果を世に広め、社会還元することにはモチベーションが無い。むしろ「放っておいてくれ」くらいのノリの人も…。これが勿体ない、と。もっと応援し、世の中に広めたい・拡げたいものもある、と。

アカデミア界隈の価値を認めてもらうためにも、国のスタンスの中で幾つか変えなければいけないものもある。自分は博士課程に進んで戦えるほど、彼らのような才能は無い。でも彼らへの憧れと理解は十分にある。そんな自分ならば、彼らの才能を世間に広め、素晴らしさを伝えることができる。最も効果的にその活動ができるような道を選ぼう・・・。そして権力側と話をして信頼を築き、自分の発言に興味を持ってもらえるよう成長しよう…。

凄くないですか?

そのモチベーションで就職に道を変え、且つ相当に難易度の高い壁を越えたわけです。中二病だった頃の彼からは想像ができない(笑)

5年前、悩みに悩んで選び取った道。
その過程に大きな価値があるな、と改めて思うわけです。彼の未来の活躍を、心から祈らずにはいられない訳です✨


【ウニの棘が一つしかない】

そんな彼と、これからの日本再興?ってどんな発想と作戦が必要なんだろうねーみたいな話になったんですよ。

彼は上に書いた通り博士課程に進むことを悩んだくらいなので、だいぶ専門的に尖った道を選ぼうとしていたわけです。そんな彼が、日本再興に向けて、教育という文脈で必要と感じていること。ついでに言うと国も確実に当面は取ろうとしている路線。

教え子君「いや、やはりエリート教育ですよね」

これです。
ただ、僕らの会話には当然続きがありまして。

ソガ氏「まあ、エリートってそもそもどんな人なの?って話よね」

教え子君「そうなんですよ。国は結局偏差値でエリート決めますでしょ?」

ソガ氏「それな(笑)エリート道が一本しかない」

教え子君「偏差値で決まるエリートも確かに必要ではあるんですけど、もっと他にも当然エリートはいるわけで」

ソガ氏「そのエリートを教育で導く仕組みって無いよね。財団とかでやるくらい?」

教え子君「はい、仰ることおりです。エリート教育が狭いんですよ。」

かつて一緒に学んだ教え子たちの中にも、いわゆる「偏差値では測れないエリートの種」みたいな子は沢山いたと思います。偏差値で区切るから、受験で評価しようとするから才能が活きない。でも、それしか評価されないから難しい局面に陥っている。で、心からパワーが失われていく。


【エリートとは?】

誤解を招きそうで怖いのですが、この話をする上で大切なので書いておかなければならないこと。それは「エリートとは?」という問いに対する答えです。

端的に書くと、エリートって下記2つは結構重要な要素になるのではないかと思います。

①上位5%である。
②稼げる人である。

世間一般で「教育」という文脈から上位5%をエリートとすると、「じゃあ残り95%は置いてきぼりを食って良いのか!」「教育の享受は平等であるべきだ!」みたいな主張が飛び交います。

まあ、確かに基礎的な教育機会は等しくあるべきかもしれませんが。ただ、これは受け手側の発想の落とし穴だな、と思うようになりました。
5%で良いのだと思います。ただし、偏差値で上から5%の人、という意味ではない。特定の分野で上位5%であれば、それは立派にエリートである、という発想になることが極めて重要なのです。

あともう一つ、これは教え子君も言っていたのですが、「稼げる人」であるか否かも重要なエリートの要素。資本主義は、変化することはありますが消えてなくなることはありません。だからこそ、稼げることで実績を示していかないとエリートなのかは分かりづらい。

でも、それは日本円だけの稼ぎを指すわけではありません。
外貨でも、仮想通貨でも、資本主義を中心としたエコシステムの中で、ある程度客観的で定量的なスコアリングを集められれば、それはエリートたる実績と考えて良い。何らかを可視化させておくことも重要な要素ではあります。


【ウニの棘が増えることで世界が近づく】

今は良い大学へ行かせることでのエリートを育てるようにしかなっていないですが、その必要性を残しつつも、それに加えて、様々な分野や業界での圧倒的なエリートに道をつけていく。この戦略を国や地域で整備することが未来において極めて大切になるのでしょう。

それぞれの分野で稼げるポテンシャルのある5%に対して、丁寧に環境を作り育んでいく。そうすると360度に尖ったたくさんの人材が世界に放たれるわけです。本人たちは思う存分尖れば良い。稼げるポテンシャルを引き出すことに無情の喜びを感じる、偏愛マネタイズエリート君も現れればなおよしですかねww

まさに理想はウニ型。今は棘が一本(偏差値)だけなのがシンドイ😂
すぐに沢山の棘は無理でも、ここを作るための選択肢が教育環境として増えていくと良きですよね。

が、このウニの棘を増やす時に気をつけねばならないことは幾つかあると思います。

一つ目。
受け手側の多くの「教育は等しく皆に与えられるべきだ」という昔ながらの主張が歪んでしまって、同じであるか否かに注目が集まってしまうこと。この「5%エリート育成」の方向性でいけば、多くの人が誰かと同じことはまず行わなくなります。それを不安と思わないこと。違っていて当然。他の人がどうか?に目を向けてしまうと、大抵の場合良いことはないのです。

二つ目。
「何かで上位5%を目指すぞ!」という発想で臨むと結構シンドイよね・・・ということ。思うにエリートと呼ばれる人は、何にせよ自分のことを「エリートだ」と思っている人はいません。少なくとも自分がこれまで出会ってきた、エリートたるすごい人は皆そうでした。

ある意味、自覚なくすごいことをやっている。
めちゃくちゃ時間もかけるし死ぬほどやっているけど、それはエリートだからやっているということではない。

楽しそうにやっている、と書くと安っぽいですが、少なくとも苦しそうにやっている。歯を食いしばってやっている…というのとはだいぶ違う感覚です。で、こういうのって探しに行く、獲りに行くというよりも、他者との対話を通じて、或いは人からの言葉を通じて「あ、自分はこういうことが思いがけず人からすごいと思われる部分なんだ・・・」ていう外側からの自覚みたいなものから芽吹くことが多いのかな、と思います。

真のエリート教育は、そうした芽吹きを感じてもらうための環境設計をどこまで用意してあげられるか?ここが真骨頂なのでしょう。

そしてこれらのものは既にあちこちで試みとして動き始めています。これを見えるように、わかりやすく示していく。昔ながらの日本型教育の本流付近にいる人たちにもわかりやすくアクセスしやすくする。

また、地域ごと、セクターごとにこうした環境を、もっともっと国と手を組んで増やしていくことが大切なのでしょうね。

受ける側は、変な集団心理に苛まれることなく、対話を通じて自分を知り、知ることで大いに尖る自分を褒めてあげる。大人の側は自分達の幼少時代・青年時代との違いに戸惑いつつも(笑)、棘になる世代の生き方を愛でてあげる。これ、地域地方でできるとめちゃくちゃ未来の武器になりますからね✨

上位5%の偏愛×地域地方≒グローバルの日本再興戦略

これ、結構当てはまると思っています✨
どうせならば、次の未来は思いっきりウニ型のエリート育成で、面白い発信が世界にできると良きかも…✨

AIの進化台頭やら
人口動態の激変やら
日本地域の豊かさの再認識やら…

シン・エリート育成戦略は意外とそこまで迫っているかも…
そんな期待を抱かずにはいられない、教え子君との豊かな時間でした✨

こういう同窓的時間と思い出話、たまには良きですね☺️

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