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32. ヒトの心理と行動(後編)

ウォーキングしている時に目に入った木の形が、一瞬、クジャクのように見え、見る角度によってマンモスに見える木があり、”もしも何万年前の狩猟時代だったら”と、ヒトの心理や行動について想像しました。

大昔、夜明け前の薄暗い中、木を見間違え「獲物だ!」と思ったヒトがいたとして、取る行動はそれぞれ違うだろうと思います。
・すぐに武器になる物を探すヒト
・本当に動物かどうか動きを観察するヒト
・急いで仲間を呼ぶヒト

仲間を呼んだヒトは、木だと気づき「ウッホウッホ~(逃ゲチャッタヨ~)」とごまかしたり。

仲間から「ウホホ(アレ、木ダ)」と笑われたり、「ウウホホホ(チャント見ロヨ)」と責められたり。

仲間も同じように”じっとしている獲物”をラッキーと思うも木だと気づき互いに苦笑したり、或いは初めは自分も気づかなかったくせに仲間が「ウウホッ(木ジャナイカッ)」と怒り出したり。

はたまた、急いで武器を探したものの、ア、アレ木ダと気づいてと一人照れ笑いしたり。

じっくり観察していたヒトは住居に戻って「ウホウホ、ウッホッホ~(サッキ、牛ミタイナ木アッタヨ)」と笑い話をしたり。


ユーモア照れ笑い苦笑の感情や、笑い話をする行為がいつ頃からあったのかはわかりませんが、チンパンジーも「笑う」のなら、石器で狩りをしていた時代にヒトが「笑う」ことはあったと考えます。

もしも、木を見間違えたのが子供だったら、もしくは呼ばれた仲間が死にそうなくらい空腹だったら、ヒトの心理行動はまた違うものになるだろうと思います。

また、木を見間違えるのではなく本当の狩猟の場で取るヒトの行動は、獲物が大きいほど自分の頭と身体を使い、笑いのない生死に関わる真剣なものだったと想像します。

大昔の、本当の本当のことは誰にも分かりませんが、でも間違いなく、ヒトが誕生した時からヒトとヒトとが関わり「心理」という「心の状態」をヒトそれぞれが持ち「行動」し、脳や身体は、身を守り生きることができるように変化(生き物に使う「進化」や「退化」という言葉は好きではありません)し続けています。

しかし、ヒトによって必ずしも、脳や身体が永く生きられるように働いてきているわけではありません。

現代人の脳や身体は、そういった古代のヒトの、ヒトになる以前の生物の、情報を持つ細胞が多かれ少なかれ変化しながら受け継がれ、形成されています。

一人のヒトとしての - お笑いが好きで、好奇心旺盛で、マイペースで、大人数の集団行動が苦手でヒビリで怖がりで躊躇なく逃げる- 性質は、弱肉強食の自然界で「逃げる」という遺伝的情報を持つ細胞を多めに受け継いでいるからなのか、DNAのA(アデニン) = T(チミン)|G(グアニン)=C(シトシン)の結合の仕方によって「変化」や「笑い」にエネルギーをより感じる細胞を持ったからなのか、もしくは忘れてしまっている自分の過去の経験に基づく深層心理が働いているのか(前世という考え方ではなく現実的に)、そして逃げない人はなぜ逃げない心理が働くのか、生物学的に根本的な要因を解明することはおそらく不可能です。

しかし、分かっていることは、自然災害発生時に動物がその場からいなくなるのに対し、ヒトがその場に留まろうとするのは、ヒトであるが故

何が正しいかを知りたいと思っても、正論が過ぎると拒否したくなるのはヒトであるが故

それでも動物であり知恵を持ったヒトは、本能的な心理と思考によって、その場から「逃げる」のか、その場に「留まる」のかをずっと選択し続け、生命力と子孫を保ち続けています。




33. 言葉の起源




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