寒さとアイスに対抗できるもの
最近はまっていることがある。それはお風呂に入ることだ。
こう言うと今までお風呂が好きでなかったように思われるかもしれないが、そういうことではない。好きな香りの入浴剤を使ったりと、リラックスタイムとしてそれなりに好きではいた。
「なんか最近肩こりがひどいんだよね」
私が夕食後の会話でそうこぼすと、母は少しも考えた様子もなく言った。
「じゃあお風呂にゆっくり浸かりなさい」
実にあっさりとした、わかりやすい答えだった。うちの母はとてもシンプルな性格をしているのでこういうときにひねりのない答えが返ってくることが多い。
「…はーい」
もうちょっと労りの言葉とかあってもいいのにと思いつつ、私はお湯を入れようとお風呂場へと向かった。
私はカラスの行水…とまではいかなくても、あまり長く浸かったりはせずに入浴を終えるタイプだった。猫舌だったり猫手だったりする私はお風呂に入っているとのぼせてしまうことが多かったからだ。
そうならないために少々ぬるくなったお風呂に浸かってみることにした。念のために母に一番風呂を譲る。
母が出てきたら、いざ試合開始となる。
「いいお湯だったわよ」
心の中でカーン!と何かの鐘が鳴り響いた。
お湯の熱さに果たして私は耐えられるのか。
ぬくぬくぬくぬく。
おかしいな、何分でも入っていたくなる。
気付くと10分くらい湯船につかる自分がいた。
お風呂に30分以上入って読書をしたり音楽を聴いたりする人がいることは知っていたけど、その気持ちがわかった。実際やりたくなった。
Bluetoothスピーカー置いたりする人がいるって聞いたことあるし。
肩こりが安らぐとかそんな目的じゃなくてももっと温まっていたい。もしかしてここって天国じゃない?これから趣味の欄にお風呂って書こうかな。
そんなくだらないことを考える。
出てから時計を見てみると、なんと入ってから30分経過していた。
お風呂って怖い。見るはずだった番組始まってるんだけど。まああとでTver見ればいいから別にいいんだけどさ…。
ある日スキンケアをしながら考えてみる。
きっと私が今まで湯船に長い間浸かっているとのぼせてしまうと思っていたのは子供の頃にそうだったからっていう理由からだったんだろうなと。
だけど私はもう大人だし、こんな贅沢な時間を知ってしまった。
ふふ。
調べてみると、入浴後から2時間程度が安眠するのにちょうどいい時間らしい。脳がのぼせてしまったような状態なので冷ましてから寝た方がいいからとのことだった。なるほど。
冷凍庫からちゃちゃっとチョコモナカジャンボを拝借。
あったかい部屋でのアイスっていいよね。これ絶対あとで母に怒られるパターンだけど、まあ今日は自分を甘やかす日ってことで。
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