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アストラゼネカ公費化で3回打つことはあるのだろうか

アストラゼネカの注射が公費つまり無料で受けられるようになります。

現在受けられる2社との大きな違いはウイルスベクターワクチンであるということ。

本剤はウイルスベクターワクチンであり、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)のアミノ酸配列をコードする遺伝子をサルアデノウイルス(風邪のウイルスであるアデノウイルスに、増殖できないよう処理が施されています。)に組み込んだ製剤です。本剤接種により遺伝子がヒトの細胞内に取り込まれると、この遺伝子を基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_astrazeneca.html

現行2社mRNAとの違いとしてはっきりウイルスを媒介にして遺伝子情報を体の中に送り込んじゃってますが、増殖しない処理(そんなことできるんですね)が施されているため、結果的にベクター(輸送)するという意味ではmRNAのm、messengerと構造がかなり似ている。

以前も触れましたが、もともと初期からアストラゼネカを2回打って精度を強化する考え方はあったらしい。3回目は最近の考え方なのでよくわからない。

一般に、1回の接種でウイルスベクターに対する抗体ができるため、2回目の接種は難しいと考えられているが、オックスフォード大とアストラゼネカは第1相・第2相臨床試験で同じベクターでの2回投与についても評価している。

選択肢

これにより人々の選択肢はファイザー、

モデルナ、

アストラゼネカ

と広がることになりました。供給が行き届くといいですね。

ただアストラゼネカ製は壮年以降が対象年齢です。39歳以下は多分受ける方法がないことに注意すべきでしょう。

ファイザー、モデルナ(21/8/3~)は12歳から受けられる。

他ジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンが有名ですが、大金を支払って海外接種ツアーでも利用しなければ打てないものであると前回わかりました。といいますかジョンソン・エンド・ジョンソンがあてがわれることがあるんですね海外ツアーというものは。

出揃った海外全ワクチン提供社

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表は有識者会議に掲載されているものを見やすく加工したもの。

https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/6522

多分他社製と大きく異なる特殊性「一回打てばいい」も何らか人々の初動に影響を及ぼしている。前回も少し触れましたが海外を行き来するような実業屋さんにとっては工数が少ないイコールうっとうしくない。

その効力(後述)に対する信頼性はともあれ、「必要な金銭を供出して、必要な日時に旅客機に乗り、現地その他で隔離待機を受ければ、接種が手に入る」という確実性が買われた。

他社製は例外なく2回打つものである中、その特殊性がまったく注目されていないといえば嘘になってしまうかも知れない。

今回、あまり関係のないジョンソン・エンド・ジョンソン製についての講釈が増えてしまいました。

表に戻りましょう。

ご覧の通り2回摂取するファイザー、モデルナに90%以上の有効性という優位性がありますがアストラゼネカは2回打って76%という効力となっています。こちらをどう捉えるかは被接種者次第。

デルタやその他変異種について論じられる際、引き合いに出される企業はモデルナかファイザーですね。公費で摂取が済んだとされる高齢者・医療従事者、接種が着実に進んでいると思われるエッセンシャルワーカー、その他自治体高年齢層が摂取しているのはその2社だけだからでしょう。

「アストラゼネカ3回目」概念

「アストラゼネカ製の3回目接種」という概念について、あまり語られることは有りません。

ただ愛知県のお知らせ(見やすかったため引用させて頂いたものです)を見る限りではファイザー・モデルナとあまり変わりがない内容となっています。

https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/astrazeneca.html

掲載日:2021年8月19日更新
アストラゼネカ社ワクチンの接種を必要とする県民の方は、次のとおり接種を受けることができます。
<注意事項>
接種の予約受付は先着順ではありません。落ち着いて申込期間中にお申し込みください。
接種の予約申込みは、24時間申込み可能で便利なインターネットのご利用をおすすめします。
アストラゼネカ社ワクチンを接種した方は、2回目の接種でファイザー社ワクチンまたはモデルナ社ワクチンの接種ができません。

1 接種対象について
接種を希望する40歳以上の方
(特に必要がある場合(*)は、18歳以上の方も接種可能です。)
*特に必要がある場合の例示
ポリエチレングリコール(PEG)に対するアレルギー等で、mRNAワクチン(ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン)を接種できない場合
海外でアストラゼネカ社ワクチンを1回接種済みの場合
※ファイザー社、モデルナ社のワクチンを接種した方は対象外です。

2 接種回数と接種間隔について
 接種回数は2回です。1回目の接種後、4週間から12週間の間隔で2回目の接種を受けてください。
 (最大の効果を得るためには、8週以上の間隔をおいて接種することが望ましいとされています。)

もちろん自治体なんかに直接聞くべきではありますが、モデルナやファイザーと違って社をまたぐわけにはいかない。そもそもmRNAとベクターなので当たり前かもしれません。そもそも会社をまたぐなんて冒険をすべきではないと思いますが……

既に3回目接種が始まっているイスラエルのような例を参考にアストラゼネカの行き先が決まるのかもしれません。お読みくださりありがとうございました。


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