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飲食デリバリーが2種ある現実に気づかなかった

最近ONIGOとかが頑張っている(偉そうな文になってしまいましたがそんなつもりは)、みたいなことに気づいたのでそういうnoteを書いていましたが、スカイラークの創業者インタビューとかを読んでいたら食べ物関係の商売は厳しいなあと思わされたためまた書いています。ヘッダ画像をお借りしています。

例えばこれはインタビューの中で紹介されたんですけど、電子レンジの会社がいわゆるくそ頭いいレンジといいますか調理家電を造ったみたいな話です。

ヘルシオの売りの一つは、その食材ごとに最適化した調理プログラムをダウンロードすることで、買い替えなくても機能を「進化」させることができる点だ。ジャージー牛を使ったミートローフ、ハンバーグ用に調理プログラムを開発し、外食店を超える味を家庭の食卓に届けるという。税込み、送料別で1万6200円。300セット限定としている。

すごいところは、この製品(ヘルシオのことですね)はスマート家電なんで「人間がレシピ的なものを見ながらフライパンを振るう」みたいな原体験はもう必要とされてなくて、家電が料理方法をダウンロードして食い物を入れただけでそこら辺のレストラン程度では味わえない飯を出してくれる点にある。

門崎の千葉祐士代表は、「100万円以上する業務用に近い性能が、家庭で再現できるのはすごい」と驚く。

つまり外食は「EC」を使って「晴れの日の体験」を売るしかなくなってきた。面と向かって外食するととんでもない病気にかかる世の中になっちまったのもある。それまでは何かの記念日とか祝うべき日に人々はわざわざ「飯食い屋」にでかけ、自分で作りゃ安いのにその10倍ぐらいの金を払うことをステータスみたいにしていた。

ともあれ、ニューノーマルな外食産業を推進するためにここで登場するのはECと食卓をつなぐツールです。つまり配送者です。

それはいわゆるUberみたいなやくざな企業とか出前館では代替できないところが面白い。彼らは「完成した飯」を労働者に運ばせることしかできないからです。いま必要なのは「ヘルシオで理想的に調理されうる物体」だ。そんなものUberにこき使われている人々には(物理的に)運べません。どこで売ってるか知らないから。メーカーが直接届けるから。

ぼくはこれまで飲食デリバリーといえばUberみたいな殿様商売提供者にこき使われる痛々しい個人事業主の姿を思い浮かべていた(他業は雇用関係を持ちつつあるのでUber以外をあげつらうのはやめときます。

前述のONIGOも全社員雇用形態です)。

しかし一気に広がったデリバリーは、配達中の荷崩れや、時間経過による味の低下、何より割高な配達料というコストの上乗せが、顧客体験の足かせになっている。アパレルなどほかの小売業と同様に外食がECに向かうには、家庭で味を高める「ラストワンマイル」を埋めるツールが不足していた。

完成されたデリバリーを頼むのは、その人件費が上乗せされた金額を飯代に積まれてもぽんと出せる職種の人ばかりになってしまった。親二人子二人の家庭が毎日Uber使ってたらいつか破綻する。

いま外食産業がECと消費者をつなぐ一歩目を踏み出している。ぼくは以前、飲食デリバリーをゲーミフィケーションみたいにクリアできておもしろ~とか言ってたけど、副業でかつ運動のためにやってるんじゃなくて、主戦場としてやってる側は次々に依頼を受けねば死活問題になるから、ゲーム感覚と勝手に周りが形容してこようが、その方法で楽しまないとやってられない。

スカイラークの創業者も結局は飲食デリバリーについては触れなかった。このままでいることの可能性を感じられなかったのでしょう。

そこでぼくはUberみたいないい加減な顧客管理、ステークホルダー管理をする飲食デリバリーの人口が少しずつでもECとエンドユーザをつなぐサプライチェーンにシフトしていけばより健全な稼ぎができるんじゃないかと思っています。

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