アフターコロナは瞑想人口が急増する！？ティール組織からみるコロナ後の価値観の変化
起業家たちの間で話題になったらしい "ティール組織" という書籍をご存知でしょうか？
ビジネスマン向けの組織進化について書かれた書籍で、マズローの欲求5段階のような組織進化の5段階が語られています。
1段階 レッド型 個人による独裁支配（マフィア・ギャング）
2段階 アンバー型 ピラミッド型の権力構造（軍隊・宗教）
3段階 オレンジ型 成果主義による権力構造（ブラック企業）
4段階 グリーン型 多様性が容認された権力構造（ホワイト企業）
5段階 ティール型 権力構造のない目的実現のための共同体
この "ティール理論" の元になっているのが、ケン・ウィルバーのインテグラル理論です。インテグラル理論では人々の意識・価値観の進化を段階ごとに色分けしており、これを組織論に置き換えたのがティール理論とのこと。
（ティール組織についてはこちらのページがわかりやすいです）
前提の価値観が社会を作る
「自分の人生に意味を持たせてくれるような価値観をみんなが信じることによって社会がひとつにまとまる」。つまり人々はいつの時代も自分の人生が有意義であると信じられる価値観を共通して持っているのです。顕在的な部分では常識、潜在的な部分ではユングが提唱している集合的無意識がそれに当てはまるでしょうか。
原始から現代へ 価値観の進化
そんな人々の意識や価値観も年月を経て進化しています。例えば原始時代の人々は神は万物に宿るという "アニミズム" の価値観を持っていました。
それが中世になるとキリスト教、イスラム教、仏教など各地で宗教が絶対的なものとなりました。
そして近代では科学が発達し、科学万能主義（合理主義）へと価値観は移っていきます。ビジネスシーンでは、論理力や合理性が大事などと今でも語られることがありますが、これは科学万能主義の延長的価値観ですね。ティール理論でいうとオレンジ型がこれに当てはまるでしょう。
合理（オレンジ）から多様性（グリーン）へ
しかし60年代から西欧のインテリ層の間で多様性を認める相対主義という価値観が登場し始めます。これは真理はひとつではなく、生まれ育った環境や背景によって様々な真実があり、これを認めるという寛容な価値観のこと。
前回のアメリカ大統領選挙でヒラリーに投票した、ニューヨーク、カリフォルニアなどの都市圏の人々を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。G社をはじめとするシリコンバレーのIT企業で働くような人は、ほとんどが相対主義だと言われています。ウィルバーによるとこのような寛容な思想を持つ人はまだアメリカでは25%くらいだそう。
昨今は "ダイバーシティ" という言葉が様々なところで叫ばれ、LGBTへの理解や女性の活躍（これがダイバーシティに入るのは個人的には疑問ですが）などが社会的にも推進されています。ということは今我々の前提意識というのは、まだ実際にこの意識を持つ人々は25%だとしても、社会的には合理性のみを追求するオレンジから多様性を認めるグリーンに移行しているということです。
5段階目ティールとは "統合"
5段階目の進化系 "ティール" は英語で青緑という意味があるそうです。ケン・ウィルバーのいうティールは "統合" を指します。
統合とはどんな価値観なのかというと、これまでのレッドからグリーンまでの段階を全て丸っと含むもの。さらにこれらをTranscend（超越）するものだと語っています。
人類は新しいアングルを求めている
2015年頃、シリコンバレーでのZENブームが日本でも話題になりました。
起業家たちがこぞって瞑想していると。当時アメリカ出身の禅宗の僧侶に取材をする機会があり、なぜ彼らがこぞって瞑想するのかを聞いてみたのですが、彼らは目的を達成するためのツールとして禅を使用すると言っていたのがとても印象的でした。禅は目的達成のツールではなく、自己の本質に繋がる手段だとも。
数年前知り合いのグーグルXのエンジニアが山に篭って行方不明になってしまったことがありました。結局彼は見つかり日常に戻ったようですが、従来の思考法とは違う何かを探していたのでしょう。
話が少し外れましたが、ウィルバーによると統合のステージにいる人はアメリカの全体の人口で5%。10%に達した時にティッピングポイントを迎え、この価値観が世の中に浸透し、価値観の大変革が起こるそうです。
瞑想だけしていれば新しい価値観や意識に移行できるのか？と聞かれたら定かではありませんが、内に集中する流れを作ることができたらそれは容易に行われるでしょう。
今こそ他人に影響を受けず、自分に集中できる時。SNSをチェックする手をスマホから離して、瞑想をはじめてみてはいかがでしょうか。
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