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読書感想文 『秒速5センチメートル』新海誠


忘れられない恋をした事があるだろうか。
私にはある。
理科室の一番後ろ。
4人が並んで座る机、座る所が丸いパイプ椅子、プールの授業の後の化学の授業。
左利きの僕は、人がいるなら右側よりも左側の方が落ち着くというかしっくりくる。
そんな僕の左隣に彼女が座っていた。
まあ私と彼女は付き合っていなかったのだが。
秒速5センチメートル。
桜の花びらが落ちる速さ。雨が落ちる速さも秒速5センチメートル。雲は秒速1センチメートル。
ならば、
終わってしまった恋は秒速何センチメートルだろう。

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