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最新科学で読み解いた南無妙法蓮華経(2018/04/05)/ステファン丹沢【読書ノート】★★☆☆☆

南無妙法蓮華経のお題目を唱え、日蓮仏法を信じることで多くの功徳を得て、ピンチを乗り越える信者の不思議に驚かされた筆者は、量子力学、脳科学、AI、IT、成功哲学、宇宙科学などの最新科学で奇跡のメカニズムを分析し、その正しさの証明を試みます。近年、仏教をはじめとする東洋哲学が科学者たちの熱い視線を集めています。仏教の世界観と、最先端科学の世界観が、多くの一致点を持つことに驚かされます。

本書を読もうと思ったきっかけは、読書のすすめ:清水克衛さんのYouTube動画を拝見したからです。この動画では三冊セットをおすすめしています。

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  1. 神の数学:この本は、宇宙の秩序や人間の存在に関する深い洞察を提供し、現代人が忘れがちな「主観的な箱」と「客観的な箱」のバランスについて語っています。著者は、現代人が客観的な箱に過度に依存していると指摘し、心の開放と拡大の重要性を強調しています。

  2. 最新科学で読み解いた仏教の教え & 南無妙法蓮華経:これらの本は、仏教の教えを最新の科学、特に量子力学の観点から解釈しています。これにより、仏教の教えが現代科学とどのように関連しているかを示し、より深い理解を促進します。

  3. たわごとレジデンス:この小説は、老人介護施設が併設された高級マンションでの人間関係を描いています。登場人物たちは、物質的なものに囚われ、苦しんでいる様子が描かれ、心の解放というテーマを探求しています。

これらの本がどのようにして読者の心を解放し、新しい視点を提供するかについて詳しく語られています。また、読者がこれらの本を通じて、自分自身や世界に対する新たな理解を深めることができると強調されています。

自己をはこびて、万法を修証するを、迷とす。万法すすみて、自己を修証するは、さとりなり。迷を大悟するは、諸仏なり。悟りに大迷なるは衆生なり。[正法眼蔵・道元禅師]

第一文「自己をはこびて、万法を修証するを、迷とす」は、自己中心的な視点で全ての法(事象や現象)を理解しようとすることを迷い(無明)と表しています。つまり、自分自身を優先し、物事を自分の視点や利益だけで見ることが迷いであると言っています。
第二文「万法すすみて、自己を修証するは、さとりなり」は、逆に、万法、つまりすべての現象や事象が進行する中で自分自身を理解・証明することが悟りであると述べています。この場合の「悟り」とは、自己と世界が一体であるという深い理解や覚醒の状態を指します。
第三文「迷を大悟するは、諸仏なり」は、迷い(無明)を深く悟る(理解する)ことが、諸仏(すべての仏)の特徴であると説明しています。仏であるとは、迷いや無明の深い理解と、それを超える悟りを持つことを意味します。
第四文「悟りに大迷なるは衆生なり」は、悟りに至る過程で大きな迷い(無明)を経験するのが、衆生(すべての生きとし生けるもの)の特徴であると述べています。人々は悟りに向かう道の中で迷いや無明に直面するが、それが成長や覚醒への道であることを示唆しています。この文章全体は、自己と宇宙(万法)との関係を深く理解し、迷いを超えて悟りに至る過程を説いているのです。

本書を理解するうえでの主要用語

万法一如(まんぼういいちにょ)

すべてのものは本来その本性が空であって、帰するところは一体である。
「万法」は「あらゆる現象」と訳され、「諸法」とも呼ばれます。
「一如」は「真実で永遠不変である真如のことで、真如の理が唯一絶対で平等であること」という意味です。
「万法一如」と似た言葉に「万法帰一(まんぼうきいつ)」があります。「万法帰一」は「一切の存在は因縁によりて生ずる自然の理法であり、一とは万物の根源であり、大宇宙のすべてのものは一から生じ、一に帰する」という意味です。
「万法」とは「すべての法」、つまりこの宇宙に存在するすべての事象や現象を指し、「一如」とは「本質的に一つであること」、または「根本的に同じであること」を意味します。
この概念は、表面的には異なって見える事物や現象も、その本質ではすべて繋がっていて区別がない、すなわち「一切の存在は根源的には一つであり分離されていない」という仏教の教えを表しています。これは、個別の現象に捉われず、より広い視点から物事を見ることの重要性を説いており、一切合切は互いに依存しあい、相互に関連しているという宇宙観を示しています。
この考えは、個々の存在や現象を超えたところにある究極的な真実や現実、すなわち仏教で言う「空」(くう)の理解につながるものであり、個々の存在や現象はそれ自体で独立したものではなく、すべてが相互に関連し合って成立しているという見方を強調しています。

遍計所執性(へんげしょしゅうしょう)

唯識学派の用語で、言葉で考えられ執着されたものを指します。心の外に実体としてあると考えられたもの、実体としてあると考えられた自己ともの(実我実法)などを意味します。
遍計所執性は、三性(さんしょう)の1つです。三性は、すべての存在の本性や状態のあり方を有、無、仮、実という点から3種類に分けて説いたものです。他の2つは、依他起性(えたきしょう)と円成実性(えんじょうじっしょう)です。
遍計所執性は、虚妄分別によってみられる世界が仮に実体があるかのように構想されたものでしかないことを意味します。誤った表象をうみだす虚妄分別は、根源的な無知あるいは過去の業の力によって形成されたものです。
人間が持つ一般的な認識や認識の性質を指し、特に、個別の事物や現象を断片的に、区別して捉える心の働きや誤った認識の性質を示します。

「遍計」とは「すべてにわたって計る」、つまり、現象世界を区切り分けて認識すること、「所執」は「そこに執着する」、つまり、そのような区切られた認識に固執することを意味します。「性」は、この場合、そのような認識や固執が持つ性質や特徴を指します。この概念は、私たちが日常経験する世界を、個別の独立した事物として捉え、それぞれに固有の実体があるかのように思い込んでしまう心の働きを指摘しています。しかし、仏教では、このような認識は実際には誤りであり、すべての事物は相互に依存し合って存在し、独立した実体はない(空性)と教えます。
したがって、「遍計所執性」という概念は、私たちが通常持っている認識の限界を指摘し、真実の理解に至るためにはこのような誤った認識を超える必要があることを示唆しています。これは、仏教が教える「縁起」の理解や「空」の悟りにつながる重要な教えの一つです。

唯識所変

「唯識所変」とは、意識の働きによって生じる現象や認識の変化を指す、唯識学の重要な概念です。この学派は、外界に独立した実体が存在するという通常の見方を否定し、すべての現象が意識の作用によって生じるとします。つまり、外部にあると思われる事物や現象は実際には私たちの意識によって生み出されたものであり、外部に独立した実体は存在しないと考えられています。
この理解に基づき、「唯識所変」は私たちが経験する現象世界が意識内の変容や変化によって生じることを表し、私たちが感じる感覚や認識、思考などはすべて意識の作用によるものとされます。これにより、現実の本質が主観的な意識の活動によって成立するという視点が示されています。
唯識思想は、インド仏教の大乗思想に属し、すべての存在は心の働きで表される仮の存在にすぎないとする唯心論です。心は認識の対象をすべて変現し、「心」は「能変の心」と呼ばれ、対象認識は能変の心によって変現された「所変の境」とされます。この学派では、心の外に事物的存在はなく、人々はそれぞれの心が生み出した世界を認識しているとされます。
唯識思想は5世紀ごろに弥勒菩薩に始まり、阿僧伽菩薩・伐蘇畔度菩薩によって大成されたものです。

ブーツストラップ理論

ブーツストラップ理論は、粒子物理学の分野における理論の一つで、全ての素粒子は相互に関連しており、個々の粒子の性質が他の粒子の性質によって決定されるという考え方です。この理論は、素粒子が独立して存在するのではなく、ある種の「自己整合的なネットワーク」の一部として存在すると考えます。
この理論の名称は、アメリカの俗話に由来する「自分のブーツストラップ(ブーツの引き手)を引っ張って自分自身を持ち上げる」という表現からきています。これは、粒子が相互に依存しており、独立した基本的な構成要素が存在しないことを暗示しています。
ブーツストラップ理論は、1960年代に素粒子物理学における理論モデルとして提案されました。特に強い相互作用を持つ粒子(ハドロン)の理解において重要な役割を果たしました。しかし、後に量子色力学(QCD)という理論が強い相互作用を説明するより効果的なフレームワークとして受け入れられたため、ブーツストラップ理論は主流の理論からは外れることとなりました。それでも、ブーツストラップ理論は素粒子の性質を理解する上での重要な考え方を提供し、物理学において様々な洞察を与えました。また、現代の弦理論など他の理論的枠組みに影響を与え続けています。


この理論は、カリフォルニア大学バークレー校のジェフリー・チュー教授によって提唱され、彼は自身の理論が仏教の『華厳経』が説く宇宙モデルと深い共通点を持つことに驚愕しました。
例えば、一休和尚は「宇宙は蝸牛のようなもので、人間はその中に住んでいる。その人間の耳の中にも同じような蝸牛がおり、さらにその外側にも同じような蝸牛がいる」と説明しました。このように、宇宙と人間の関係を説く一休和尚の見解は、科学が進歩する前から宇宙論を深く考察していたことを示しています。仏教の真理が宇宙の真理と繋がり、悟りを開くことは宇宙の真理に触れることなのかもしれません。
チューの「ブーツストラップ理論」は、宇宙を部品の集合体としてではなく、相互依存するダイナミックな織物として捉えるものです。これは「部分が全体であり、全体が部分である」というホログラフィーの性質の異なる表現です。彼のチームは、特殊な数学を用いて、クオークという概念なしに最新の実験結果を説明する理論を構築しました。
驚くべきことに、チューは自分の理論と『華厳経』が同じ概念であることを知り、最初の狼狽や当惑が畏怖の念に変わりました。しかし、この理論は後にクオークの発見によって廃れてしまいました。


はじめに

第1章:最新科学が発見した東洋哲学のすごさ

量子力学の登場で西洋哲学が王座から陥落

第2章:最新心理学が日蓮仏法を証明する

なぜ日蓮仏法信者には奇跡が起こるのか?
知らぬ間に人間を操る潜在意識
人類共通の集合的無意識とは

深層意識の向こうに広がる大宇宙

八識の奥にはさらに深い無意識である九識が眠っています。
心の最深部に存する九識は阿摩羅識と呼ばれる最高の無意識で、阿摩羅の「穢れがない」という意味から無垢識とも呼ばれます。仏界に到達した者のみが悟れる最高の仏の境地(仏識)とされているのです。
この九識について日蓮大聖人は「このご本尊まったくよそに求むることなかれ、ただわれら生の法華経を持ちて南無妙法蓮華経と唱うる胸中の肉弾におわしますなり。これを九識心王真姫の都とは申すなり」(このご本尊をけっしてよそに求めてはならぬ。ただわれら衆生が法華経を持って南無妙法蓮華経と唱える胸の中の肉におわすのだ。これを九識の心王の都という)と仰せで、九識こそ心の八つの働きの礎となる心の王だとして、九識を現すことで八識も浄化されるとされています。
古代インドのヴェーダ哲学では、この宇宙のどこかに「アカシックレコード」と呼ばれる全宇宙の記録が存在しているとされます。そこには過去、現在、未来の全人類の記録をはじめ、時空を超えたすべての記録が保存されていて、この記録と九識はつながっていると言われます。
予知夢は未来を含む宇宙の記録とつながるこの九識からのメッセージであり宇宙は九識を通じてわたしたちに進むべき道を示し、真理を実現してくれるのです。

潜在意識による病気治癒の科学的メカニズム

最新心理学の真髄に迫る仏教の教え
では、そんな九識の正体はなんなのでしょうか?
九識について日蓮大聖人は「九識法性」と仰せです。法性とは万物の本質という意味で、九識は生命の本質である仏の働きだと教えてくださったのです。さらに、大聖人は「妙法蓮華経は九識なり」とも仰せで、九識の正体は本仏(妙法蓮華経)であり南無妙法蓮華経を唱題することで呼び起こすことができるとされます。
ユングが「実相はすべてを動かす神のパワーを宿す」と述べるとおり、宇宙の実相である本尊は日蓮仏法信者が引き起こす奇跡の源です。ですから、奇跡を起こすためには九識を呼び覚ますお題目(南無妙法蓮華経)を唱えることが重要なのです。

お題目が潜在意識を動かす
信ずれば病が治る驚きの効果
日蓮仏法信者に救世主が現れる理由は?

第3章:最先端の量子力学で日蓮仏法の奇跡を証明

日蓮大聖人の「雨乞いの奇跡」とは
世界を驚かせた相対性理論の登場
「そんなはずはない!」科学者たちは叫んだ
素粒子の世界はまったく不確かな世界:
人間が観測すると粒子が現れる
仏教の教えは観測者効果と一致
懐疑論者の想念が超能力発揮を邪魔する
最新宇宙論も仏教の教えと酷似
まずは場(縁)ありき
宇宙のすべてがつながる量子もつれ
一念三千は重ね合わせ理論だ
十如是は量子力学で証明できる
南無妙法蓮華経がすべてを創り出す

第4章:南無妙法蓮華経は宇宙の波動と科学が証明

すべての存在は波動からなる
万物は極微のひもの振動である
心も波動、ほかの波動の影響を受ける
音のテンポが速いほど昂揚感が上昇
地球生物は潮の満ち引きが生活リズム
初めの音「あ」音は宇宙の音

第5章:大曼荼羅御本尊は最新宇宙論

ご本尊には深層心理学的意味が
宇宙とその法を表わす大曼荼羅御本尊
ご本尊はビッグバンを表わしていた

第6章:日蓮仏法による最先端心理改善術

なぜ日蓮仏法信者は幸せになれるのか?
「不幸は宿命だ」と諦める必要はない
お題目の法力が宿命の鎖を絶つ
催眠状態で悪業の記憶を書き換える
宇宙と対立する個としての人間
潜在意識の中にも宇宙がある
十界互具も宇宙科学そのもの
唱題で意識が催眠状態に変わる
境涯を変えれば世界が変わる
認知の歪みが境涯を低くする
物事の捉え方によって感じ方が変わる
第三の心理学も境涯変革を実証
グループ法で認知の歪みを書き換え

第7章:大脳生理学から見た南無妙法蓮華経のメカニズム

南無妙法蓮華経を唱えると、やる気が出るのはなぜ
やる気を生み出す脳のメカニズム
脳がやる気ホルモンを分泌
究極のストレス解消物質エンドルフィン
聖なる神経はあの世に通じる
達成感がドーパミンを分泌させる
すべては脳の作った幻覚だった
この世は心の現れに過ぎない
ハーバードが瞑想効果を科学的に実証

第8章:AIもITも仏教の教えそのまま

人工知能の父は仏教の教えに学んでいた
AIのメカニズムの基本は仏教だった
AIの回路は脳の構造を真似た
ニューラルネットワークは仏教の教え
AIが自分自身で学ぶ機械学習
仏教の心理分析に学んだAIの設計
インターネットも仏教の教えそのまま

第9章:量子力学が証明した前世と死後の世界の存在

極小の宇宙が無から突然生まれた
仏教にトンネル効果が述べられている
前世があることを科学的に証明できるか?
人間の存在が宇宙を創っていた
この世界の背後に彼岸が存在する
死んだ脳がなにかと交信していた
意識の量子情報が破壊されないまま宇宙に
可能性の数だけ世界が存在する多世界解釈
「もう一人のあなた」が存在する宇宙
久遠実成はパラレルワールドだった
生まれ変わりを科学的に証明
来世を科学的に証明できるか
臨死体験者のほとんどが共通の体験を
驚くほど共通する臨死体験のビジョ
臨死体験は量子力学的に説明できる

第10章:日蓮仏法は至高の成功哲学

成功哲学の創始者ナポレオンヒル
心で思ったことはかならず叶う
成功哲学が日蓮仏法の教えの正しさを証明
マーフィーの成功法則はこうして誕生
思いを実現させる潜在意識の法則
プラスを考えればすべてがプラスに
日蓮仏法信者は究極のポジティブ思考


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