見出し画像

コモエスタ浅はか/承認欲求が低いぼくちゃんの自己肯定感が高すぎる脳内妄想シリーズ(3)【セイスケくんのエッセイ】

穴掘るときもコンクリかっぱぐときも飯場でメシ喰ってるときも…
いつも何か考えごとをしている建設現場作業員の脳内妄想日記。

難しい言葉を多く使うやつ、実は自分でもよくわかってない件

「親方、ツイッターで、こんなん見かけました」

水の深さを知られたくなければ、水を濁らせるのが一番簡単。
思想の浅さを知られたくなければ、難解な表現を多用すれば良い。

「親方、僕このツイッター読んでてすごい腹が立ったんです。
どこかの有名な先生が言ってたらしいんですけど、それを引用してバズったらしいです。へぇ~、衆生がわれもわれもと共感する内容ってどんなもんなのかな?と思ってよくよく読んでみたんですけど、僕にはちっとも伝わってきませんでした。パッと見、ざっと読んで、なんとな~く善きこと言ってる、みたいな内容に思えるんですけど……
要約すると、『自分が浅はかだと自覚してる人はむつかしげな言葉を使えば浅はかさをごまかすことができるよ(ニヤリ)』っていう皮肉なんですよね。

有名な先生だからって人格者とは限らないし、有名な先生だからって名言メーカーと限らないのはわかっているんですけど、この先生、ちょっと根性が悪いなと思いました。
それに、有名な先生がおっしゃってた…ということなんですけど、具体に先生のお名前をあげていないことにも不信感があります。
そんな有名な先生じゃないけど有名なことにしておこう、ってことかもしれないし、ツイート主が思いついた言葉かもしれないし……

まあ、そんなことは特に問題にはしてないんですけど、この名言風の言葉自体に、またこの言葉を生んだ主体に対して、なんだか怪しさを感じるんです。
一見、名言らしいこの言葉に、なんで腹が立つのか僕の拙い言葉では説明できないんですけど、なんか、共感できない、っていうか、同意したくないです。
俺は、スペシャル・特別・オンリーワン・俺カッコいい~、俺ってアタマいい~って思っているように見えます。
親方、どう思います?」

「お、セイスケ。いいとこに毛が生えたな、あいや!気がついたなぁ。
てか、セイスケ、おまい、いっつも考えごとしてんだな。
どこの誰だがわかんねぇやつの戯言なんぞにいちいち反応してたら気が休まる時ねぇだろ。ったくよぉ(苦笑)

ツイッターの投稿ってのを”つぶやき”っていうみてぇだけど、”呟き”って独り言のことだぜ?
つぶやきってのは、『やりてぇ~』とか『ケツの穴かいい~』とか、他人さまに聞いてもらわなくたってどうでもいいようなもんだよな?

ツイッターの投稿って、どうでもいいよな独り言じゃなくって、まあなかにはモロ独り言っていうか、意味不明のこと書いてるやつもいるけどよ、大概のやつはバズりたいって野望で目ぇ血走らせて必死こいてるんだぜ?

だから、ツイッター上に挙げられた言葉ってのは、強烈な承認欲求と願望欲望うずまく生々しい人間から産み落とされたものなんだから、そんな煩悩むき出しでひねり出された生臭い言葉っていうのは、セイスケみてぇなピュアなモンにとっちゃぁ、くさくてたまんねぇんだよ。
”類は友を呼ぶ”おんなじ承認欲求の強い大衆が、こういった言葉に共感しっちまうんだよ。

あう!いっけん名言風の言葉をどう思うか?だったな。

水の深さを知られたくなければ、水を濁らせるのが一番簡単。
思想の浅さを知られたくなければ、難解な表現を多用すれば良い。

おし、この言葉、ブンセキしてみっか。
まずな、この文章、たしかにセイスケがいうように皮肉になってるよな。
素直にこれを実践するってぇと、てめえの浅はかさを隠すことができる、ってわけだ。
ま、こんなしゃらくせえこと実践しようとするやつはまさかいねぇだろが、この文章を作った先生は、たしかに根性がまがってるな。オイラの足元にも及ばないけどよ。

浅はかな、つまり先生からバカに見える奴らのことだ。
先生からみて、ノータリンなやつらのことを皮肉っているだけで、先生みてえにアタマがいい人になるための秘訣は教えてないよな?

先生は、ただたんに、愚かなやつらをディスりたいだけで、それって裏を返せば『自分はアタマがいい』と言ってるようなもんなんだ。うん、セイスケの言うとおりだ。
こんな、言葉を吐けるのは、自分の思想が深いと自認しているからこそだよな?

じゃあこの先生が、こ難しい理屈をこねくりまわしているような哲学を難しい言葉を使わないで、小中学生にもわか~りやすく表現できるんか?
っていったら、それはわかんねえよ?
だって、その思想が論理破綻してるかも知んねぇんだぜ?
それをわかりやすく説明しろったって当人がわかってねぇんだから、表現できねぇっつうの!(笑)

それよりも、この先生の思考の前提自体がおかしいっての。
ハナッから誤解しているのは、”浅はかさを知られたくないから”難しい言葉を多用してる……んじゃねぇんだ。
もともと浅はか、つまりバカだから難しい言葉しか使えねぇんだよ
で、その多用する難解な言葉も、自分ではホントはわかってねぇんだよ。
こういうのを、土建屋の世界じゃ『利口バカ』ってんだよ。
セイスケは利口だけど、こいつらみたいにバカになるなよ?な?

ところで、オイラが尊敬する赤塚不二夫先生は、こんなことを言ってたぜ?

アタマのいいやつはわかりやすく話す。
アタマの悪いやつほど難しく話す。

こういうのをホントの名言っつうんだよ。
な?赤塚先生は、アタマが良くなる方法をおせーてんだよ。
これなら、自分の浅はかさとか劣等感を隠すために難しいことばかり語ろうとするやつも反省するんじゃねぇか?
ハッ!と気づく。
で、小中学生にもわかるように表現するにはどうしたらいいかって考えて、言葉の使い方表現方法をいろいろ勉強するようになんだよ。

セイスケ。世の中にゃ、有名じゃないけど、立派な考えをもって立派に生きて、これぞ箴言!金言・格言!ちうもんを残している人がいるんだぜ?

バカは恐いものだけれど、ただのバカならまだよい。
何が恐いといって、学問のあるバカほど恐いものはない。

それが浅はか、浅はか~ デルコラソン♪

#セイスケくんのエッセイ #エッセイ #創作大賞2024 #エッセイ部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?