相性ピッタリ!
考え込む男性社員。
女性社員が話しかける。
「プロディーサー」
「ん?どうした?」
「今度の牛丼屋の夏CMのタレントは、
本当にあれで行くんですか?」
「何か不満か?」
「まあ…
正直、私もあまり賛成ではないです。
けど悪くはないとも思ってます。
ただスタッフの中には、
人気取りを狙い過ぎという意見も…」
「あのタレント二人の起用は、
私がずっと前から温めていた案なんだ」
「それはお聞きしました。
構想2年がかりだとも」
「大丈夫だ。
私の考えでは必ず上手くいく」
「私もプロディーサーの手腕を、
疑ってはいないんです。
これまでも同様のケースがありましたが、
あなたは逆境を跳ね除け実績を出し…
周囲を黙らせてきた…
その力は…信用してるんです。
でも今回は…
大人気のお二人の起用で、
高額の出演料も問題ですし、
あまりにもそのお二人のキャラクターが、
真逆というか…
水と油というか…
ミスマッチのような気がするのですが…」
「誰がそんなこと言ってるんだ?」
「ほぼ全員がそう言ってまして…。
実は私もそう思ってます。
すいません」
「謝ることはないよ。
私も…だから2年も費やしたんだ。
最高傑作を世に出すために」
「でも…
やはり…米津玄師さんと
なかやまきんに君さんは、
合わないと思うんです、私!」
「そうか?
私はこんなピッタリな二人はいないと、
確信してるんだがね」
「どうしてですか?」
「わからないのか?」
「わからないです。
どうしてそんなに、
お二人に拘るんですか!」
「それは当然。
やっぱり…肉には米だろ。
な!」
「あなたを信じた自分が、
恥ずかしくってしょうがねえ!」
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