風の映画
【レポーター】
「私は今、
ついに封切られた問題作、
【羅生門2】の上映館前に来ております。
メディアやSNSで論争が
巻き起こったこの作品。
AIが初監督した作品にして、
巨匠 黒澤明監督風の動きやカメラワークも
取り入れた自信作との触れ込みことです。
果たして、実際はどうなのでしょう?
今、鑑賞したきたというお客さんに、
感想を聞いてみたいと思います。
すいません。NT8です。
羅生門2鑑賞されてみてどうでしたか?」
【観客1】
「素晴らしかったです。
黒澤監督が撮りそうなアングルや、
臨場感ある長回しの展開なんかも、
監督の最新作が観れたみたいで、
ファンとしてはすごく嬉しいです!」
【観客2】
「これは酷いね。
試しに観に来たんだけど、
監督ならこんな作品は世に出しませんよ。
映像の監督っぽさばっかり追い求めて、
細部への拘りや骨太なストーリーとか、
全く真似できてないよ、これ!
話がほんと、つまんない。
駄作中の駄作!
あと俳優も駄目!」
【観客3】
「う~ん、何て言ったらいいんでしょう。
観ていて思ったのは、
この作品を本当に観ていて、
いいのかしらって気持ちですね。
もう亡くなられた方の作品に似たものを
観ているという違和感というか…
罪悪感なんですかねぇ。
出演されてる俳優さん、
三船敏郎さんや仲代達矢さんも、
よく似てましたけど、
ちょっと演技が気になりました。
あんな感じではなかったなあ
という程度のことですけど」
【レポーター】
「鑑賞者にも様々な意見があるようです。
オールAIによる話題作【羅生門2】は、
今月末まで全国300館以上の劇場で
上映中です。
現場からは以上です」
【司会者】
「はい、ありがとうございました。
みなさん、反応様々でしたね」
【コメンテーター】
「まあ、OpenAIが世に出て、
こんなことになるとは想像してましたが、
どうなんでしょうね…。
人が作ったものが作品なのか?
AIが作ったものは何なのか?
今回の問題はAIが作ったものを、
黒澤明監督に似せて作ったという、
宣伝戦略ですね。
これがかなり物議を醸し出しましたね。
監督の名前を出さなければ、
これほどまでの論争には、
ならなかったと思います」
「でも、名前を出さなくても、
ファンの方は騒いでたんじゃないですか?
パクリだとか模造とか言いますよね?」
「それはあったかもしれませんね」
「どうなんでしょうね、これ。
今後もこの会社は、
【千と千尋の神隠し2】
【僕の名は。】
【シン・メカゴジラ】
と次々と作品発表してますけど、
これはまた揉めるんじゃないですか?」
「間違いないでしょうね。
他の作品だったら、
こんな騒動にはならなかったと
思いますけど」
「他の作品とは?」
「セーラー服と機関銃ー入学ー」
「あ~」 「あ~」 「あ~」
「あと、デビルマン2ですね」
「ああ~」 「ああ~」 「ああ~」
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