雅なお時間 ~常識なのかしら?~
テラス。
シェードアンブレラの下に、
優雅な振る舞いの女性二人。
「西園寺さん」
「何です、十文字さん?」
「ご存知かしら?」
「何かしら?」
「世の中、常識の変化ご存知かしら?」
「それはどういうことかしら?」
「いいくに作ろうという語呂は古いの、
ご存知かしら?」
「歴史が変わるなんてあるのかしら?」
「今ではいいはこ作ろうが正解ですわ」
「それならば、
いいはこ作ろう佐川急便なのかしら?
それとも、
いいはこ作ろうアマゾンプライム?
……
何の話だったかしら?」
「なんでしたかしら?」
「なにかしら?」
「……」
「……」
「関ケ原の西軍総大将は、
毛利輝元様なのご存知かしら?」
「石田三成様ではないのかしら?
だとしても今更、
キャスト変更は無理じゃないかしら?
沖田総司様が美形ではないぐらい、
世間には広がらないのかしら?」
「それはどうかしら?」
「どうなのかしら?」
「……」
「……」
「採れたてのサラダのお味はどうかしら?」
「とても美味しゅうございます。
特にわたくしプチトマトが大好きですの」
「西園寺さん。
プチトマトは今ではない品種ですわ。
現在はミニトマトと言いますのよ。
オ~ホッホ~」
「十文字さん!
あなた、わたくしをーー!!」
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