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診断名は本当にこれでいいの?モヤモヤした気持ちを解消するための二つの手段



適応障害が治らない方、診断名に疑問を感じている方へ



こんにちは。

名古屋で社会保障制度の調査代行をしている社会福祉士の稲山です。

好きな言葉は「言い返すより謝る方がカッコいい」です。




適応障害という病気


職場の人間関係に悩み、体調を崩し、退職を余儀なくされる・・こうした方は非常に多いです。弊所がこうした方に初めに提案をすることは受診(診療内科もしくは精神科)です。心身ともに健康になることから「次」が始まります。

受診をすると診断名がつきますが、ほとんどの方は「適応障害(もしくはうつ状態)」ではないでしょうか。適応障害とは以下のような状態を言い、特に「原因が明確」である、という点が重要です。今回の内容で言えば、原因は「職場の人間関係」です。


適応障害

日常生活の中で、何かのストレスが原因となって心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じたもの。原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態をいう。

e-ヘルスネット 厚生労働省




本当に適応障害?


適応障害と診断された方々を二つのグループに分けた場合、「治った人」「治っていない人」に分けられます。さらに「治っていない人」を分けると、「適応障害の治療が長引いている人」と「病名が適応障害ではなかった人」に分けられます。今回の記事は「病名が適応障害ではなかった人」に読んでほしい内容です。

引用文にあるように「原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態」が適応障害であれば、職場の人間関係に悩みそれが原因で心身の不調をきたした場合、適応障害という診断名がつくことはごく自然なことです。

しかし、原因が解消された(休職や退職によって職場の人間関係から離れた)にもかかわらず病状が変わらなければ、適応障害という診断名が疑わしくなります。

診断名が違うと治療方法も違ってくるため病気は治りません。制度やサービスの面から言えば、診断名によって使える制度やサービスに「違い」や「差」があります。詳細は割愛しますが、例えば以下のようなものが挙げられます。

・失業保険の所定給付日数

・給付を受けた場合の再就職手当

・国民健康保険の減免制度etc

治療を進めていく中で、病状に伴い治療方法や診断名が変わることは自然なことです。




本当の診断名を手に入れる、第一の手段


診断名が違っていることで困るのは患者です。適応障害と診断され療養を続けたにもかかわらず病状が改善されない場合、「自分の病気は本当に適応障害なのか」という心のモヤモヤは、どのように解消すればよいのでしょう。

弊所が行ってきた相談支援の経験から地味だけど有効だった二つの手段をお伝えします。

第一の手段は「(自分の病気は本当に適応障害なのか)医師に確認する」です。どこまでいっても地味で当たり前のことですが、多くの方が行っていません。

医師に確認をするタイミングの一つとしては、傷病手当金を受給している方であれば受給期間が終わる頃(最大受給期間は18ヶ月)。


例えばこんなふうに聞いてみてはいかがでしょうか。

「最初に適応障害と診断されて治療を続けてきました。これからも通院をして治療を続けていきたいと思っています。職場の人間関係から離れて時間は経っていますが病気はまだ治っていません。病名は今現在も適応障害ですか?」


経験上、こうした確認は医師に効きます(診断名を変える必要があるのではないか、ということを医師に考えてもらうきっかけになる)。

この手段でほとんどの方が気持ちの整理をつけられています。現在の診断名が本当に合っているのか、ということを医師がきちんと考えた上で、それでも「適応障害」という診断がつくのであれば、患者としても納得ができるのではないのでしょうか。




本当の診断名を手に入れる、第二の手段


第二の手段は「セカンドオピニオン」です。診断は医師が行います。患者が医師の診断に対して「おかしい」という声を上げたとしても、その声を聴くか聞かないかを決めるのは医師です。そうした医師の考えに納得ができない場合は、別の病院を受診することをお勧めします。

患者としてのストレスは、医師が患者の病状に合わせて診断名を変える必要性を感じていないこと、医師の言われるまま患者として何のアクションも起こさないことです。




さいごに


治療方法や診断名に疑問を感じた時は

第一の手段「医師に確認する」

第二の手段「セカンドオピニオン」です。

いずれの手段も多くの方が知ってはいるけど、やってはいません。相談者の精神科及び診療内科の診察に約200回ほど立ち会った弊所の経験から、有効であると感じている二つの手段です。ぜひ参考にしてみてください。



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