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小説に近いもの

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書いたもののうち、小説だと思うもの
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#BL

素面-11(小説)

 酒器を傾けた指に震えが走る。汗ばんだ手を気取られる前に拭う。いっそ取り落としたら、設え…

素面-10(小説)

 綾下と行くといつも飯が美味くて、と斉藤は笑う。  いつも、美味い飯と美味い酒を用意して…

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素面-09(小説)

 斉藤はアジフライが届くのを待っている。ジュワジュワと油の音の立つ調理場の方をちらりと見…

素面-08(小説)

 いつの間にやら刺身の盛り合わせは、きっちり一切れずつを残して斉藤の中へ消えている。自分…

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素面-07(小説)

 いいかげん潮時だろう、と一度は思ったのだ。  職場での綾下はチームひとつ任せられる年齢…

素面-06(小説)

 そこへ注文の熱燗とモツ煮が届く。朗らかな店主の声にほっとしてから、綾下は自分が緊張と苛…

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素面-05(小説)

 それ見ろ図星だ。溜め息を吐きたいのはこっちだ。綾下は苦々しい何かが出掛かった喉へ、ぐいとビールを流し込んで耐えた。傍らのメニュー表を取り上げて眺める間、斉藤はだって、とか、でも、とかぐずぐず言っている。綾下は座敷のふすまからひょいと顔を出し、熱燗を二合注文した。追加でモツ煮とだし巻き卵、刺身の盛り合わせ。「あとアジフライ」これは斉藤だ。 「や、別に勢いだったわけじゃないって。その日は普通に飲んで別れただけだし」 「昔なじみが何日目何回目のデートでホテルへ行ったかなんて赤裸々

素面-04(小説)

 また始まった。綾下は溜め息も吐きたくなった。呆れているふりをして、吐いた。実際呆れては…

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素面-03(小説)

 得意先とのパイプ第一でその他の交友は三の次、普段は飯にも酒にも付き合わない昔なじみが即…

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素面-02(小説)

 指定した店に着くと、ワイシャツの袖をたくし上げた男が座敷でジョッキを煽っている。綾下は…

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素面-01(小説)

 使い慣れたスマートフォンをタップして、メッセージアプリを経由し、まずはURLを送り付けて…

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