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だけど願いはかなわない

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※メフィスト賞『印象に残った作品』選出作品 この小説の登場人物達は、皆、それぞれの願いを抱きながらも嘘をついて生きています。 身分を偽って出会った相手を好きになってしまった「… もっと読む
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記事一覧

だけど願いはかなわない 序章「嘘」

僕の好きな人は、僕が誘えば大体会ってくれる。 僕とご飯を食べてくれるし、他愛の無い会話で…

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だけど願いはかなわない 第一話「スミちゃん」

※このお話には「序章」があります※ ↓↓↓↓↓ どうしようもなく眠れなくなって、もしかし…

だけど願いはかなわない 第二話「ハルキ君」

今にして思えば、あの頃の僕はすっかり心が麻痺していた。 暴力と暴言が日常になっていたあの…

だけど願いはかなわない 第三話「鬼塚さん」

「嘘の話ばっかり書いてるから、人の心を失くしちゃったのよ。」 売れない小説家だった俺を支…

だけど願いはかなわない 第四話「シロさん」

勤務を終えるのは、大体朝の九時少し前。二十四時間勤務自体にはもう慣れっ子だが、出動があっ…

だけど願いはかなわない 第五話「三者面談」(前編)

入稿後の惰眠という至福の時間を、あろうことか携帯の着信音に遮られた。 俺はその着信相手を…

だけど願いはかなわない 第六話「三者面談」(後編)

「あんた、イズミさんって言うのか…。」 初めて鬼塚さんの自宅を訪れた日、「わざわざこんなのいいのに」と言いながら私が持参した履歴書を手にした鬼塚さんは、そこに書かれた名字を口にしながら苦笑いした。 出水純(イズミジュン)、これが私のフルネームだ。 「…仕方ないか。じゃあ、イズミさん、ね。俺の事は先生呼びはやめてくれ。鬼塚さんでいいよ。」 本名に対して仕方ないとは随分な言われようだと、私も苦笑いを返しながら質問した。 「私の名字に何か問題でもありますか?」 「いや…

だけど願いはかなわない 第七話「負け犬の恋」

「いかにも母子家庭の男の子って感じがする。」 大学生の頃、少しだけ好きだった先輩にそう言…

だけど願いはかなわない 第八話「二人の夜(前編)」

夢の中ならシロさんに会える事がある。 その幸せは単なる偶然に過ぎないけれど、それでも起き…

だけど願いはかなわない 第九話「二人の夜(後編)」

スミちゃんは、お泊まりには絶対に応じてはくれない。 もちろん無理強いするつもりは無いけれ…

だけど願いはかなわない 第十話「来客」

ハルキ君には一切のトゲが無い。 ハルキ君は笑顔が可愛い。 ハルキ君は優しい。 ハルキ君の…

だけど願いはかなわない 第十一話「女郎蜘蛛の暴走」

〜五年前〜 「それにしても、肩透かしなくらい素早い決着だったな。お前に頼んで良かったよ。…

だけど願いはかなわない 第十二話「ジュン」

5がつ 16にち あした おたんじょおび です。 もうすぐ 6がつ です。 アメリカの が…

だけど願いはかなわない 第十三話「先制攻撃」

「すみません。私、料理は苦手で…。」 あれは、ジュンを雇い始めてほんの数日程の事だったと思う。 週刊連載のコラムのネタ出しに苦戦していた俺は外食に出かける気力も無く、出前の飯にも飽きがきていたので、ちょうど出勤してきたジュンに何か簡単なものでいいから作ってくれないかとお願いをしたのだ。 そうして返ってきたこの言葉は、てっきり嘘や謙遜の類いだろうと思った。 なぜなら、ジュンの淹れるコーヒーや緑茶は、馬鹿舌の俺でも違いが分るくらいに美味かったからだ。 「カレーとか焼きそば