チョコパイ5

気張って生きている私が思わず無防備になる瞬間..


先週の金曜日、
子どもたちと一緒にホワイトデーに贈る
お菓子を作った。

本来...金曜日といえば、
翌日は 学校が休みなので、
翌日の学校の準備やら、就寝時間などにも 
気を揉めなくても良くって
ラクラ〜クできる...

私にとっては、まさしく・・
" プレミアムフライデー "
なのだが・・

子供たちは、現在..
学校が休校でサンデー毎日だ。
だから、プレミアムフライデーも何もない。

私たちには、もう...
曜日の感覚ですら なくなってきつつある。

ウイルス感染を警戒して、
どこにも行けず・・
宿題するか、読書をするか、
トランプやオセロをするか、
YouTubeを観るか、ゲームをするか..

それらに飽きてきたら、庭に出て...
体を動かして遊ぶかのいずれかになる。

そんな メリハリのない毎日に、
ちょっとでも 変化をつけようと・・・

ホントならば...
一人でゆっくりとお菓子作りを楽しみたい
ユウリ母なのだが、

ホワイトデーの前日である金曜日は、
バレンタインのお返しに、
子供たちと一緒にお菓子を作ることにしたのだ。

我が家には、3人の子どもがいる。

だから、みんなが平等に..
お菓子作りの作業に携われるようなもの
でないといけない。

...そうでないと・・・

僕がやる!

私がやる〜!

...と、

ケンカになってしまうことも
しばしばであるがゆえ・・

ユウリ母には、
そうなるであろう・・
というシュミレーションが、
しっかりできているので、
なるべく そうなることを回避したいのだ。

なにせ..私は、短気な女だから・・

なるべく 怒りの感情を封印したいのだ。

やっぱり...お菓子作りというものは、
楽しくやりたいし、
楽しい気持ちでやらないと、
同じお菓子を作るにしても、
味が違ってくるような気もするのである。

....というわけで・・・

子どもたち全員が、
お菓子作りに参加できるようなお菓子を
あれこれと考えてみるユウリ母。

そして...

お菓子を受け取る側が、
「  きゃ〜〜! 」って、
喜んでくれるようなものが
いいわけで・・

はてはて....

そんなお菓子って、
いったい..どんなお菓子だろう...

...と、

お菓子をもらって
「  きゃ〜〜! 」って..
喜んでいる乙女の気持ちになって、
考えてみる ユウリ母。

そして....

考えに考えた結果、

『 チョコパイ 』を作ることに決定。

チョコパイ作りの最中に、
些細なケンカが勃発しませんように..

..との願いを込めて、

子どもたちの役割分担を考えながらの
チョコパイ作りが始まった。

チョコをザクザクっと
カットする人

パイ生地の上に
そのカットしたチョコを
ちょこんと乗っける人

その上にそぉ〜っと
パイ生地をかぶせる人

パイ生地の周りをギュッギュっと
フォークで押さえつける人

パイの表面にパラパラ〜っと
グラニュー糖を振りかける人

そして・・

パイの表面を
ツヤツヤに仕上げるために
卵液を塗る人・・・

...と、

役割分担を考えていたのだが・・

案の定..

ほらね...やっぱり.....

子どもたちは、み〜んな全員とも・・

"  ぜ〜んぶの作業やりたい〜! "

...となるわけで・・・

結局は、
ユウリ母監督の元に・・

みんなが お互いに
作業を仲良く譲り合って、
それぞれに 全部の作業工程を
楽しんだのだった。

よ〜し!

あとは、オーブンに入れて焼くだけだ。

子どもたちは、
とても満足そうにしながら・・
この後、
パイが焼けるまでの間...

これまた ..
子どもたちにとっては、
楽しい楽しいゲームの時間
となったのだった。

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画像3

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はい・・

ここからは、ユウリ母の出番だ。

子どもたちの...
バレンタインをくれた お友達への感謝の気持ちが、
チョコと共に い〜っぱい詰まったパイ生地を、
オーブンの中にそぉ〜っと閉じ込める。

"  おいしく焼けてねぇ〜! "

..との願いと共に・・。

私が パイを焼く時の過程で、
最も楽しみなのは...

生地をオーブンに入れてから数分後・・
バターの香りが、じんわりと漂ってきた瞬間だ。


生地にたっぷりと練り込まれているバターが、
オーブンの熱によって 
ジュワジュワ〜っと...滲み出てきて、
究極リッチな香りをキッチン中に充満させる。

目を閉じて お口もチャックして...
鼻から、大きく息を吸い込んで、
ゆ〜っくりと吐いていく・・・

あ〜..バターのいい香り〜・・

その..なんとも言えない
いい香りに酔いしれる。

いつも気張って生きている私が、
つい思わず..無防備になる瞬間だ。

私は、完璧主義な女だ。
負けん気が強くて、強情な女。

..他人に対しては 寛容なのだが、
自分に対してと、モノ・コトに対しては・・
完璧でないと気が済まないのだ。

だがしかし・・・

この..なんとも言えない...
バターのリッチな香りに全身を包まれると・・

自分のガードが 一気に緩んでしまって
もう..どうでも良くなってしまう自分がいるのだ。

それは、まるで....

見ず知らずの 素敵な男性に
思わず..背後から 抱きしめられた時のような..
そんな感覚に近いような気がする。

...と、

残念ながら、
そんな経験は 一度たりとて...
ないのだが・・・。

" あ〜ん...
 できることなら、ずーっとずーっと・・
 こんな バターのリッチな香りに包まれて過ごしたい〜〜・・ "

...と、

私は、バターの香りの充満するキッチンで
珈琲を飲みながら
しばし...
しあわせな気分に浸る。

そして、

キッチン、リビングにと...
辺り一面に漂っている
バター感た〜っぷりの
この空気を..
今度は、
お口のファスナーを開けて食べてみる。

あー残念・・・

バターの香りのすれども

やっぱり....

空気は、無味なのだ。


この..
辺り一面に漂う バターの香りのする空気も....
実際に バターの味がしたならば・・
最高に..最高にしあわせなのになぁ・・・

...と、

徐々に膨らんできたパイ生地を見守りながら、
ひとり..ユウリ母は 思うのだった。

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無事にパイも こ〜んがりとキレイに焼き上がった。

ゲームを終えた子どもたちと共に、
楽しくラッピングを施して、ようやく完成〜!

み〜んなで、お菓子作りを楽しめて・・
ユウリ母は バターのいい香りに酔いしれて・・・

そしてそして、

焼き立てこんがりサクサクのチョコパイを
みんなで頬張りながらのティータイム。

私たちにとっては、
とってもとっても素敵な
プレミアムフライデーになったのだった。

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