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【物語】二人称の愛(上) :カウンセリング【Cast】

※この作品は電子書籍(Amazon Kindle)で販売している内容を修正して、再編集してお届けしています。

《あらすじ》 
 主人公で心理カウンセラーの倉田学と解離性同一性障害(二重人格)の病を持つ木下彩を中心に、銀座ホステスのママやお店の子(ホステス)、そして新宿歌舞伎町ホストクラブのホストなど、それぞれ自分の過去を引きずり生きている。またそれは主人公で心理カウンセラーでもある倉田学も同じだ。
 この話は心理カウンセラーの倉田学を中心に、解離性同一性障害(二重人格)の病を持つ木下彩とのカウンセリングを中心に話が展開していく。そして彼女の中のもうひとりの人格は彩とはまるで違い、学も最初は彼女の豹変に驚き戸惑った。なぜなら彩に対する学の最初の印象が、『明朗でおしとやか』な女性だったからだ。
 一方のもうひとりの人格はと言うと、『計算高くかつ大胆』と言った頭のキレる女性だった。昼間はOLをしている彩だが、夜になると幼なじみであり新宿歌舞伎町ホストクラブ ACEの経営者&No1ホストの樋尻透からあるトリックにより、もうひとりの人格の綾瀬ひとみに人格が入れ替わり、夜のおとなの街 銀座クラブでホステスとして働くこととなるのだ。
 しかし学は次第に、最初に彼女に会った時の『明朗でおしとやか』と言う彩に惹かれて行く。そして、もうひとりの人格のひとみに対して、自分の手で木下彩の人格と綾瀬ひとみの人格をカウンセリングにより統合させて行くことに対し、こころ苦しい気持ちが沸き起こっていった。
 さて、ここから倉田学と木下彩、綾瀬ひとみは今後どのような展開を見せるのであろう。
▼Prologue
Prologue01
Prologue02
Prologue03
Prologue04
▼Cast&Index
・Cast
Index

※前回の話はこちら

倉田学(心理カウンセラー)

昔、東京の下町に住んでいて、幼少時代は父親からの虐待、母親からのネグレクト、また母親の愛人からも虐待を受ける。

小学四年生の時、埼玉県 川口市で母親の両親に育てられる(9歳・小4)。

小学校、中学校、高校時代は友達も少なくおとなしい生徒だった。特に女の子と話すのが苦手な少年で、ひとりアクアリウムに熱中していた。埼玉県の県立高校の進学校を卒業しJ大学 哲学科に入学する(18歳・大1)。

目指していたJ大学 心理学科には合格できず、学は最初目標を失いかけていた(19歳・大1)。

大学時代は、高校時代から好きだったアクアリウム関係のペットショップ店でバイトを続けながら大学を卒業し、そのまま正社員として働きだす(22歳)。

三年程、アクアリウム関係のペットショップ店で働いていた時、たまたまアクアリウムの掃除で下に敷いた新聞に心理カウンセラーの専門学校の募集広告が載っていた(25歳)。

学はアルバイトをしながら、そのカウンセリングの専門学校に二年間通った(27歳)。

三年間、都内の某小学校のスクールカウンセラーの補助をしながら、カウンセリングや心理療法のスキルを磨き、独自の心理療法の研究もしたりしていたのだった(30歳)。

30歳で東京の新宿でカウンセリングルームを開設し、カウンセリングルーム名を『カウンセリングルーム フィリア』と名づけた。そして三年後、解離性同一性障害(二重人格)の木下彩と出会う(33歳)。

木下彩(派遣社員)/綾瀬 ひとみ(銀座クラブ マッド 新人ホステス)

小学生の時に木下彩は北澤望、樋尻透と幼なじみ。

小学生時代は明るくおしとやかで、彩は透に恋心を抱いていた。望とは友人関係であった。しかし中学三年生の時、父親の浮気が母親にバレ両親が離婚する(15歳・中3)。

彩は父親に引き取られ千葉県 船橋市に転校するが、父親から性的虐待を受ける(15歳・中3)。

父親に新しい女ができてから、父親からも新しい母親からも愛情を貰えずに育ち高校を卒業する(18歳・高3)。

彩はなかなか就職が決まらず、やっと秋に新宿にある中規模の建設会社の派遣社員として働き始める(19歳)。

彩は二十歳になり初めて会社の忘年会でアルコール(お酒)を飲んだ時、突然人格が変わったかのように豹変した。それはまるで満月の月灯りで夜の街が照らされ、その月灯りの光が彩を映し出し、彼女の中にいるもうひとりの人格が影となって浮き出して来たかのようであった(20歳)。

彩は人格がひとみになっている時には妖艶な輝きを放ち、たちまち男達を虜にして行くのである。普段は明るくおしとやかな彼女であるが、お酒を飲むとトイレに行って化粧をし直し、まるで別人になって戻ってくるのであった。彩の豹変する噂はたちまち彼女の勤めている社内全体に広まり、彩もこのことに薄々気づくようになっていった(21歳)。

彩は意を決して精神病院の精神科へ行き、脳波・CT・MRI・心理検査などを行うこととなる。彩は脳自体には問題無いが、心理検査で少し引っ掛かる所があると言われる。そこで「既往歴」「生育歴」などを詳しく聴かれ、中学三年生の時に父親から性的虐待を受けていたことを思い出し話した(21 - 22歳)。

その頃の記憶が曖昧でよく覚えていないことから、解離性同一性障害(二重人格)の疑いがあると医師から告げられたのであった(22歳)。

その事実に対して彩は受け止めることができず、他の精神病院へ行ってはみたものの、結局同じようなことを他の医師からも告げられたのだ。その時、彩は悲嘆し夜の新宿歌舞伎町の街をひとり徘徊するかのように歩いていた。キャッチの男がやさしく声を掛けて来たり、スマホを片手に「泊まるとこあるよ・・・」と誘ってくる男達で蠢く新宿歌舞伎町は、彩の気持ちとは裏腹に活気づいていたのだった(22歳)。

精神科の医師の勧めで、カウンセリングを受けるのが良いのではないかと言われた彩は、評判が良いと言われる心理カウンセラーを転々と巡り歩いた。彩は数十件のカウンセリングルームに行ったが、対応できる心理カウンセラーが居なかったり、またお金は高いが何も理解も共感もしてくれないカウンセラーが多く、彩は心理カウンセラーに対して失意に陥るのであった(23歳 – 25歳)。

ちょうどその頃、あるカウンセラーから新宿で物凄く腕のいい心理カウンセラーがいるという紹介(リファー)を貰うことが出来た。それが倉田学が開設していた『カウンセリングルーム フィリア』だった(25歳)。

北澤望/のぞみ(銀座クラブ SWEET ホステス)

小学生の時に北澤望は木下彩、樋尻透と幼なじみ。

生まれながらにして「発達障害」を抱えながら人生を送っている。しかしそれに気づかず生活を送っていた。そのため恵まれた家庭環境で育てられるも、何か生きづらさを感じながら人生を送っていたのである(小・中・高)。

また両親の間に会話が無く、父親は家に殆ど帰って来ることがなく別居状態であった。そんな両親を観て育った望は、自己主張がなかなかできない女の子であった(小・中・高)。

望は小学五年生の終わりに、意を決して幼なじみだった樋尻透(当時 小学6年生)の卒業式の日に告白し、付き合うことを約束した(11歳・小5)。

お互い付き合おうと誓った数日後、透の家が放火され透は家族を失うこととなる。そしてお互い離れ離れに暮らさなければならなくなるのだった(12歳・小6)。

望の両親は望が中学三年生の時に離婚することになり、望は母親に引き取られることとなった(15歳・中3)。

母親の実家の神奈川県 鎌倉市に引越し、名門女子高校に通い始めるが高校三年生の終わりの卒業式一週間前に自主退学した。その理由は、卒業式一週間前より数日前のある出来事が原因であった。お母さんがおばあちゃんと、お父さんのことについて話している内容をたまたま聞いてしまったからだ(18歳・高3)。

その内容とは、お父さんはどうやら今、若い男のひとと一緒に暮らしていて、お父さんはおそらくゲイ(男性同性愛者)であると言う事実である。そしてもっと言えば、バイセクシャル(両性愛者)であったと言う事実である(18歳・高3)。

望はその事実を受け入れることが出来ず、すごくショックを受けた。また「自分はお父さんから愛されていなかったのではないかと・・・」、つまり「望まれて生まれて来なかったのではないか・・・」と深く傷つき、自分を責め家を飛び出し東京へ向かった(18歳・高3)。

自分の望と言う名前すら消し去りたい気持ちでいっぱいで、ひとり新宿歌舞伎町の夜の街でキャバ嬢として働き始める。望は名前を望から、平仮名でのぞみと改名し、そうすることで少しは救われたのであった。何故なら自分は望まれて生まれてきていないと、何時も思っていたからである(18歳)。

最初は若かったのでキャバ嬢として稼ぐことが出来たが、お客さんがお店のキャバ嬢に求めてくるのは「若さ」「可愛さ」と言う単純な理由だった(18歳 - 22歳)。

そう言った世界で長く働くことが出来ないと悟ったのぞみは、キャバ嬢を辞め銀座のクラブで働こうと決意する(22歳)。

銀座クラブのホステスになるためにのぞみは、十数件の銀座クラブの面接を受け、ことごとく落ちなかなかホステスになることが出来なかった(22歳)。

しかしひとつだけ理由を話し受け入れてくれたのが、『銀座クラブ SWEET』の経営者 美山みずきのお店であった。のぞみは元々裕福な家庭環境で育ったので、一通りの教養は学んで来たつもりであったが、ホステスの世界はそんなに甘い世界ではなく、最初は裏方や雑用をこなす生活を送っていた(22歳)。

そしてひとつずつ色々なことを覚えて行き、彼女の気配りは神経質とも思えるぐらい丁寧で評判になった。またそれが彼女の励みにもなったが、あまりに集中しすぎると周りが見えなくなってしまうことがあり、みずきはその点を少し心配していた(22歳 - 23歳)。

またあることに対しては完璧主義な部分もあり、徹底的に自分を追い込んでしまうので、みずきはその辺も心配した(22歳 - 23歳)。

あることについては物覚えもよく理解力もあり、タイプとしては天才肌的な才能を持っていたので、フロアに出て「おもてなし」を始めて二年もすると、『銀座クラブ SWEET』の若手ホープのホステスへと成長していったのだった(24歳)。

そしてそこから一年後、のぞみは『銀座クラブ SWEET』で若手ホステスへ指示を出す立場となり、大切なお客さんも任せられるまでに成長していったのである(25歳)。

樋尻透(新宿歌舞伎町ホストクラブ ACE 経営者&No1ホスト)

小学生の時に樋尻透は木下彩、北澤望と幼なじみ。

クラスの人気者で皆から慕われていたが、中学生になってすぐに不幸が起きる(12歳・中1)。

透の家が放火され、両親と妹を火事で亡くす(12歳・中1)。

透は叔母に引き取られ育てられるも、火をつけた犯人は見つからず、透は今でも犯人に復讐する機会を覗っている。

また透は卒業式の日に望から告白され、中学入学と共に望と付き合うはずであったが、放火による火事で両親と妹を失った透は望と離れ離れになり、その後、音信不通となる(12歳・中1)。

叔母に預けられた透は高校一年生の終わりに高校を中退し、その後アルバイトを転々としていた。そして幾つかのアルバイトを経験した後、18歳の時に新宿歌舞伎町の繁華街で居酒屋のキャッチを始める(16歳 - 18歳)。

その時、『新宿歌舞伎町ホストクラブ ICE』に訪れていたじゅん子ママの目に止まり、じゅん子ママの経営する『銀座クラブ マッド』の雑用兼ボーイなどを経験し、三年間、正しい接客の仕方と礼儀作法などを教わった(19歳 - 21歳)。

そしてじゅん子ママから『新宿歌舞伎町ホストクラブ ICE』は、実はじゅん子ママが経営しているホストクラブであることを聴かされ、そこでホスト&スカウトとして働くよう勧められる(21歳)。

五年間、『新宿歌舞伎町ホストクラブ ICE』で働き、また『銀座クラブ マッド』のホステスのスカウトとしても密かに活動し、『新宿歌舞伎町ホストクラブ ICE』で部長まで登り詰めた(25歳)。

透は自分のお店を持ちたいと、この頃から思い始めじゅん子ママに相談し、26歳にして『新宿歌舞伎町ホストクラブ ACE』の経営者&No1ホストとなる(26歳)。

じゅん子ママ(銀座クラブ マッド 経営者&新宿歌舞伎町ホストクラブ ICE 経営者)

東京都 浅草出身 銀座クラブ界の重鎮である。中学を卒業し水商売をしていた母親のお店を手伝い始める。

18歳頃から銀座クラブで働き出し、その時勤めていた銀座クラブで「学生運動」「オイルショック」を経験する。

今から三十五年近く前に『銀座クラブ マッド』の経営者となり、それからは「ブラックマンデー」「バブル」「バブル崩壊」「円高」「リーマン・ショック」と世の中の浮き沈みを観てきた。

銀座クラブ街も「ブラックマンデー」「バブル崩壊」「リーマン・ショック」などで店じまいや縮小を余儀なくし、銀座クラブ界を預かるじゅん子ママは、多くの銀座クラブのお店がその影響で店をたたんで行くのを観て危惧している。

またホステスの代わりに、若い女の子と気軽に話せるからと言う理由で「若さ」「可愛さ」「手軽さ」で勝負するキャバ嬢が台頭し、若いお客さんから年配のお客さんまでキャバクラに流れてしまっていることに危機感を持っており、何とかしなければと思い悩んでいる。

幸い『銀座クラブ マッド』は古くからの常連のお客さんが付いているで、じゅん子ママのお店は切り盛りしていけるのであるが、銀座クラブ街で働くひとりとしてじゅん子ママは、今の状況を何とか昔のような活気ある「おとなの街 銀座」にしたいと思っていた。

そのために密かにじゅん子ママは『新宿歌舞伎町ホストクラブ ICE』を経営し、新宿の街の動きやキャバクラのお店の動向を探っている。

そして『歌舞伎町ホストクラブ ICE』を拠点に、2020年の東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、グローバルな「日本のおもてなし」のお店を出店する計画を密かに計画しているのだった。

美山みずき(銀座クラブ SWEET 経営者)

宮城県 石巻市出身 石巻で随一の美貌と噂された美女で、高校を卒業すると共に東京で演劇の勉強をするため、反対する両親を顧みず上京する(18歳)。

上京後は、昼間は演劇の勉強、夜はお金を稼ぐために新宿歌舞伎町で水商売の仕事をして働く。しかし演劇では食べていけないと言う現実を目の当たりにし、やむなく演劇は諦め夜の街、新宿歌舞伎町で本格的に仕事をし始める(20歳)。

ちょうどその頃の新宿歌舞伎町ではキャバクラのお店が台頭し始め、美山 みずきはお金を稼ぐためキャバ嬢になり働き始めた。始めた当初からその「若さ」と「美貌」で人気No1のキャバ嬢として新宿歌舞伎町キャバクラ界隈ではその名を知られるようになる(20歳 - 24歳)。

そしてみずきは、お金が貯まり有名になると同時にキャバ嬢を辞め、銀座に自分のお店『銀座クラブ SWEET』を開く。故郷や両親への思い入れは強いが、キャバ嬢やホステスをしていることを両親には秘密にしているため、なかなか故郷には帰れないでいた(25歳 - 31歳)。

そんな中、あの東日本大震災(3.11)が起き石巻の漁港で働いていた両親を津波で失った。みずきはその後、被災者のために何かできないか模索する(32歳)。

そして毎年、年に二回(お盆・3.11)は石巻を訪れ、故郷のために密かに被災地にスナックやBarのお店を開くために資金の調達などを行う。また地元の女の子をそのお店で雇い積極的に働かせていたのである(32歳 - 36歳)。

更にみずきは被災地で見込みのある女の子をスカウトし、自分のお店の『銀座クラブ SWEET』で働かせたりもしていたのであった(32歳 - 36歳)。

そんな時、みずきはお店のお客さんから、新宿で開設している凄腕の心理カウンセラーがいることを聞きつけ、その噂が果たして本当かどうか確かめるために、倉田学の『カウンセリングルーム フィリア』に訪れるのであった(36歳)。

ゆき(銀座クラブ SWEET 新人ホステス)

宮城県 南三陸町出身 東日本大震災(3.11)で一家共々被災する。そしてその地震による津波に備えるために、姉のみきを残し一家は高台に避難して九死に一生を得る(17歳・高2)。

その当時、「南三陸町の防災対策庁舎」の防災無線で一生懸命声を張り上げ避難を呼び掛けていたのがゆきの七歳年上の姉のみきであった。最後の最後まで津波が迫る中、姉のみきが防災無線で呼び掛けてくれたおかげで多くの命が救われたのである(17歳・高2)。

姉のみきは最後まで防災無線で呼びかけ続け、津波により命を落とした。津波が迫る中、最後まで懸命に町民に呼び掛け続けたのだ。ゆきは、姉が避難を呼び掛けるその声を高台で何度も聴き今でも覚えている。そしてその声は最後には、「もうだめだ・・・」と言う叫びになり、それを最後に姉のみきの声を聴くことはもう無かった(17歳・高2)。

数日後、姉のみきとは痛ましい姿で対面することとなったのだ。優しくて頼りになり正義感の強かった姉の姿はもうそこには無く、ただ声にならない声で泣き叫ぶのだった。それから数年後、避難所生活を送っていたゆきは高校を卒業することとなった(18歳・高3)。

東日本大震災(3.11)の「南三陸町の防災対策庁舎」の防災無線の話は美山みずきも知っており、姉のみきに七歳下の妹がいることを密かに調べていたのだった。みずきは直接、ゆきが避難している仮設住宅に行き、ゆきとその両親にゆきを任せてくれないか直談判したのだ(18歳)。

初め両親は断ったが、みずき自身も東日本大震災(3.11)の津波で両親を石巻で亡くしていることなどを説明したところ、最後は「ゆきの人生だから、ゆきが決めなさい・・・」と言ってゆきに託されたのだった(18歳)。

ゆきは両親を残して自分だけ東京へ行くことにすごく申し訳なく思ったが、「姉のみきだったらどうしただろう・・・」、そして「自分はどうしたら故郷に恩返しできるだろう・・・」とゆきは悩んだ末、東京に行きみずきのお店『銀座クラブ SWEET』で働くことを決意するのである(18歳)。

それから雑用などをこなし、ゆきは二十歳を過ぎてようやく『銀座クラブ SWEET』のフロアに立たせて貰えるまでに成長したのであった(20歳)。

みさき(銀座クラブ SWEET 新人ホステス)

福島県 南相馬市出身 東日本大震災(3.11)の地震と津波で福島第一原発が被災し、2011年3月12日15時36分に福島第一原発1号機で水素爆発が発生。同日18時25分に避難指示区域が半径20キロに拡大され福島県 南相馬市に住むみさき一家も慌てて避難することとなる(16歳・高2)。

2011年3月14日11時01分に福島第一原発3号機原子炉建屋で水素爆発が起きる。その後の福島第一原発事故の様子を、みさき一家はテレビで見守ることとなった(16歳・高2)。

国や各自治体などが放射線のモニタリングを始める。南相馬市の今の線量(放射線量)では人体に影響を及ぼす可能性のある数値であることがわかり、「除染」しなければ再び南相馬市に戻れないこととなるのだ(16歳・高2)。

その頃、 みさき一家は、埼玉県 上尾市で避難生活を送る生活をしていた。そしてみさきは埼玉県 上尾市の県立高校を卒業し就職先を探していたのだった(18歳・高3)。

美山みずきは福島県 南相馬市のひと達の一部が、埼玉県 上尾市に住んでいることを掴んでおり、みずきのお店で働いてくれそうな高卒でやる気のある女の子がいないか立ち寄った(18歳)。

ちょうどその時、みずきはみさきと東日本大震災(3.11)で被災したひと達が寄り合う「公民館」で遭遇し、みさきの両親にみさきを任せて貰えないかお願いする(18歳)。

みさきの両親、敏夫と初枝は、すんなりと了解した。その理由はみさきの弟で当時中学校に通う勇気にあったのだ(18歳)。

みさきの家族は貧しく、また避難生活で父親もなかなかちゃんとした仕事に就けない状態であった。だからみさきは家族のために、自分がお金を稼がないといけないと言う思いが強かった。そうしたことからみさきも望んで、みずきのお店『銀座クラブ SWEET』で働くことを決心したのだった(18歳)。

それから雑用などをこなし、みさきは二十歳を迎えようやく『銀座クラブ SWEET』のフロアに立たせて貰えるまでに成長したのであった(20歳)。

ゆう(石巻駅前 Café&Bar Heart 店長)

宮城県 石巻市出身 両親を東日本大震災(3.11)の津波で失って親戚の家で暮らしていた。高校を卒業してから22歳までは仙台市内のBarで仕事をしていたが、美山みずきが地元の石巻駅前に新しいお店を出す話を聞きつけ、自分も石巻のためにお店を手伝いたいと、わざわざ仙台から東京のみずきのお店『銀座クラブ SWEET』に乗り込んで来た(22歳)。

みずきはゆうが本気かどうか半年間、みずきのお店『銀座クラブ SWEET』で働かせた。その間、「正しい接客」や「会計」「運営方法」に至るまで一通り教えたのだった。ゆうはみずきから初めて「接客」とはどういうものか、またお店を切盛りする大変さを教えられた(22歳 – 23歳)。

みずきはゆうに少し厳しく接したが、それはゆうを一人前の石巻の「お店の店長」になって貰いたかったからである(23歳)。

そしてお店を開いたら、石巻のひと達や石巻に来るお客さんたちに、「また来たいね、逢いたいね・・・」と言って貰える店長になって欲しいと言う願いがあったからだ(23歳)。

半年間、ゆうはみずきのお店『銀座クラブ SWEET』で働いた後、みずきから『石巻駅前 Café&Bar Heart』の店長を託されたのであった(23歳)。

清水さちえ(清水旅館 女将)

宮城県 気仙沼市にある『清水旅館』の女将である。

高校時代は、宮城県 気仙沼市の高校で演劇部の部長を務めていた。
その当時からさちえは、演劇部の関係で美山みずきと知り合うようになる(17歳・高3)。

またみずきの高校時代からの親友であり、みずきが信頼を寄せている大切な友人でもある(17歳 – 36歳)。

清水まゆ(清水旅館 女将の娘)

『清水旅館』の女将 清水さちえの娘。
東日本大震災(3.11)の日に生まれた子供である。

佐藤さん(「石巻立町復興ふれあい商店街」会長)

「石巻立町復興ふれあい商店街」で、さとう電気店と言う電気屋さんを営んでいる。

東日本大震災(3.11)により「石巻立町復興ふれあい商店街」も震災と津波に遭い、石巻駅傍に仮設の「石巻立町復興ふれあい商店街」が設けられた。そこで商店街の会長をしている。

また美山みずきの叔父にあたり、「石巻立町復興ふれあい商店街」の復興に尽力している。

今日子(探偵)

年齢不詳で謎の多い美人探偵、昔の傷を今も引きずりながら生きている。

探偵の世界では謎が多い美貌の女探偵として有名で、その美貌を活かして「財政界」「経済界」「芸能界」などあらゆるゴシップ情報(スクープ)を集め、そのゴシップ情報(スクープ)を出来るだけ高い金で買ってくれるひとに売りつける。

また集めたゴシップ情報(スクープ)は全てお金になると言う主義で、そこには「情(じょう)」や「情け(なさけ)」など無く、常に高いお金でゴシップ情報(スクープ)を買う者の味方である。

エリ(ストリートシンガー)

生まれてから、まだ一度も会ったことのないお父さんに自分の姿を観て貰うため、ストリートシンガーとして活動し、将来は歌手として活躍する自分の姿をお父さんに観て貰いたいと思っている。今はストリートシンガーとして関東地方の駅前を中心に活動している。


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