【IB子育て・日々悶々】子連れで2年移住したママ友に聞いてみたフィンランド生活とフィンランドIB
こんにちは!
学生時代から仲良しのアッコが、フィンランドに2年移住。今年の春に帰国しました。同じ年の息子を持つ母として、今ではママ友でもあります。
ちなみに、アッコこと塩野明子さんは、北欧のイノベーションを推進するプロジェクトのコミュニティーマネージャーです。
そんな彼女たち一家は、フィンランド滞在中に一人息子くんを地元の私学国際バカロレア(IB)校に在籍させました。フィンランド生活の面白い話しは、滞在中からSNSや電話などで共有してもらっていたのですが、改めて今回じっくりせっかくなので他の人たちにも聞いてもらおうと思い、clubhouseで話してみました。
これはそのまとめです
疑問1)フィンランドのIBというか、そもそもフィンランドの教育環境ってどんな感じ?
究極のゆとり教育!
アジアでは、脳みそが柔らかい時に「詰め込もう」というのに対して、フィンランドをはじめ、北欧では「脳にゆとりはあるだけあった方がいい」という考え方。
教育熱心な人はいない?!
というか、義務教育の公立の学校に満足している人が多い
私学の選択肢が少ない
フィンランドでは、2007年から公立小学校でIB認定校(Russo)ができたそうで、地元でも非常に人気があるそうです。なお、IB認定校は他にもあるそうです。
https://www.ibo.org/school/002343/
なお、彼女の息子さんが入学したのはインターナショナルスクールのIB校。20%くらいがフィンランド人だったそうですが、海外畑の家族や、ハーフのお子さんなどが中心だったそう。
ちなみにフィンランドは近年ローカルのニーズと、エキスパッツの急増で、インターナショナルスクールが増えている
のだそうです。
なお、アッコの調べによると、IB校は20校あるけれど、PYPから一貫しているのはうちが行っていたISHだけ。
https://www.ibo.org/programmes/find-an-ib-school/?SearchFields.Region=&SearchFields.Country=FI&SearchFields.Keywords=&SearchFields.Language=&SearchFields.BoardingFacilities=&SearchFields.SchoolGender=
なおそのISHは、フィンランドの「ゆとり教育」を取り入れているだけあって、ひたすら面白いお話しだけでクラスを進める先生もいたのだそう。
アッコの話しで印象的にだったのが
学習塾はない。唯一医学部や法学部に進学したい子向けに、高校生向けの塾はあるようだけれど。
ちなみに、フィンランドでは読書を推奨しているそうですが、これはアッコ自身は体感はしていないそうですが、よく言われているのが
フィンランドが世界で最も図書館を積極的に使う国だということ。737の公立図書館があり、年間190万人が本を借りている(一人当たりにすると国民皆が12冊以上借りている計算になる)。日本はにこの4.5倍の図書館があるけど、人口はもっと多い20倍。
日本でもすでに「100冊読書日記」というワークになっています。我が家の長男は学校の日本語クラスでこれを使って本を読みましいた。
とはいえ、北欧は全体的にまだ大学が世界的には有名ではないそうです。正直日本の大学も世界的にみたら対してすごくない。。。
ですが、北欧・フィンランドとしてアカデミックな分野で研究が進んでいる分野は、
・AI
・サーキュラーエコノミー全般
・脳科学と教育
と言った内容だそうです。
脳科学は、まさに「ゆとり教育」の分野ですよね。
興味深い!これからが楽しみです
疑問2)なんでみんな英語ができるんだろう?
フィンランドは人口550万人だけ。小国の強みであり、テレビなどの番組が、ローカライズされていない番組も多い。外国のアニメやドラマでも、全て英語フィンランドの字幕で放映。そのため、生活をする中で、英語しか話せなくても「困らない」。
アッコのフォローアップによると、TV番組に関しては、全てがローカライズされていない訳ではなく、ただ日本よりオリジナル(英語)のままで字幕だけフィンランド語、という番組が多いのだそうです。
例えば、地元のスーパーの買い物で、フィンランド語が読めなくても、スーパーで働くレジの人に英語で話しかければ、英語で帰ってくるような環境。
でも英語の学習そのものは、小学校3年生くらいで、日本と同じ感じ。唯一違うのは、英語を使わないといけない環境がそこにある。
20歳の時、米国で知り合ったフィンランド人の友人アンバーは、出会った時からBroken Englishでした。でも彼女はお喋りで、自分の英語力で話しをすることに対して、全くの躊躇がなかった。当たり前のように、しゃべり続けていました。もちろん語学学校で出会ったので、英語力が足りないことを知っていましたが、何よりも物怖じしないところが印象的でした。
きっと、フィンランドの人たちはこんな風に英語を普通に使っているのだと思います。それが「老若男女」みんなそうなのだとしたら、社会的英語力は高くなりますね。
さらに、驚きの新事実が!
語学に関しては、フィンランドはフィンランド語と並んで、スウェーデン語も公用語だということ。だから「公共の看板等は必ず2カ国語表記」で、プラス英語が最近は当たり前。
英語の波が最近は強くなって来ていて、スウェーデン語よりも英語が重視する若い世代も出て来て、スウェーデン語を母国とする国民にとってはあまり面白くない状況、という話も耳にしたことあります。
疑問3)普通に大学の講義とかを「無料で」聞けるといういう話しをしていたけれど、それについて詳しく教えて。そしてフィンランドの人たちの「教養」ってどんな感じ?
ヘルシンキ大学とアールト大学では、オープンな公開講義が、ほぼ毎日開かれていて、誰でも参加できる。トピックは、社会全体に関わるアカデミックてがなものばかり。外交関係のざっくりしたものから、サステナビリティやサーキュラエコノミーについての講義など。印象に残っているのは、南米の研究家を読んで、「ベネズエラに内政ついて」の講義を聞いたこと。
フィンランドで、日本人が南米のベネズエラの内政の問題点の話しを耳にする。素敵です。とっても。
そして、彼女が共有してくれた内容として、
フィンランド人の考えの根底には「knowledge(知識)」は共有されてなんぼ!
というもの。ノルディック(北欧)のイノベーション企業のアクセレーターをしている彼女が、フィンランド人のパートナーたちと話しをしている中で、日本のサイトにある「有料ブログや有料記事」に対して非常に否定的な考えを持っていると言っていました。
「土台となる情報はみんなでシェアしてこそ価値でしょ?」
そうなんですよね。でもこれは実は「社会福祉国家」だからこその考えにあるのかもしれません。資本主義国家では、「情報=価値=儲けられる」この方程式が成り立っていますから。
アッコがさらに、詳しく教えてくれた大学情報については
ヘルシンキ大学:
Tiede Kulma(直訳するとThink Corner)というスペースがあり、そのサイトがこちら。
Event Calander に行ってもらうとわかるように、いろいろなイベントがやっていて、そのうち公開なもので興味があるものは誰でも自由に入退場できる
今はコロナで全てがZoomやOnlineとなっているけど、でも逆に日本からでも視聴できそう!FBイベントで放送しているだけのものとかあるみたいだし。
アアルト大学:
彼女が数回通ったのが、このAalto Ventures Programが運営するセッション。セミナーというよりはガチでディスカッション。マーケティングや今話題のスタートアップのCEOとかがプレゼンをして、その人とQ&Aとディスカッション、みたいな流れだそうです。
学外から参加している人もかなりいた。これも出欠とか事前登録全く不要で、ただそのばにその日に現れればいいだけ。もちろん無料。30−50人くらいの規模感。
疑問4)フィンランドで感じた一番の「へぇ」はどんなこと?
フィンランド人の生き方には、「人生のフレキシビリティが担保されている」
彼女は、「大人のための様々な生き方が用意されている」と言っていました。その例として
・離婚しても経済的やステイタス的に損にならないし、生活が保証されている
・大人が違いキャリアを学びたいと思った時に、失業保険で集中を担保しながら学習できる環境が揃っている
こうしたことが、物理的な幸せ以上に「人生の満足度を高める=幸福度が高い」ことにつながっていると言っていました。
そうそう、Clubhouseでおしゃべりしている間に、IBスペシャリストのリップさんが立ち寄ってくださって、一緒におしゃべりを楽しんだのですが、彼がこの幸せ度の下りで、
「人間の満足度・幸せ度=持っているもの/欲しいもの」
だという例を出してくださいました。リップさん自身、どなたからかの言葉として聞いたとおっしゃっていましたが、本当にそうなのかも。
欲しいもののパイが大きければ大きいほど、持っているものが足りなくなります。欲しいものと持っているものの大きさが一緒。あるいは持っているものが期待値より大きければ、幸せって大きくなるのだなぁ。
というわけで、今日はフィンランド的な生き方を学ぶ素敵な金曜日の午後になりました。
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