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おとなになるのび太たちへ

初めて本の感想を書きます。

あまり多くは読みませんが
全く読まないわけでもないです!
(よく「お前本とか読まないだろ」と言われますが笑)

好きな作家は角田光代さんと海堂尊さん
チームバチスタシリーズは全部読みました。
角田光代さんの対岸の彼女は
大学時代脚本の参考にさせてもらったり。


とか言いながら
この本は漫画です。笑
ドラえもんの漫画。
著名人たちが思い入れのあるドラえもんの話を
1話セレクトして、その漫画と
それに付随するエピソードを語ってくれる本です。


個人的に印象的な著名人の話

tupera tuperaさんという
アーティストユニットの亀山達矢さん

すみません、私は存じ上げませんでしたが
こちらで初めて知りました。
三重出身の方のようで、同郷ということもあり
より親近感がありました。

この方のセレクトした話は
「オモイコミン」という話。
のび太がその薬を飲んで、なんでも思い込むだけで上手く物事が進む
という話です。
思い込むだけですよ!笑
思い込むだけで、のび太がジャイアンに勝てちゃうんです。

亀山さんのその話に付随したエピソードが
結構印象的でした。
亀山さんが絵を描き始めたきっかけのお話
だったんですが、それもある種の
とある思い込みからなんだとか。

詳しくはぜひ読んでいただきたいですが
こんな世の中に認められた
絵でご飯を食べている人も
始まりは思い込みからなのか〜と
偉人も始まりは我々と一緒だった的な。
少し勇気づけられるようなお話でした。


俳優の菅田将暉さんもセレクトされています。
彼が選んだのは「サンタメール」。

珍しいパターンのお話で
のび太が奮闘して羽目外して調子乗って
失敗しちゃう・・という
いつものお決まりパターンではなくて
珍しくのび太が良いことをするお話。

このお話をもとに菅田将暉さんが語られたエピソードもまた面白いです。

俳優ならでは、という視点の話なのですが
サンタクロースと俳優は
夢を見せるという点で同じ仕事であるというところから。

彼が考える「夢を与える」ということ。
その難しさとか、逆に夢のない世の中
をどう夢のある世界にしていくかとか。

純粋になるほどな〜と思いましたし
映像を作る仕事をする身としては
通ずるところもあって
同世代がこういうこと考えてるのかと刺激になる部分も。


ドラえもんというものの本質

辻村深月さんという小説家の方も
1話セレクトされています。
「ぼくよりダメなやつがきた」

ある日のび太より、出来ないことが多い
いわゆるダメなやつが転校してきます。
のび太は彼に好意的に接しますが
実はそれは優越感から。
話は読んで欲しいのですが、、

辻村さんのエピソードが本当に素晴らしいです。

ドラえもんって漫画だけど
実は対象年齢のない
いつの年代で読んでも別の視点で感動できる
素晴らしい作品だと思います。
この本の中で声優の梶裕貴さんも仰っていました。

辻村さんのエピソードは
ドラえもんという話が
我々に伝えたいことの本質を捉えて
わかりやすく噛み砕いて伝えてくれています。

今思い悩む学生さんにぜひ読んで欲しい。

10代の頃私は学校のことを「閉じ込める檻」だと思っていました。
特に中学の頃、友人関係に悩み
学校が楽しくなかったのもあって。

決められた物差しで測られ
その基準を満たせなければダメだと言われる
私もそのダメなやつの1人でした。
劣等感が激しくて、ダメなやつと指を刺されているような気がして
周りを見るのが苦手だったことで
友人とも上手く関係を築けなかったんだと思います。

その頃の私にこの話を読ましてやりたかったなと思いました。


りっぱなパパになるぞ!

1番最後に「大人になったのび太たちから」というセレクトで
この話が選ばれています。

この本のタイトルは
「おとなになるのび太たちへ」なので
すでに大人の私は対象外なのかもしれない
その証拠に、「大人になったのび太たちから」セレクトされた話が
1番しっくりときて、
1番心に響きました。

でも私のような大人だからこそ
読むべきなのかもしれないとも思います。

「人生はまだまだ長いんだ。
これからが勝負だよ。」

大人になったのび太に勇気づけられる本でした。


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