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連載、ボトムアップ科学技術④〜市民科学について〜

こんばんは😊
新年度ですネ。まだ学生という身分でもあるわけですが、同級生で大学院に行ったメンバーは今日から新社会人ということで、負けないように僕は僕の道を進んでいきたいと思っております💪‼️ 

こんなしょうもないエイプリルフール言っていても仕方がないので、大学院も2年生になったので悔いを残さないように過ごしたいです。呆れるほど真っ直ぐに!

さて、今日の記事は市民科学について書きたいと思います。
前回の記事は科学技術ジャーナリズムについて紹介しましたが、科学技術の専門知識や専門をわかりやすく一般の公衆に伝える図式で行われているものでした。
では、一般の方、つまり市民は情報をただ知るだけでしょうか❓
いえ、そんなことはありません‼️
市民主体的な科学技術の営為として市民科学(citizen science)があります。今日は市民科学について紹介し、僕がどう関わっているのかお伝えします。

1.市民科学って?

読んで字の如く市民が科学をすることですが、もう少し深入りして定義を確認してみます。
このような概念は人によって説明の仕方や重要視するポイントによって定義は様々ですのでいくつかご紹介する形で留めます。

市⺠科学(Citizen Science)とは、「⼀般市⺠が科学的な活動に関わることで、その多くは科学者や科学研究機関と協働あるいはその指導を受けて⾏われる。」
Oxford English Dictionary,2014
市民科学は、非専門家である一般人による科学的な調査、研究活動と定義される
Silvertown J 
私たちの安全、人権、環境、社会、平和を脅かす諸問題に対して、科学者としての専門性を持ちながら、市民の視点にたって解明、解決をめざす営み
高木基金

国際的にも、ここ20年程で急速に注目を集めてきている概念です。具体的にはどのような事例があるのでしょうか?まずは生物学、生態学の事例を紹介します。

こちらは広範囲での生き物の分布調査が多いですね。日本全国で特定の生き物がどのくらいどこにいるのか?を調べる際には、1人の研究者では到底難しいですよね。一生かかって調べてられても、環境変化や外来種によっても変化してしまいます。そこで、単純にみんなで調べよう!というのがこの事例ですね。一定の訓練を受けた市民の方が、目撃した報告や記録をすることで、研究者1人ではできない量のデータを集められています。

自然科学だけではなく、古文書の翻訳(翻刻)をみんなでする事例もあります。1人でやるのは骨が折れる作業もゲーム感覚や趣味感覚で一般の人が関わることで研究者も研究が進むし、一般の人も研究という営みに関わるチャンスを得ています。

2.高木仁三郎氏について

さて、市民科学のうち研究者の研究を多くの一般市民が手伝うという事例を少し紹介しましたが、市民科学はそれだけではありません。日本で市民科学を語る上で外せないのは故高木仁三郎氏です。

詳しくは是非ご著書をお読みいただきたいのですが📕、氏は原子力工学の専門で原子力発電に携わります。しかし段々と原子力発電の違和感を持ち始め、市民運動としての反原発運動を自ら興しました。
市民運動であっても、科学的な知識や調査などを重視し、きちんと調査やエビデンスに基づき言論活動を行いました。
氏が立ち上げた団体は現在でも活動を行なっています。

また、この高木氏のご遺志によって設立された基金は市民科学の振興のためにご活動をされています。

ここだけの話、昨年研究計画を若手基金に出してみましたが、採択はされませんでした😂修行して出直します。

個人的には、シチズンサイエンスというと、広く科学の研究に市民が関わることと思いますが、市民科学というとその方向性や目的、舵取りや主体性が市民の視点にある
という違いがあるのではないかと思っています。

3.NPO市民科学研究室との関わり

ということで、僕はこの市民科学、とても大切だと思っています。科学技術の方向性を決定する主体は市民(社会)であるべきか専門家や研究者であるべきか?という論争は傍に置くとして、単純に僕は職業柄関わりなくても、歳を取っても科学技術が好きなので市民科学のような一般市民でも科学に関われて、さらにその方向性を自ら考えることができるのはとてもやりたいことです。

そこで、東京に戻ってきた昨年からこちらのNPOに関わらさせてもらっています。

市民の、市民による、市民のための科学。
複雑で高度な専門知に立ち入らねばならない場合であっても、市民がそれを回避せず、しかも専門の細分化に足をすくわれることなく、生活の総合性をみすえて問題解決にあたることが鍵になります。
ホームページより

このような理念のもと、さまざまな研究会を組織したり講演会を行なっている湯島に事務所がある団体です。
僕はその中のアーカイブ研究会に属したり、若い人で関わっているメンバーが極端に少ないため、学生を招待したり、大学にインタビューしに行ったりしています。特に僕の一番大きなお仕事はブックアーカイブの制作ですネ

その詳細については10月に書いた記事もお読みいただきたいのですが、あれから半年ほど経って、本の入力自体は終えております。(ほんとしんどかったです笑)

そして現在はご覧のようにそれぞれの本を種類によって分類しています‼️(ほんとしんどい楽しい🤪です笑)
やっと半分くらい終わったので残り半分分類して、最後に並び替えです‼️(ほんとしんど楽しそうです)
楽しい作業間違いなしなので、東京近郊の方は一緒にやりませんか?(^^)
ま、実際さまざまな本のタイトルや貴重な資料もあるのでとても学びになっております💪

理事長の上田さんはとても知識が広くて深く、愉快な方です。尊敬しているので、楽しく作業できていますね✨

僅かながらでも市民科学に携われていることが本当に嬉しいですし、今後とも学びと経験を積んで市民科学の発展の一助になれたらと思います‼️

会員になると、動画サイトくらしとかがくのアーカイブもご覧いただけます。金銭的に余裕がある方、興味がある方は是非会員になってくださいと宣伝をして、市民科学についてのこの記事を終わろうと思います〜

4.あとがき

7アンバサダーズの中で金曜日担当なわけですが、市民科学のことを書き始めるとついつい長くなってしまいました。最後までお読みいただいた方、誠にありがとうございます😊
リベラルアーツ協会も専門家と社会を繋げる機能がある一方で、自分達も研究会を組織し学びと問いについて探求したり、答えがない問いに向き合っているため市民科学のスタンスや事例についてはとても参考になる部分があります。
非営利団体同士協働できるポイントも焦らずに模索していきたいなと思ってます。
(実は食育の活動でコラボがありそうな予感です)

アンバサダーの方も
「VUCA時代の教育デザイン」
「人事からみた教養教育の大切さ」
というテーマで大学教員の先生と、現役の人事のお仕事をされている方が加わっていただく予定です。来週には記事が読めると思います‼️
お楽しみにー♪

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