見出し画像

西粟倉に視察に行きました

1.はじめに

福岡県から遥か遠く、車で夜に出たら着いたのは朝‼️岡山県西粟倉村に林業や自然エネルギー利用などのSDGsの視察に行ったので記事にします〜

2.100年の森林事業、概要

まずは西粟倉村の100年の森林事業の挑戦について西粟倉村役場産業観光課の大井田 明優様にお話を伺いました(視察料1万円をちゃんとお支払いしました笑)
西粟倉村は人工1500人ほど、600世帯で世帯数は若い人が来るので近年はほぼ横ばいの数字です。
村の面積の93%が森林でそのうち84%が人工林で杉や檜を中心とした林業の村です。
ちなみに森林面積全体に占める人工林の割合は、世界全体で約5%、日本は約40%となっていることからとても多いですね。

画像1

(最近施行されたばかりの森を見せてもらいました。とても明るく光が差し込んでいるのがわかると思います。)

西粟倉村は平成の大合併の際に住民アンケートから西粟倉村自主自立の方針を取り合併しませんでした。
そこで、2008年から100年の森林構想というものを進め活動した結果2019年にはSDGs未来都市認定されるほど林業を中心とした循環社会をつくることを成功しています。

もともと西粟倉村は前後復興のため木材需要の高まりを受け、拡大造林期に天然林を人工林化した背景があります。
現在では林業は下火になってしまい森の多くが荒廃していました。
今まで50年先代が植林してくれた森をこれから50年も生かせるように頑張ろうということで100年の森プロジェクトを村を中心として始められたそうです。
もともと森の問題として、木材価格低下や村をさってしまった人が所有する放置された森林が増えたことが挙げられます。
これを対策するために、
川上(木を生産するフェーズで伐採や森林整備など)
川中(伐採した間伐材の販売のフェーズ)
川下(材を利用するフェーズ)
をきちんと整備する必要がある。
村と個人所有の合わせて75%の森を管理していく計画を立てたそうです。そのために

①長期施行管理委託契約
山林所有者→村→株式会社百森に森を委託し
FSC認証制度による付加価値をつけたり
CO2吸収源販売制度に参入し間伐をするとCO2吸収能力が上がり企業に販売することで収益を得たり
単純に木材を販売、利用することによって収益を得て林業を活性化させます。
収益は村と所有者で半分で折半する契約になっています。

②森林施行の計画
林業を営むにおいて、集約化施行が大事→施行団地を設定したいため、現地調査から設計書の作成を綿密に行います。
施行範囲の明確化、路網の検討をします。

③森林施行の実行
原木市場には出さないでなるべく村内で利用することを目指します。
木材はABCにランク付けられてそれぞれの用途に使います。

画像2

(こちらがC剤、チップになります。)

その後は
④搬出・販売→⑤収益分配
の流れです。

3.より良い林業や課題解決のために

A 森林資源の定量化
どのくらいの材積量があるのか?のデータを取るためレーザー航測やGISCを用いることで実在積との誤差は-20〜+10%ほどの精度で調査をしたり
ドローンを用いて地形解析をして作業の効率化や路網整備の計画を机上で行えるようにしています。

B 事業実行体制の改革
10年やってきたので、人員不足や広域合併からプロ集団をつくるべきでたくさん村内から林業に関連したスタートアップが生まれています。

C 新規契約者確保
まだ森林保有者の全体の4割くらいしか契約できていないため、村を出てしまった都心に住む管理者へのアプローチを進めています。
自分の森の状況や収益がわかるようなアプリを作ったり、三井住友銀行が代わりに運用するという森林信託の仕組みを作ったりしています。この場合森林保有者に固定資産税がかからないというメリットがあります。

D 森林の新たな価値の創造
現在は森を木材生産のために使っているのでグリーンツーリズムといった観光目的や、他の用途にも使う検討がなされています。
自然環境林、環境林、里山林に分類してそれぞれの良さを引き出しつつ利用することを目的としています。

E 川下の取り組み
村の方々に木に親しみを持ってもらうために
木育という誕生祝品を木で送る(ウッドスタート)
取り組みや森のおもちゃフェスティバルを開いたり、公園や図書館などを木の素材を潤沢に用いています。

画像3

綺麗ですね〜
また、C材をバイオマス発電に利用する循環型社会を作ろうとしていることも一つの大きな取り組みです。(こちらは別途記事にします)

4.村の魅力‼️

木の間にある小さな西粟倉村も素敵な場所はたくさん!
色々探訪してきました‼️

画像4

電車です‼️1時間に1本もありませんが、長閑な雰囲気でした。電気というよりかはディーゼル車ですね。

画像5

図書館には多目的室のようなところがあり、集会をしたりピアノがあったり卓球台がありました。元卓球部的にはこんなに綺麗な木に囲まれた場所でラケットを握れたのはとても嬉しかったです✨

画像9

こういった誰でも閲覧、投稿できる一緒にしませんか?という掲示板ストーリーというコーナーがあって、地域住民の繋がりを感じます。基本的に住人は顔見知りになるんだそうです。微熱感があっていいな〜と思いました。

画像8

画像9

こちらはあるの森 (タイ料理古民家カフェ&宿泊)です。とても美味しいしオシャレ‼️
森のそばで落ち着いた雰囲気で食事ができました〜

残念ながら温泉には入れませんでしたが、次の機会でぜひ行きたいなと思いました〜
視察行ってよかった‼️
ありがとうあずき✨

ここから先は

0字 / 1画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?