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意味の図画と言葉の工作、このふたつで僕は文章をつくる

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図画とはクリエイティブであり、工作とはエンジニアリングである。実用に資する公的に正しい文章は、伝達と行動を企図した徹底的な他者志向から生まれる。 文化人や知識人は世の言葉の乱れ… もっと読む
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2017年6月の記事一覧

アウトプットの質を高める方法

アウトプットの質を高める方法

ご無沙汰しています、大堀です。
今年も大学での授業を終えてひと段落。

準備は大変ですが、教えるために自分の理解を深められるのは良い機会です。この記事の内容も授業スライドを考える中で、漠然としていた概念が鮮明になったので書いてみました。

文章でもデザインでもあらゆる創作物に共通する考え方だと思います。
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みる力とつくる力
まずは前提となる「みる力」と「つくる力」について説明します。

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自分なくしの文法、あるいは戦争を防止する文法 --國分功一郎「中動態の世界」-感想文

自分なくしの文法、あるいは戦争を防止する文法 --國分功一郎「中動態の世界」-感想文

 自分の周りで今ちょっとした話題になっていて、なぜか医学書院 シリーズ「ケアをひらく」から出ている、國分功一郎氏が著した「中動態の世界」を読みました。この、「中動態」という言葉と、医学書院から出版されているという2点において、おそらくこの本はナラティヴについての本なのだろうという推測をしていたのですが、やはりそうでした。そして、自分の中では、今ヘルスケアの中で注目されているナラティヴ・メディシンと

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芸術は誰のもの?

芸術は誰のもの?

最近ふと考えることがあります。例えば10本映画を観て10本楽しめる人と3本楽しめる人だったら10本楽しめる方がお得なんじゃないだろうか?

どういうことかと言うと、僕は映画が好きで、なおかつミーハーなので流行りの映画は一通り見るんですが、どこか批評的な目で観ていて純粋に映画を楽しめているのだろうか?と思うときがあるのです。どこか粗探しをしてしまっていると言いますか…。

どういった目で作品を受け止

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ストーリーとは何かについて考える。

ストーリーとは何かについて考える。

ほんと慣用句ってのは厄介なものです。

きのう編集者さんとの打ち合わせの中で、ほんの少しだけ「ストーリーとはなにか?」のところに話がおよびました。これはぼく自身ずっと考えてきたテーマでもあるし、以前とは大きく考えが変わったところでもあるから、いつかのときのために文章として書いておきたいと思います。来年なのか再来年とかなのか、このへんをまるっと一冊の本にまとめようと思うので。

小説でもマンガでも映

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