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エスティーローダーは最高だけども

美容にはあまりお金をかけたくない、というのがわたしの信条だ。というか、信条としてきた。そんなわたしでも最近はある程度お金をかけなければ、自分が到達したいと思える域に達することができないと気づき始めた。とある大台を目前にして。

現在のわたしが行っている、ルーティン化している美容行為は以下の通り。「美容」の定義は「顔や体つき、肌などを美しく整えること。」(デジタル大辞泉より)らしいので、その定義に従ってあげてみる。髪を整えることはこの定義で含まれていないが、髪型ってもはや顔の一部だよね~というフィーリングで顔に含める。お金をかけはじめたものの後ろに◎をつけた。

  • 顔:散髪、ヘアケア

  • 体つき:筋トレ◎、ヨガ◎

  • 肌:スキンケア(朝・晩)◎、化粧

筋トレとヨガはそれぞれ◎がついているけれど、どちらも行えるひとつのジムに通っていて、そのジムの会費が相場より高いので◎。大人になってから運動習慣がなかったので、まずは丁寧に教えてくれるジムに行こうと思ったら、どうしても高くなってしまった。パーソナルよりは安い。まもなく通い始めてから2年となるが、筋トレスキルは身についてきたと思う。なんの指示もなくマシンやダンベルの前に放り出されても、適切な筋肉に効かせるための姿勢や動きがわかるし、自分に適切な重量を選べる(始めたばかりだとこれがわからず、軽いのを持ってしまう)。

筋トレはそろそろ24時間ジムでできそうかなと思っているが、一方で、わたしの中でジムでやることの重要性を増しているのが、ストレッチ系のジャンルである。筋トレ前後にストレッチをするのは大切というので、わたしは筋トレをしたら必ず伸ばす系の動きができるプログラムも受けている。以前に一度、高強度の上半身トレをした後にきちんとストレッチをしなかったら、1週間ちかく腕が肩より上に上がらなかった。筋トレ後にストレッチなりヨガなり行うことで、筋肉痛は格段に減っていると思う。

一度宅トレ動画でストレッチやヨガを置き換えられないかと考えて試したことがある。24時間ジムで筋トレした後に宅トレで伸ばす系をできれば、ジム代は半額以下になる。が、宅トレ動画だと全然伸びが足りない。うちのジムのコーチならもっといろんな箇所を、もっと伸ばす方法を教えてくれるぞ、と思ってしまった。やはりジムのストレッチ系のコーチは伸ばしのプロなのである。その人の状態を見て、こうしたらもっと伸びる、と教えてくれる。

筋トレだって、骨盤の反りとか細かくフォームをチェックしてくれるし、やはりプロに見てもらう安心感をお金で買ってもいいのかもしれないと思う。誤ったフォームであることに怪我をしてから気づくことは、リスクが大きすぎるトライアンドエラーだ。コーチからのフィードバックがあるのが、人がいるジムに行くことの最大のメリットだと思う。それに、家で自発的にトレを始めることができるだろうか…という不安がそもそもある。自分を待っている人がいると思うと行かなければならない、と義務感が生じることが運動を続けるために大事だったりする。ジムにハマりすぎて週3~4行っていた時もあったけれど、今は無理をしないよう週1でやってます。

ジムはもうお金がかかっているけれど、これからどこまでお金をかけてしまうのか、不安でならないのがスキンケアである。現状のスキンケアアイテムは以下の通り。異色のエスティーローダーの存在がお分かりだろうか。

    • ハトムギ化粧水(ナチュリエ)

    • ブースターセラム(& be)

    • ハイドラEXフェイスマスク(LuLuLun)

    • アドバンスナイトリペア(エスティーローダー)

興味本位でエスティーローダーに手を出してしまい、かつそのパワーに気づいてしまった。普段スキンケアでデパコスなんて買おうと思わないのに、海外出張に行ったときに空の上でお買い物をしてみようかしら?と普段はない発想に至り、デパートで買うよりちょっと安いんだろうからと、機内販売で買ってしまったのがあったのだ。精神が下降旋回していく間にスキンケア用品を溜め込みがちであったわたしは、仕事を休んでからコツコツとストックを消化していき、最後のほうに、とっておきとして残しておいたのがアドバンスナイトリペアだった。

翌朝の毛穴が全く違います。たぶん肌がパンと張っていることによるもの。明らかに毛穴が小さくなっていた。高い基礎化粧品の試供品ですら、1回使っただけで効果が実感できるものは過去にも数えるほどしかなかったが、アドバンスナイトリペアは確実にその部類に入る。そしてそれが試供品でなく、現品でここにあるのだ。(トライアルもせずいきなり現品で買ってしまうのが、空の上の魔力なのであった…)数日使っても肌に合わないというサインは出ず、そのままkeep going。何日経っても同じ効果が続く。

半分ぐらい使ったところでやや感覚が麻痺して、エスティーローダーに頼らずとも肌は綺麗なんじゃないか?と考えた。仕事を休み始めてから徐々に、格段に肌は良くなっていたし、休職に至るまでのストレスが肌を悪くしていただけなのではないか。化粧品のおかげではないかもしれない、と疑い1週間中断してみた。

肌がしぼんだ。毛穴は目立つし、頬もくすんでそばかすが目立つような気がした。3日ぐらいでその効果は消え入った。大変恐れながら、もうご自身の地肌を信じる時期は過ぎたのです、お客様。受け止めるしかない素肌を写す鏡の前で一旦は目を伏せたが、ここまでよく頑張ってくれたと自分の肌を労りたいような気持ちがした。もう半分のエスティーローダーを使い切ろう。それさえ使えば、また肌がツヤツヤになるんだ。でも、その半分がなくなったら、そのあとわたしはどうするの……?

エスティーローダーの価格を考えると暗澹たる気持ちだった。この美容液を買い続ける財力がないわけではない(復職さえできれば)、意外と持ちも良いし。でも美容にこんなにお金をかけていいのだろうか?これまでのポリシーを崩さなければ、年齢なりに、最低限保ちたい肌のコンディションすら保てないんて。ホンマつらい。

これからどうするのかまだ結論は出ていない。プチプラでも良い美容液を探すのか、夜だけ頑張らず朝のスキンケアにも力を入れるのか、目指す肌を見直すのか、エスティーローダーを大切に使うのか、まだわからない。自分に合う化粧品を探す旅は時に徒労に終わることも、これまでの経験から知っている。自分の年齢なりの肌の水準がわかっておらず、目標が高すぎる可能性もある。

プチプラでもこの感じ、とすることに誇りと喜びを感じてきたからこそ、この絶望がある。若い頃から信じてきた価値観が老いた自分を苦しめることの一例なんでしょうねえ、これも。エスティーローダーを知らなければ、自然に肌の加齢を受け入れられたか?いや、いつか一定の老いを感じたところで結局わたしは足掻くのでしょう。だとしたら、早めに手を打てるところで打つのも良いのでは?ひとはいつスキンケアを諦めるのか。いやでもうちのおばあちゃん、まめに化粧水と乳液をして、年齢なりだけどピチピチお肌だったな。

こうしてスキンケアから、老いとの向き合い方を学び始めるのでした。


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