雪田文 (Fumi Yukita)

エッセイを読むのが好きなので、書いてみましたというやつです。会社員ですがいまは仕事を休…

雪田文 (Fumi Yukita)

エッセイを読むのが好きなので、書いてみましたというやつです。会社員ですがいまは仕事を休んでいます。平日毎日投稿をめざしています。

最近の記事

大量に読んだ中でよかった本(小説編)

前回に引き続き、大量に本を読んだ中でよかった本をご紹介。今回は小説編です。 第3位 川上未映子『夏物語』 読んでみた動機や読後の気持ちについては、エッセイの第2位とだいたい同じなので割愛。 川上未映子の小説で読んだのはこれが1作目。この文体、イケる!と思ったから小説も2冊、3冊と読み進めることができたと思う。比喩表現がそこかしこに、これでもかと、散りばめられていて、どんな風に毎日物事を見たらこんなに比喩がでてくるんじゃい!とついツッコミたくなってしまう(いい意味で)。そ

    • 大量に読んだ中でよかった本(エッセイ編)

      まとまった冊数の本を一定期間に読まなければ、前に読んだ本の内容は記憶の彼方にあり、読んだ本同士を比較するとかにはならない。幸か不幸か、休職により一定期間に大量の本を読んだわたしは、これまでの読書体験よりも遥かに、好きな本・嫌いな本があることを自覚した。そして、それはわたしの思想にもなっていることを自覚しなければならないとも思った。 本を選ぶことに慣れていなかったので、あまりに自分に合わない本をブックオフで買ってしまい、三分の一読んだところで、もう嫌だと読まなかった本。図書館

      • 大量に本を読むことになった話

        大量の本を読んだことについて、以前の投稿でちらっと触れた。休職して、まずは日中は起きていることのみが求められて。その後、可能な時に「作業」をしてみましょうとなったので30分のゲームから始めた。30分のゲームが3時間できるようになったところで、作業内容に指定が入り、読書をしてくださいと言われた。絶望であった。 わたしは元来、本を読まない人間だ。義務教育時代には学校が設けた強制的な読書時間にしか本を読まなかった。高校時代は本を読んだ記憶がほんとうにない。大学生になって、周りに読

        • お守りの香り

          千早茜の『透明な夜の香り』を読んだ。人並外れた鋭敏な嗅覚を持つ調香師が、特別な悩みを持つ人のために特別な香りを作る話。香りは時に人を幸せを贈り、時に不幸をもたらす。 同書によると香りは海馬に直接届いて、永遠に残るらしい。思い当たる節がある。わたしが再び出会ったひきだしとなる香りは、普通に商品化されていた。 たまにはちょっといい入浴剤を使いたい、と思ってテスターを嗅いで選んで買ったもの。テスターを試したときには、好みの香りだな、と思って買っただけだったが、家に帰って風呂の蒸

        大量に読んだ中でよかった本(小説編)

          冷凍ラーメンがおいしい

          最近の冷凍ラーメンはマジでうまい。冷凍麺はパスタ以外食べてこなかったけど、最近になってラーメンとかうどんとかを食べみるのにハマっている。冷凍パスタはどうしても麺がビヨビヨしていて、伸びてる感が否めないと個人的には思う。が、うどんは言わずもがな、ラーメンは結構イケるのである。 最近の冷凍食品はおいしいのかもしれないと気付かせてくれたのは、江頭2:50のYouTubeチャンネル「エガちゃんねる EGA-CHANNEL」だ。普段はライフスタイル系のオシャレ動画しか見ないわたしだが

          冷凍ラーメンがおいしい

          『光る君へ』のために『ゴッドファーザー』を見た

          北野武監督『アウトレイジ』はわりかし好きだった。『アウトレイジ 最終章』は劇場に見に行って、凄惨なシーンが近づく気配がすると薄目にし、いよいよの時にはバッチリ目を瞑っていたにも関わらず、なんとなく好き。ストーリーがどうこうというよりも、独特の台詞回しが生み出すリズム感が好きで見ていた。そろそろ帰ろう、とそれがわかる人に言う時は、アウトレイジから台詞を借りて「帰るぞ、木村。」と呼びかけたりする。もちろん、その人の名前は木村ではない。 そもそも最近アウトレイジシリーズのことを思

          『光る君へ』のために『ゴッドファーザー』を見た

          街々の天気

          東京の冬の空は青い。この冬、夫と歩きに出た時は会話の隙間に「空が青いなあ」と幾度もこぼした。年々青くなっているように思える。大陸から海に向かって吹く風が、山にぶつかって日本海側に雪を降らせる。水分を無くした空気が山を越えてやってくるから、東京の冬は毎日晴れて乾燥している。冬の青さに気づいたのは2度目に東京に住んでからだと思う。 綿矢りさの小説『手のひらの京』を読んだ。京都(京都市の中心部)を舞台として、生まれも育ちも京都の三姉妹の恋愛・就職模様を描く。同市出身の著者による風

          お手入れはセルフケア

          ある人と10年後に会った時、その人が10年前と同じものを身につけていたら、素敵だろうなと思う。 日頃身につけるものを手入れをするのは好きな方だと思う。本革の靴やバッグはツヤが減った時にクリームで磨くし、スニーカーは汚れが目立ったら表面をクリーナーで洗う。春と冬のコートはシーズンごとにクリーニングに出してから衣替えするし、ぐらついてきたシャツのボタンは落としてしまう前に付け直す。 大人になるにつれて、手入れさえすれば長く使えるものを持つことが増えてきた。お手入れははじめはめ

          お手入れはセルフケア

          【光る君へ】第12回「思いの果て」を見て〜まひろと妾〜

          1. 第12回「思いの果て」感想『光る君へ』第12回を見て、またもや「うわああ」とか「ああああ」とか言いながら45分が終わった。気持ちを音にして出さないと、気が済まない大河ドラマです。第12回はラスト15分で気持ちがぐちゃぐちゃになった。史実知ってるんだよね?と夫に言われる。 庚申待(こうしんまち)の夜に届いた道長からの文。まひろも視聴者も待ち望んだ廃屋での逢瀬なのに、まひろは道長から「左大臣家の一の姫に婿入りすることとなった。」と告げられる。前回の逢瀬から考え続けた末に

          【光る君へ】第12回「思いの果て」を見て〜まひろと妾〜

          つかれたときの体調管理

          昨日の朝は体調がわるいと言うほどではないが、あんまりいい感じじゃなかったので、昨晩はなるべく自分をいたわりいたわり過ごしてみた。週末に心身のメンテナンスの時間を取れなかった場合の対応策を考えてみようと思いやってみたが、今朝は花粉症による鼻水が止まっているので、うまくいったのかもしれない。やってみたことをご紹介。 夕食にあたたかいスープを飲む 最近はすこし暖かくなってきたので、夕食に温かいものをあまり食べていなかった。内臓を労れるかなと思い、インスタントだけどスープを飲んだ

          つかれたときの体調管理

          体調管理はむずかしい

          この週末は遊び倒したおかげで本稿執筆時点(月曜朝)のコンディションはいまいち。マスクをしていたといえど1日中外にいて花粉を浴びすぎたのか、友との会話が楽しくなって酒をあおりすぎたのか、鼻の調子がすこぶる悪い。そんな日に限ってポケットティシュをいつもより少なめにしか持ってきていないので、この枚数であと何時間図書館タイムを過ごさなければならないのかと恐ろしくなり、気持ちよく鼻もかめない。室内に移って30分以上経つのに鼻水はおさまることがない。 そもそも昨夜を思い出すと、いつもよ

          体調管理はむずかしい

          春キャベツ焼きそばをつくろう!

          季節の野菜を食べるようになったのは、野菜が好きだからとかおしゃれだからとかではなく、お財布に優しいからである。 はじめての一人暮らしは大学生の頃、3食規則正しくて代わり映えも新しいアイディアもない実家のご飯から解放され、勝手気ままに食べたり食べなかったりすることが楽しかった。奨学金を借りていてあまりお金もなかったけれど、家計についてしっかり考えることはなかった。安いからといってレトルトのソースでスパゲッティばかり食べていたら、ビタミン不足のせいか、ものすごい頻度で風邪をひい

          春キャベツ焼きそばをつくろう!

          未経験者のポケモン

          仕事を休みはじめて最初の頃は、うつ状態により物事に集中することが難しかった。蓋をされた暗い鍋の中で、ぐらりぐらりと揺り動かされているような、目の前の何事も感じ取れないような日々が続いた。本当にひどい時は大好きだった料理なんて取り組むことすらできなかった。少し回復しても、見えているのに見えていないような視野で、指が危ないような気がしながら、何とか目線を定めて野菜を切るのがやっとだった。 物事にどれぐらい集中できるかを測るため、できるときに何らかの作業をするよう医者に言われた。

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          お茶とホワイトニングと

          半年に一度、歯医者の定期検診に行くと、それぞれの患者に前回何を言っていたかをいちいち覚えていない先生は、「コーヒーとかお茶とかよく飲まれます?」と毎回聞く。コーヒーやお茶は着色汚れの原因になるとの説明が毎回あり、かといって先生はコーヒーやお茶をやめろと言っているわけではないのだが、コーヒーやお茶が好きであるならば相応のケアをしないと審美性が失われることを仄めかす。 蓋がワンタッチで開けられる点だけが気に入って何年も使っている歯磨き粉は、特段ステイン汚れ対策に力を入れたもので

          お茶とホワイトニングと

          『豆腐屋の四季』を読んで

          つい何日か前に平日の毎日投稿を始めたに過ぎないのに、その数日間の♡の数にもう一喜一憂していたところ、読んでいた本の中にタイミングよく出現した文章だ。 1937年生まれの松下竜一は、実家の豆腐屋稼業を担いながら、その清廉な生活の様を詠んだ歌を朝日歌壇に投稿し、数々の歌で入選。結婚式の引き出物としてつくった小歌集『相聞』について妻が新聞投稿したところ、話題沸騰となり一時マスコミにひっぱりだことなる。豆腐屋として過ごす日常を綴った随筆・歌集『豆腐屋の四季』を刊行し、テレビドラマ化

          『豆腐屋の四季』を読んで

          平山の朝

          規則正しい生活をしようとすると、朝のルーティーンは固定した方が生活が簡単になることがわかった。仕事を休む前は在宅勤務が多く、9時ぐらいに仕事を始められるよう(その時間すらも自分次第)適当な時間に起きて、朝ごはんはその時にあるもので作って食べて、自分の決めた始業時間までテレビを見たりスマホを見たりして過ごしていた。 いまは開館時間に合わせて図書館に行くようにしているので、朝にやることの内容、手順を固定して、それらをするために十分時間が確保できる一定の時間に起きている。今日は雨