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「やさしい日本語」による情報発信か? それとも「英語」による情報発信か?


以上の円グラフと表はともに「東京都つながり創成財団」(2022) p.15参照


Ⅰ「円グラフと表から、全体的にどのようなことが読み取れるでしょうか?」

この結果からは、在住外国人の大多数がやさしい日本語による情報発信を希望していることがわかります。特にベトナム語を母語とする人々の中では、ほぼ全員がそのような希望を持っていることが示されています。

一方、欧米圏出身者の中には、やさしい日本語による情報発信を希望しない人も存在することがわかります。これは、彼らが既に日本語に習熟しており、より高度な言語表現や専門的な情報を求めている可能性があります。また、文化やコミュニケーションの違いによっても、情報の伝達方法や言語のニュアンスに対する好みが異なることが影響している可能性もあります。

この結果は、やさしい日本語による情報発信の重要性を示しています。外国人が日本の情報にアクセスし、理解するためには、分かりやすい言語表現や配慮が必要です。情報提供者は、異文化間のコミュニケーションを円滑にするために、できるだけわかりやすい日本語を使用し、情報の品質とアクセシビリティを向上させることが望まれます。

「円グラフと表から、ベトナム語母語話者と欧米圏の特徴を考えてみましょう」

ベトナム人の場合、英語が苦手である可能性が高いため、やさしい日本語での情報発信を希望していると考えられます。彼らはより分かりやすい表現や簡単な日本語で情報にアクセスしたいと思っているかもしれません。

一方、欧米圏の在住外国人は英語を母語とする人々が多いため、英語での情報発信を希望する傾向があるかもしれません。彼らは日本語に習熟しているか、少なくとも英語での情報収集やコミュニケーションに慣れている可能性があります。

このような文化や言語の背景によって、在住外国人がどのような情報発信を希望するかが異なることが考えられます。そのため、情報提供者は異なるニーズに対応するために、複数の言語や表現方法を用意することが重要です。特に英語とやさしい日本語の両方で情報発信を行うことで、多様な外国人層に対してアクセシブルな情報提供を実現することができます。

Ⅲ「日本在住のベトナム人が相対的に英語を苦手にしている理由」

ベトナム人の中に英語が苦手な人が多い理由はいくつか考えられます。

  1. 教育環境: ベトナムの公立学校では、英語の教育が必修科目ではありますが、実際の英語教育の質や充実度は地域によってばらつきがあります。資源の限られた学校では、英語の授業が不十分な場合があり、基礎的な英語力が身についていないことがあります。

  2. 言語の違い: 英語とベトナム語は言語構造や文法、発音などが異なるため、学習者にとっては学びにくい言語です。言語の違いが英語の習得に難しさをもたらすことがあります。

  3. 文化的要素: ベトナムは英語圏ではなく、公用語も英語ではありません。そのため、日常生活で英語を使用する機会が限られている場合があります。コミュニケーションに必要な英語の実践機会が不足しているため、英語の習得が困難になることがあります。

これらの要因が重なり、ベトナム人の中に英語が苦手な人が多い傾向が生じていると考えられます。しかし、最近では英語教育の改善や英語に対する関心の高まりも見られますので、将来的には状況が変化する可能性もあります。

Ⅳ「日本在住の中国人が相対的に英語が苦手な理由」

日本在住の中国人の多くが英語を苦手と感じる理由は、以下のような要因が考えられます。

  1. 英語教育の質の差: 中国の大都市圏の一部の学校や私立学校では、英語教育が比較的盛んに行われています。しかし、英語教育の質は学校や地域によって異なります。一部の学校では英語教育が充実している一方、他の学校では英語教育が不十分な場合もあります。そのため、英語を習得する機会や教育の質に差が生じていることが要因となります。

  2. 日常生活での使用機会の差: 中国人の多くが日本で働いたり、留学したりする場合には、主に日本語を使用する機会があります。英語を日常的に使用する必要がないため、実践の機会が限られていることが苦手意識を引き起こす可能性があります。

  3. 文化的要素: 英語と中国語は異なる言語であり、言語構造や文法、発音が異なります。中国人が英語を学ぶ際には、言語の違いや異なる学習方法に適応する必要があります。また、英語の発音やアクセントが中国語とは異なることも、英語の習得に苦労する要因となっています。

これらの要素が重なり、日本在住の中国人の多くが英語を苦手と感じることがあります。英語の習得には個人の努力や学習環境の改善が必要ですが、異なる言語や文化の間でのコミュニケーションには、時間と経験が必要な場合もあります。

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