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「ネガティブ」は、生きてる証。『ペルソナ(中野信子)』

最近の気温の変化、緊急事態宣言、GWも終わって、なんだかネガティブになりませんか?ネガティブを抱えてモヤモヤ〜んな人と、私、この本を共有したい!

というわけで今日ご紹介するのは、

『ペルソナ(中野信子)』

ポジティブでもネガティブでも
あなたはあなたでしょ?

この本の著者、中野さんの自伝といった形を取ってるこの本ですが、実際、読んでいくとそんな感じがあまりしません。

中野さんのスパッとした語り口に、「ハッキリしてる方だなぁ」と感じて、思わず読む手が止まりかけておりました、私。この際ハッキリ言いますが、隣で優しく寄り添ってくれるタイプの本ではないです。どちらかというと、真摯に正面切って向き合ってくれて、なんでも言える大親友タイプの本だと思います。正直、重い…と感じることも(だって大親友だからね。笑)。

でもね、これ読み進めていくと、「ネガティブなときはネガティブでいいんだな」と自分を肯定したくなります。

「ネガティブ」な気持ちにも意味はある。

”本当に溺れている人は溺れているようには見えない。溺れる人は、静かに沈んでいく”

ネガティブな気持ちを出せずに苦しくなった経験がある私、この部分にガッツーンと衝撃を受けました。水の事故に例えて、心の苦しさのことを指しているんですが、本当に苦しい人は、なんらかのサインすら出せずに沈んでいくんですよ。

私が学生時代だった10年ほど前は、「ポジティブ」が持て囃されて、「メンヘラ」(今で言う「陰キャラ」と近いかな?)という言葉が蔓延していました。ネガティブなセンシティブな部分が、半ばエンタメ化されてるような感覚に、嫌悪感があったのかもしれません。


一方で、「ポジティブな方が良い」って刷り込まれてしまっている人の多いこと。かくいう私もその1人でした。ネガティブな気持ちをさらけだすことで、「メンヘラ」とカテゴリー化されるのが嫌で、とにかく明るい自分を全面化してました。でもそれって苦しいんですよね。

「ネガティブ」な気持ちにも意味がある。この本の中で、ネガティブな感情は人間が生きていく上で、総合的に見て価値のある思考様式で、人生における問題を効果的に分析、対処する仕組みなのでは、といったことを中野さんは語っています。「ネガティブ」「ポジティブ」って気持ちに踊らされないで、自分の気持ち1つ1つを丁寧に取り扱いたいです。

そして、ああ、そうだよなあ…って思ったところがここ。

”勝ち組・負け組という言い方があるが、この言葉には稼いでいなければ生きている価値がないとでもいうかのような野蛮で貧しい響きがある。“
“生き延びるということ自体が、大いなる達成だ。“

生き物の世界なら、生き延びること、いわば種の保存自体が大きな意味になんですよね。スケールが大きくなってしまうけど。
人生を勝ち負けで定義することがそもそも浅はかなのでは?と共感。そして、実は後ろに大きな優しさがあるよね、この言葉……!

私流「ネガティブさん」の”もてなし方”

人間だもの、テンションが高いときだって、落ち込むときだってありますよ!多かれ少なかれ、それはみんなあること。ネガティブなときに、自分を攻めてどんどん自信喪失する悪循環に陥るぐらいなら、その波を乗りこなすための手段を手に入れる方がよっぽど健康的な気がする。

私は落ち込むとき、とことん落ち込まないとなかなか浮上できない上、テンションの浮き沈みの波が激しいけれど、その感情1つ1つに意味があるのなら、その感情を大きくコントロールしたくない。むしろ、

「いかにその感情を“もてなすか“」という方向に注力している、今。

参考までに軽く触れておきますね。私の場合は、普段、いつ「ネガティブさん」(一応“もてなす“ので、せめて少しでもポップにこう呼ばせていただく)が来てもいいように、時間の余裕は保とうといつも思っています。

ネガティブさんが来たら、潔く諦めて1日フリーな日を作ります。そんな日は家事も仕事も全部放棄。状況によっては、しなきゃいけない仕事もあるので(そういう人の方が多いよねきっと)、本当に切羽詰まっているときは「それだけ」やります。

とにかくミニマルに、必要ないことを全部やめます。

落ち込み続けているときは、基本、布団にくるまって寝ているのですが、急に動ける瞬間が来ます。そしたらこっちのもの。もう動けるぞ、とばかりに、簡単な家事か読書(漫画が多い)を1つだけやります。そうしているうちに少しずつニュートラルな状態に戻っていきます。


ここまでが私の波の乗り越え方。逆にテンション高いときは多少のセーブをしておきます。

「ネガティブさん」とこの本とアロマと。

この本とアロマをコーディネートするなら?

ネガティブな気持ちなら、単体でフランキンセンスやマジョラムがおすすめです。
フランキンセンスは落ち着きのあるスモーキーさもありつつ、少し爽やかな柑橘感がある香りです。一方でマジョラムはハーブ感強め、ちょっとツンとした感じもありつつ、気持ちをゆったりさせてくれると言われています。(※運転前や集中したいときは使用を避けてくださいね。)うつうつしがちな気分を高めるものもいいけど、寄り添ってくれる香りの方が好みです。

ネガティブで何にもしたくないときに、とりあえず枕かティッシュに垂らして香りを楽しむのがおくのがいいかも。楽ちんです。

※皮膚に直接塗るのはNGです。皮膚に直接触れない場所に使いましょう!

「ネガティブ」な気持ちは敬遠されがちですが、向き合ってみるのも大事なことだと思っています。「ネガティブさん」の自分なりの”もてなし方”、ぜひ見つけてくださいね!

余談ですが……

読書への苦手意識、悩みなどありますか……?次回は脱線して「読書したいのに続かない」悩みについて考えてみたいと思っております…!

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