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舞台監督の処世術4

多くのしがらみを抱えながら、仕事を進めてゆく舞台監督がいかにして、種々雑多な幕内の人々とうまくやってゆくのか?
についてのパート4です。

いろんなセクションの方々と仕事を進める際、気をつけてることは、お互いの意地の張り合いだったり、駆け引きだったり、仕事そのものから離れた論点での言い合いにならないようにすることです。

これはまったく時間の無駄です。でも、長い巡演で精神的に鬱屈してくると、いつのまにか、皆の言動に異変が起こったりしますので、要注意なのです。

そんな無駄な言い合いをやっていると、舞台そのものの成果が置いてきぼりにされるし、仕事上の優先すべき価値基準があやふやとなり、各々が各々の主観を頼りに、勝手なことをやり出します。


なので、できる限り誰もが公平で、理にかなった、客観的基準にもとづいた話し合いを心がけるようにしてます。
「誰々が言うから、正しい」という思考ではなく、事実や証拠、数字などを物差しにして、行うことを選択してゆくという思考です。

客観的基準といえるものは、
①誰もが納得でき、
②誰でも実行可能で、
③誰にとっても公平
なものであり、そこに基づくことで、
皆が合意をもって物事に取り組むことができます。

そうすると「本当はこうしたいよな~」みたいに思いながら、仕事をする人が減ってゆくわけです。健全な労働環境作りためにも大事なことです!

そんな雰囲気を浸透させるために、
相手と話し合う際は、舞台監督としては、常に
論理的に話し続け、相手の提示する内容の根拠に耳を傾け続けます。

そして、
客観的基準から外れて、物事を主張する人に対しては、
その土俵には絶対乗らず、筋道の通った根拠を示し、相手の理のみに耳を傾ける姿勢を崩さないでいること。

そんなことを意識して、己の精神を強く持って、班のメンバーに気を配りながら、ツアーを無事にこなしてゆく舞台監督さんって、誰もおっしゃらないから言いますが、偉いのではないでしょうか?

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