小野文次郎

"お芝居創る者" 舞台監督、歌舞伎の附打や狂言方、脚本書いたり、演…

小野文次郎

"お芝居創る者" 舞台監督、歌舞伎の附打や狂言方、脚本書いたり、演出しながら、日本全国を飛び回ります。 多くの人が演劇に興味を持つ世の中を目指して、七転八倒しつつ、あくせく生きてます。

最近の記事

ほんとにあった不思議な出来事

    • 舞台監督の処世術4

      多くのしがらみを抱えながら、仕事を進めてゆく舞台監督がいかにして、種々雑多な幕内の人々とうまくやってゆくのか? についてのパート4です。 いろんなセクションの方々と仕事を進める際、気をつけてることは、お互いの意地の張り合いだったり、駆け引きだったり、仕事そのものから離れた論点での言い合いにならないようにすることです。 これはまったく時間の無駄です。でも、長い巡演で精神的に鬱屈してくると、いつのまにか、皆の言動に異変が起こったりしますので、要注意なのです。 そんな無駄な言

      • 舞台監督の処世術3

        舞台監督は、公演業務に携わる中で、いろんな問題に直面します。 自分が問題の原因の時もあり、自分の知らないところで問題が勃発し、「舞台監督さん、どうにかしてよ」と責任が被さってくることも日常茶飯事の如くございます。 そんな、気苦労多き舞台監督が、世間のしがらみを潜り抜けるために編み出された秘技をお伝えします。 まず、問題が起こった時の思考手順として、心がけている順序です。 ①問題について状況を正確に把握 ②把握した状況を整理、解決すべき障害を列挙 ③解決策、アイデアを、幅広く

        • 舞台監督の処世術2

          お芝居は、大道具、照明、音響、小道具、衣裳、出演者、はたまた制作者まで、さまざまなセクションが関わって創られます。 そうなると、当然お互いの主張、要望がぶつかりあって前に進まなくなる時があります。 そこで重要な役割を果たすのが、『舞台監督』ステ~ジマネ~ジャ~。 というわけで、多くの気苦労を重ねて叩き上げられた舞台監督が、 こっそり使う、みんなと仲良く仕事をするテクニックを紹介します。 (パート2) 舞台監督が、幕内のどなたかに「これ(問題点)どうにかしてほしんだけど」と

        ほんとにあった不思議な出来事

          舞台監督の処世術

          舞台監督は、 俳優さん、照明さん、大道具さん、音響さん、小道具さん、衣裳さん、床山さん、~さん、~さん、さんさんさんと さまざまなセクションとコミュニケーションして舞台をまとめるという大変重要な役割を担っております。 だとすると、 大体想像できるかと思いますが、みんな自分の都合があって、それを叶えたいので、主張することで、他のセクションとぶつかります。 その間に入って、方針を決定してゆくという、気苦労の多そうな仕事をする人が、すごく簡単に言えば、舞台監督です。 各セクショ

          舞台監督の処世術

          舞台って生ものだからこそ、味わえるものがあるし、このご時世でつぶれてしまうのはなんだかなぁ~

          舞台では、同じ演目でも、公演ごとに、大受けしたり、まったく静まり返っていたり、いつも反応のないところで反応したりと、 お客さんのリアクションが毎回違うのが当たり前。 そんなリアクションから出演者は、もちろん触発されて、芝居に何らかの影響が生まれるし、もっと長期的にみたら、最適な間だとか、話の落とし方だとか、お芝居のポイントとか学んで、回数を重ねるごとに進化していったりします。 一方で、お客さんの方でも、どなたかの反応につられて、その瞬間での舞台の出来事に意識が向き、反応の

          舞台って生ものだからこそ、味わえるものがあるし、このご時世でつぶれてしまうのはなんだかなぁ~

          悩んで、悩んで、まあ、何も変わらなかったりで、

          キリストだって、はじめの頃は、当時の社会の風潮とはかけ離れた思想を主張して、変人扱いされたけど、頑なに信念を貫き通した結果、今のように多くの人から受け入れられる宗教にまでなったのさ。 だから、僕は自分を信じて、なにがなんでも我が道を進み続けよう。 と進み続けた結果、 友達がいなくなりました。 いや、これはまだ、栄光へ向かう途中なんだ、一度は落ちるところまで落ち、それからだんだんど上向きになるのさ、 と言い聞かせて、 15年経ちました。 現実って、やっぱり、ドラマのよ

          悩んで、悩んで、まあ、何も変わらなかったりで、

          今の時代に演劇をするわけ?

          演劇をやろうと思ってから、もう二十四年経つ。 大学の時、ちょっとした浮かれ気味の好奇心から、お芝居をやってみようと思って、足を踏み入れた世界ではあるが、思っていたより、現実は厳しく、世間からの認知度も低く、歳を重ねるほどに、「これでよかったのだろうか?」という疑問が多く生まれてくる。 これまで、演劇を通していろいろな人に出会った、当時はその人達とこのままずっと一緒の時間を共有し続けるのだろうと勝手に思い、それ以上深くは考えなかった。 だが、今、過去を振り返ってみると、あ

          今の時代に演劇をするわけ?

          衝撃!!自分の死体と対面した男

          世にも奇妙な、江戸シュールコメディでございます。 【登場人物】 八、熊、中年男、野次馬①②③      浅草雷門前 八 「なんです?大勢立って……なんかあるんですか、こん中」 野次馬① 「行きだおれだそうですよ」 八 「行きだおれ?そりぁ見みてえもんですな」 野次馬① 「あたしも見たいと思って……」 八 「前のほうへ出られませんか?」 野次馬① 「これだけの人だから、股ぐらでもくぐらなきゃ、ちょいと出られやしませんね。」 八 「股ぐらぁ? ああそうですか…

          衝撃!!自分の死体と対面した男

          因果応報 ♬連鎖は続くよどこまでも

          落語『もぐら泥』より。芝居仕立てにアレンジしました。        人間の欲望と欲望が交錯する世の中、ただ無常に時は刻まれてゆく・・・         時:大晦日前日の夜。      場所:ある裏長屋の一間。      夫が、座敷に座って、銭をそろばん勘定している。      妻は、夫の隣で縫物をしている。 夫 「おかしいなぁ、今月はこんだけ商いがあったんだがなぁ。金がこいだけだなんて……これが明日の支払いかよ。今月は金が残るはずだけど……お前、もしかして、こっから

          因果応報 ♬連鎖は続くよどこまでも

          嫁、姑の静かなる血みどろの争い

          ~嫁と姑の水面下での争いをショートコント風に~ 幸助 「ごめんください、権さんいるかい?」 嫁 「あら、幸助さん、あいにくウチの人出かけて留守なんですよ。どうかしました?」 幸助「いやね、明後日に次の寄り合いがあるんで知らせにきたんだよ。」 嫁 「いつもの寄り合いのことなら、ウチの人が帰ってきたら言っときますよ」 幸助「そうかい、じゃ頼むよ」      突然、おならの音      姑、現れる 姑 「おやおや、なんだね、お前さん。お客様の前で行儀の悪い。少しは慎

          嫁、姑の静かなる血みどろの争い

          亭主にバレずに、男を外へ逃がす方法

          落語『風呂敷』を、アレンジして10分程度の芝居仕立てに、書き換えてみました。 【登場人物】 政五郎・お崎・熊五郎・新吉       鳶頭政五郎の家 政五郎 「どうしてお前、そんなふうにして家へ飛び上がるんだい。下駄をあっちゃこっちゃ蒔きやがって、芽が出てきたらどうする。ほんとにしょうがねえんだから、なんだいどうしたんだよ。」 お 崎 「まあ兄さん。大変なんですよ。」 政五郎 「また大変騒ぎかい、やたらに大変なんて言葉を使うんじゃないよ。」 お 崎 「じゃ、どうい

          亭主にバレずに、男を外へ逃がす方法

          大事なメモを捨てたことに気づいた時、血の気が引いたけど、なんとか頑張った男の末路。

          熊「半公! 俺は四、五日ほど用事あって、ちょっくら田舎へ帰っから、留守の間に誰か訪ねてきたら、そう伝えといちくれい。頼んだぞ! 」  熊、そそくさと出かける。 半次「ああ、兄キ。待って、・・・行っちまった。たく、人がしゃべろうってのに、行っちまうんだもんな。ほんとに気が短けえんだから。ありぁ早死にするね。南無阿弥陀仏・・・。まあいいか、たまには兄貴がいねぇ暮らしも気晴らしになるかもしんねぇな。でもオイラ、物覚え悪りぃから、四、五日も兄キの言い付け覚えてられっかな?そうだ、

          大事なメモを捨てたことに気づいた時、血の気が引いたけど、なんとか頑張った男の末路。