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三文小説(短編・掌編)

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#エッセイ

【掌編】炭の香りと雨の音

この店に通うようになって2年はたっただろうか。もうあたしがいても不思議じゃなくなったのだと思う。

あんまり騒がしいのが好きじゃないから雨の日の暇なこの店と、暇そうに煙草をふかしている大将が好きだ。

決して綺麗でお洒落とは言えないこの店にあたしは一種の美学を感じている。馴染みの人々との取り留めのない会話は1人メンバーが変われば流れが変わる。同じ話の内容にはならない。

これはあたしが思う、うつく

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