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就活の早期化は誰にとって善なのか

こんにちは、もりもとです。

日々、大学生や企業の方と接していると、旬の話題は常に「採用」「就活」。
4月に入り、26卒の新3年生が動き出してきていますが、採用の成功に繋がっていくのかは、疑問なところでもあります(25卒だって終わってないのに…)。

令和の新卒採用の在り方について、私は反対意見を唱えていることが多いですが、
改めて人事の方も、学生の方も、「エージェントに振り回されない」とはどういうことなのか、考えてみませんか?

人材紹介会社が儲かる仕組み

学生の皆さんは、意外にも知らないという声が多いのでお伝えしていきます。
皆さんがお世話になっている「エージェント」がどういう仕組みなのか?

・この企業の説明会がオススメ
・説明会には複数参加しないと良し悪しがわからない
・面接は数で勝負

など言われていませんか?

もちろん、これが間違っていると言い切るのは難しいかもしれませんが、
学生1人を説明会に動員したら1,000~5,000円、という成功報酬のもとに企業と契約しているエージェントも少なくありません。
学生のあなたが参加することで、儲かっていくのです。

オススメされている根拠を、学生の皆さんはしっかりと理解する必要があります!

更に、契約企業に入社が決まった場合、そこで入金という場合も多くあります。
裏を返せば、入社が決まらない限りは売上にならない。
入社に繋がりそうな学生と、そうではない学生で対応の質に差が出るのも当然。

「人材業界で働いていた人は転職の際にエージェントを利用しない」
ということも言われているぐらいです。
本当に信頼できる担当者なのか、吟味が必要です!!

企業側も新卒採用に苦戦

最近では、対面の合説が流行らなくなってきています。
実際に参加学生の数がググっと減っていることもありますし、解禁時期の3月や6月のような盛り上がる時期が無くなり、年間でなんとなくずっと動いている様子もあります。

オンラインでの説明会や1次選考を取り入れる企業は多く、
コスパ良く学生と接することを重要視している企業も増えました。
街中を歩くリクルートスーツの学生さんは、コロナ前と比べて3分の1くらいになったように感じます・・・

そうなってくると、知名度が低い企業や不人気業界と言われている企業は、
学生との「偶然の接触」の機会が減る事になります。
それにより、母集団形成が困難に・・・。

学生側も、「どこが良い企業かわからない」
という理由から、なんとなく知っている企業にエントリーせざるを得ない状況に。

大手企業の倍率は上がり続け、中小企業は更に売り手市場に、という二極化が進んでいるのは、こういった背景があります。

そうして説明会に学生が集まり切らず、盛り上がらなくなったり、
何回も開催することが無いため、より良い説明会を作り上げることが難しくなったりします。
参加した学生の満足度も上げきれない、という結果にもなってしまうのです。

より優秀な学生と接触したい、より多くの学生と接触したい、
という理由から、早い時期に説明会やインターンを開催していく企業も増えていますが、
スパっと決断できる学生が多くないのがZ世代。
結果的に内定承諾期間を延ばすことになり、採用活動を終えきれなくなってしまいます。
となると、採用に割かれる社員の時間は増え、悪循環に・・・。

早く始めたからといって、早く決まるわけではないのです。。

得しているのは誰なのか

こうやって見てみると、就活の早期化ってデメリットが多いように感じます。
そして、人為的に「企業が学生を集めにくい状況を作っている」と感じませんか?

オンライン化が進むことで、学生は自分の知識で就活を進めざるを得ない。
早期化が進むことで、有名企業や他社に学生をとられてしまう。

企業にとっては「より新卒採用にお金をかけていかないと、採れませんよ!!」と煽り、
学生にとっては「既に内定をとっている人がたくさんいますよ!早く動かないと出遅れます」と煽ります。

新卒採用は難しい、就活は大変
そういう価値観を作り出しているのではないでしょうか・・・

あくまでも、私の一意見ではありますが、
早期化・オンライン化が進み、機械的に採用を進めていく今の就活は良いものとは思えません。
離職率や転職が増えているのがその証拠と言えるのではないでしょうか。

私はこの就活市場を変えていきたいと思って日々仕事をしています。
まずは今の採用の歪みに、ひとりでも多くの人と意義を唱えていきたいところです!

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