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自力でimo焼酎を何倍も美味しく味わう秘訣があります!(仮説)

結論から

私たち人間は時に、香りから連想されるものを味として捉えることがあります。その場合、香りの経験値が高い方が味を感じる幅が広いということになります。なので、多くの種類の香りを経験する事が焼酎を美味しく飲む秘訣だという事だと思います。

焼酎という飲み物

私は福岡でパーソナルトレーナーをしていましたが、令和3年3月に退職し、9月から焼酎蔵に勤めております。同年の6月から鹿児島大学の焼酎マイスター養成コースを受講しており、週に1回ではありますが焼酎に関して座学を受けております。この業界に転職をすると決めたのは2年ほど前で、焼酎に関する本を読んだり、いろんな銘柄を飲んだりしてきました。

現場で毎日焼酎に触れたり、焼酎に関して勉強することにより焼酎という飲み物の事がほんの少し分かってきたような気がします。
今の所、2点あります。
1点目が“私たちは焼酎の味を香りで決めている”
2点目が“香りによって連想される味は人によって違う”
ということです。

焼酎は日本酒に熱を加え蒸留した飲み物で、蒸留酒と言われます。
日本酒やワインは米、ブドウを絞ってできた飲み物で醸造酒と言われます。
原料をそのまま絞った醸造酒は原料の味が存分に入っているのですが、焼酎のような蒸留酒には原料の味はほとんど残りません。
では、焼酎を飲んだ時に感じるあの味はなんなのでしょうか?
それは、焼酎に微量に入っている香りなのです。
香り成分は本当に微量で、一升瓶(1.8ℓ)の中の0.2%程しか含まれてないそうです。ちなみに、一升瓶の内訳は水が75%,25%がアルコールです。

もう少し細かく言うと、芋焼酎ならではの特徴香(芋、麹、蒸留などを由来とする香りの事)はこの香り成分0.2%の中の10%のみなので一升瓶全体の割合で言うと0.002%と言うことになります。
つまり、私たちはこの0.002%から得られる香りを芋焼酎の味として捉えて飲んでいるのです。

味覚なのか経験なのか

人によって味の感じ方が違うように、香りの感じ方も違います。
ただ共通しているのは人は香りによって何かを思い出したり、連想したりできると言うこと。
最近ではバナナの香りがする焼酎や、ライチの香りがする焼酎などが出ています。これは酵母やサツマイモの状態によってもたらされる香りで、その香りから私たちはバナナやライチの味を感じるのです。

ふと思ったのは、日本人が食べているバナナにも味の差があり、例えばスーパーで売られている普通のバナナと、原産国の新鮮なとれたてのバナナを食べたことがある人とでは香りから連想する味に違いがあるのではないか?と言うことです。
つまり香りから連想される味というのは味覚だけでなく、何を食べてきたかという経験にも影響されるという事です。

香りの経験値

香りから連想されるのは味だけではなく、場所だったり、人だったり、草だったりします。
焼酎の面白いところは微量な香り成分の中に、いろんな香りが複雑に混じり合っている所です。

私が造りに関わった焼酎が先日初めて店頭に並びましたが、原料の穀物の香り、味がします。米の籾殻の香りや、土の香りがします。
仕事で原料を扱った時の、米の籾殻や畑の土を思い出します。
僕はこの経験があるから、焼酎からその香りを探し出すことができ、思い出し、それを焼酎の味として変換し味わうことができるのです。
つまり、香りの経験値が高い方が味を楽しめる幅も広いということだと思います。

自分の蔵の焼酎で恐縮なのですが、むろか八千代伝という作品からは
米の籾殻、土の香り、それから連想される広大な畑、眩しい日光、そして原料、仕込みに使用した綺麗なお水を想像します。
私はこの作品を飲むときはいつもそれらのイメージを持って味として感じて飲むことができます。
きっと皆様の経験が焼酎の味を帰ることになります。
是非、大地の香りを味わって焼酎を楽しんでみませんか?
お近くの自然に溶け込んでもいいですし、鹿児島県垂水にきていただいても構いません。
一緒に作品に関わりましょう!
コロナが落ち着いたらお待ちしております!




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