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銀行の「マーケティング」と「営業企画」の教科書、書いてみます!


みなさま、はじめまして!地方銀行の本部で営業企画を20年以上続けています、尼田 雅典(あまだ まさのり)と申します。

この原稿を書いている本日、2024年3月19日、日本銀行がマイナス金利政策の解除を発表しました!うーん、実に喜ばしい、パチパチパチ!!将来、銀行員にとっての歴史的な1日として思い出されることでしょう。

私が銀行の営業店から本部に来たのは2002年、そこからITバブルの崩壊、リーマンショック、東日本大震災と、いろいろな出来事がありました。当社も2004年に合併を経験いたしました。

あれから20年もの月日を経て、ついに日経平均株価は4万円超え!わが国の金融経済は新しいステージに突き進もうとしていると信じたいものです。

前置きが長くなりました。本noteでは、銀行の企画業務に携わるみなさんや、本部業務を経験してみたいみなさん、また銀行の本部企画の内情を把握したいコンサルティング会社のみなさんを念頭に、「銀行×マーケティング」「銀行×営業企画」をテーマに、いろいろと書き連ねていきたいと思います。

≪ご注意≫
本稿の内容は、私の所属する株式会社西日本フィナンシャルホールディングス、株式会社西日本シティ銀行の公式な見解ではなく、私の個人的な見解です。また、金融商品・サービスの案内や営利を目的としたものではありません。

まずは、簡単に自己紹介

私は、福岡に本店のある、株式会社西日本フィナンシャルホールディングス及び株式会社西日本シティ銀行で、営業戦略やマーケティング、チャネル等を担当しています。

2002年の本部着任以来、個人ローン、預り資産等の商品や、デジタル・リアルのチャネル、営業態勢等、一通りの営業企画に携わってきました。

2020年には、新たに立ち上げたデジタル戦略部で、デジタルマーケティングや新規事業の開発、取引先のデジタル化支援などにも携わってきました。

略歴

  •  1998年4月~ 西日本シティ銀行入行

  •  2002年7月~ 営業企画部門でローン企画を担当

  •  2011年4月~ 営業企画部門で預り資産企画を担当

  •  2013年7月~ 東京本部で地方銀行協会担当

  •  2014年10月~ 営業企画部門で戦略企画を担当

  •  2016年4月~ 営業企画部門で商品企画グループのチーフを担当

  •  2020年4月~ デジタル戦略部門でマーケティンググループのチーフを担当

  •  2021年4月~ グループ戦略部門のオープン・イノベーション推進室長とデジタル戦略部門のイノベーション企画グループを兼務

  •  2023年4月~ グループ戦略部門と営業企画部門の戦略企画グループを兼務

なぜ、情報をアウトプットするの?

この歳になると、誰かの役に立ちたくなるのよ・・・

みなさん、銀行員の定年って何歳かご存じですか?そう、55歳です。いくらなんでも早すぎるよね…。多少延長されていくのではないかと勝手に予想していますが…。

そして、気がつけば48歳。「可愛い可愛い後輩諸君」や「銀行の本部業務をがんばろう!って考えてくれてる次世代」に何か残していけるとしたら、今しかないのかなと思い立ち、筆を執ってみる(いま、筆を執るって死語??)ことにしました。

まあ、なかなか企画一本で20年やってきた選手は、銀行界広しと言えどもそうそういないのではないかなぁと・・・。本日、オープン戦で投げていたソフトバンクホークスの和田投手と同じく、もはや剛速球は投げられませんが、後輩たちが1つでもヒントを得てもらえれば幸いでございます。「尼田さん、いつから人が変わったんですか?」とつっこまれそうですが・・・。

「ただ、オマエ、現場の経験、全然ねぇじゃねーか!」
いやいや、その通りでございまして、何の反論もできませぬ。ですから、お読みいただくみなさんは、ご自身の営業店経験と照らし、批判的な目線も持ちながら、読み進めていただけると幸いです。

和田投手も急にバッターやれって言われても打席に立てませんから(笑)。やっぱり大谷選手はすごいなあと思います。

「営業」の教科書はあっても、「本部業務」の教科書がない・・・

「うちの銀行にはちゃんと教科書ありますよ」って方、それは相当恵まれていると思います。当行の営業企画部門では5年前に大作業してマニュアルは作ったのですが、残念ながらそこには「ノウハウ」というか「職人の知恵」というか、そこまでは書ききれなかったんですよね。

銀行業界はどこも営業担当者の若年化が進み、営業スタイルやOJTの型化を進める課題がありますが、本部業務も同じことが言えるのではないでしょうか?一部業務は、団塊ジュニア世代の職人芸になっているっとことも珍しくないです。
すみません、それ、全部われわれ世代の怠慢です。

なので、本noteは、そんな若手企画担当者、マーケティング担当者の方にとって一つのガイドライン(実務的な教科書)となることを、僭越ながら目指していければと考えています。

銀行員が外向けに発信するのは、リスクが高すぎる・・・

そうなんです。noteだけでなく、X(旧Twitter)中を探しまわっても、現役の銀行員が、実名で何かを発信するってことは、ほとんど行われていないのではないでしょうか?みんなの銀行の永吉さんやGMOあおぞらネット銀行の矢上さんくらいしか思い当たりません。(他に諸先輩いらっしゃいましたら、すみません)実際、私のXのアカウントは @fukuoka_banker なのですが、さも福岡を代表するようなバンカーのアカウント名を簡単にとることができました。

では、なぜこんなに発信が少ないのか・・・
それは、発信のメリットよりもデメリットの方が上回っているからに他なりません。銀行員は社会的信用が「命」。万一、不用意な発言や発信をして、コンプラ部門や人事部門に目をつけられてはたまったものではありませんからね。

実は私、数年前に当社公式Twitterの中の人をしておりました。現在当社Xアカウントのフォロワー数は、後輩たちの頑張りのおかげで、地銀No.1の約9.6万人(24/3/24現在)となっています。このとき学んだのは、一つのメッセージでも、多面的な見方をしなければ、不快に感じられるリスクがあるということ。上記に(24/3/24現在)と入れましたが、これも情報発信に必要なノウハウの1つと言えます。
かといって、事務的な文章や広告表現ばかりでは親しみもわきません。Xの発信というのは、想像以上に難易度の高い作業なのです。

西日本シティ銀行のX @ncbank_official

というわけで、私自身も守秘義務違反等に問われることのないよう・・・と肝に銘じながら、情報発信を続けていければなと考えています(コンプラのみなさん、万一、まずい表現を見つけたらご指摘を)。

銀行のマーケティングは絶対におもしろい!

以上のような背景もあり、なかなか銀行の本部業務の面白さはWeb上では語られていないのですが、苦しい最初の2~3年を超えれば、こんなに面白い業務はありませんよ!

なので、できるだけ早くみなさんにその域に達していただきたく、連載を進めていきたいと考えています。どれだけニーズがあるかわかりませんが(笑)

それでは、次回からは、いよいよ本題。企画の1年生が任されてることが多い「キャンペーン」と「プロモーション」について、語っていきます。みなさん、よろしくお願いします!


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